理科の勉強法 [理科]

10月1日

こんにちは。
それでは今日は「理科」の勉強法についてです。
とは言っても特に難しいことはありません。

「数学」の勉強法と「社会」の勉強法と同じです(単元によって異なります)。
数学の勉強法の中の特に「応用問題の解き方」を思い出していただきたいと思います。
そう、解放のパターンの暗記でしたね。

「物理」に関しては、数学に比較すれば応用問題のパターンも非常に限られていますし、覚えやすい公式ばかりです(というか覚えなければいけない公式自体が少ないです)。
計算も数学で行うものに比べれば簡単なので、楽。
解けない理由があるとすれば「理科」に原因があるのではなくて、「数学」になります。
実はこれは高校の「物理」でも同じで、実は毛嫌いさえしなければ大学受験で最も勉強が楽な科目ではないかとも言われています。同じ問題集を何回か解いて、自信をつけることからはじめましょう。
「化学」分野は少し暗記が多いです。
大変ですが、しっかり覚えましょう。「スイヘイリーベー・・・♪」の通りです。
暗記方法については「社会」でお話しましたね。
関連付けがポイントです。
「スイヘイ・・」も関連付けられているから覚えやすいんです。
多くの人が大人になっても覚えているということは相当インパクトの強い暗記方法なんですね。
社会の年号暗記と同じように工夫しながら学習するのが大切です。
「生物」、「地学」も同様に暗記要素が非常に強いですね。
何回も解くのが基本ですが、社会の語句と違って関連付けで覚えやすいので、実は社会の語句よりも覚えるのが楽です。一回はノートに図とかを書いて情報を整理してからのぞみましょう。

要するに何が言いたいのかと言えば、中学までの「理科」は勉強法の総合科目です。
「理科」としての特徴はあまりありませんが、嫌われやすい科目なので、点数が伸び悩む生徒が多いです。
僕はあえて、「理科」の勉強が簡単だという話はしないで、「理科」を一生懸命やらせていました。
なぜかと言えば、昨日お話したとおり、しっかりやりさえすればほぼ間違いなく点数が上がるので、本人が「理科が得意になった」と錯覚するからです。
嫌いだった「理科」を克服することで勉強全体への苦手意識を払拭してくれる子供までいます。
簡単だって言ってしまうと、本人は喜びませんよね。
そこを上手に導くのが塾長の役割だったのです。

そしてそれは同時に教育リテラシーのある親の役割ですね。
モチベーションは「やれ」と言って上がるものではないのです。
いかにそれを戦略的に行うのか?

それを考えたときにこのやり方は非常に有効なので、ぜひともお試しください。

外発的動機付け [モチベーション]

10月2日

9月28日のブログで子供のモチベーション管理についてお話しました。
今日は少し学問的な内容になるので、小難しい話が嫌いな方は読み飛ばしてください。

動機付けには二つあり、そのうち外からの刺激によって与えられる動機付けを「外発的動機付け」と呼ぶというお話をしました。子供へのテスト報酬しかり、会社でのインセンティブしかりです。
子供に対して「外発的動機付け」は望ましくないので、「テストで満点が取れたら2000円」のようなことはするべきではないということを心理学者デシのお話を引用しながら説明させていただいたわけです。
この点についてもう少しお話を進めた方がよいと判断したので、その内容をもう少し補足したいと思います。

おもしろがってやっていた行為が、何かの報酬をもらうための手段だとみなされてしまうと、もともともっていた内発的な興味が失われてしまう」ということをデシは「アンダーマイニング効果」(減退効果)と名づけました。
「アンダーマイニング効果」を引き起こさないために、もともと興味を持って行っている行為に対して「外発的な動機付け」は行うべきではないというのがデシの観察ですが、デシはこういうことも言っているのです。
「外発的動機付け」が必ずしもダメなわけではないと。
「・・・?」
ですよね。
では、どういう場合において、「外発的動機付け」が有効なのでしょうか?
デシは最初からの「内発的な動機付け」が全く見られない場合と言っています。
つまり、「外発的動機付け」における問題点は「内発的動機」を弱めてしまうことであり、そもそも初めから「内発的な動機」が存在しなければ、「外発的な動機」から入るのも悪くないという意見。
なぜなら、外発的な動機は注入の段階、同一化の段階を経て、内発の段階へと進むことがあるからです。
その内面のプロセスを支えていくことが重要な役割であるとも言っています。
デシの主張をすごく簡単に言ってしまえば、
「勉強に関しての興味や関心が全くないんだったら、お金で釣るのもアリだよ。」
「でも、それは最初だけだよ。」
「勉強を学ぶ純粋な喜びにつながるまではフォローは忘れずにね。」
ということを言っているわけです。

僕の観察では家庭でこれを行うのは、現実的には難しいのではないかと考えています。
どこが難しいのかというと、「継続的なフォロー」です。
そもそもお金で子供のやる気を引き出そうという考え自体、短絡的だと言えるでしょう。
そうした短絡的な行動を考える人が、この「継続的なフォロー」といった面倒なプロセスを行えると思えないのです。これが出来るくらいの人であれば、そもそも子供の勉強に対しての興味や関心が全くゼロという状態にはならないと考えています。
わからなくなってきた・・という理由で興味関心がゼロに見える子供は確かに多いですが、ほとんどの子供は「わかる」ようになれば興味や関心を取り戻します。
重要なのでもう一度言います。
子供は勉強がわからないから興味関心がゼロに見えるのです。
ですので、まず重要なのは「わかる」ようにさせることです。
「わかる」ようにさせてみても、興味や関心ゼロというのであれば、策を考えなければなりません。
しかし、「わかる」状態であれば、テストの点数はいいので、報酬による動機付けは不要ですよね?

僕は基本的にYES、NOを明確にします。
読者が混乱しないためにです。

曖昧な部分にメスを入れるとどうしても議論が難しくなるので、なるべく避けていますが、今回は少し突っ込んだお話でした。最後にもう一度まとめます。

お金やモノを与えてやる気にさせるのなら、バカにでも出来ます。
そうでないところから「やる気」を引き出すのが、いい親だと言えるでしょう。


モチベーションが続く理由 [モチベーション]

10月5日

こんにちは。
五教科の簡単な解説も一通り終わったところで、さて何を書こうかと途方に暮れてしまいましたが、ネタはまだまだありますので、思いついたところから書いていきます。

今日はモチベーションの仕組みについて考えてみたいと思います。
モチベーション。
やる気の源泉は何かと言えば、感情です。
勉強に対してのやる気だけではなくて、誰かを好きになるのも感情です。
何かを欲しくなるのも感情です。要するに「感情」の働きが僕たちを突き動かします。
あんなに好きだった相手に対して何も思わなくなってしまう・・こうしたことってありますよね?
同じように、どれほどやる気になっても3日間くらいで冷めてしまう・・こうしたことも多いです。
でも、こうした心の動きは「感情のメカニズム」から言えば、当然の結果なのです。
感情には波があるからです。
「やる気」だけに頼った勉強は決して長続きしません。
僕の場合、職業柄、生徒をやる気にさせるのは得意ですが、それだけでは、3日後に迫ったテストになら効果を上げることが出来ても、1年後の受験には効果を上げることは出来ません。
塾長としては、感情を上手く刺激してモチベーションを上げることは必要ですが、そこから先の一工夫がなければダメなのです。
では、別の問題で考えて見ましょう。
どうすれば恋人同士の愛情が冷めないのか?です。
付き合った当初の二人はラブラブです。
お互いの感情が高まっているので、そのままでOKなんですが、感情なのでそのままにしていればいつかは冷めます。これは絶対にそうなっていると考えるのがコツです。
なんか不条理ですが、こうならないと困る面もあります。
例えば、親しい人の死。「悲しい」という感情がいつまでも残れば生きていられません。
自分にとって有益な感情は長く持続させたいのですが、そのための方法が、すぐにその「感情」を行動に変えることなのです。行動に変えることによってしか「感情」は持続されません。
恋人同士であれば、誕生日や記念日をいつまでも祝福し合う。
毎日お互いを褒めあう。こうした行動が「感情」を維持させるのです。
逆に言えば、失恋してつらければ何にもしないことです。
ストーカーなんてしてしまうと、「感情」はいつまでも長引き、解消されない分、自己肥大していきます。
結果的に異常な行動を取ってしまう方もいますが、それは小さな行動の積み重ねの結果なんですね。

さて、「勉強」。
テストで良い点を取った、先生にほめられた、学校説明会にいった・・
モチベーションが上がるきっかけはたくさんあると思いますが、その感情を冷まさないためのコツは、その感情をすぐに何らかの行動に変えることです。やる気だけの勉強は長く続きません。
最新の脳科学によると、脳が行動を命令しているのではなく、体が脳にどんな行動を取るのかの命令をしているということが分かってきているそうです。

「やる気+行動」
とにかく少しでもいいので、習慣や行動に変えること。
それが出来るのは、モチベーションが上がったときだけです。
それを忘れずに意識付けさせるようにさせてください。


今頃の受験勉強 [受験勉強]

10月6日

こんにちは。
そろそろ肌寒くなってきましたね。

私のいた塾ではちょうどこの頃にある掲示物が顔を出すことになっていました。
それが「○○入試まであと××日」というものです。
○○には「センター入試」やら、「公立高校」やらいろんな文字が入るわけなんですけれども、
それを掲示すると毎年もうこんな時期かぁ・・と感じたものです。
そして、これも毎年の事なのですが、その掲示物を貼ってから受験までの期間の早いこと、早いこと。
それはもう坂道を転げ落ちるようなスピードで時間が過ぎてゆくわけです(意味不明)。

さて、思っているほど受験までの時間もないということで、受験生諸君はこの時期にどういった勉強をすればいいのでしょう?これは中学受験生から大学受験生まで共通しているのですが、まず一番先に行っていただきたいのが、受験までの日数からの逆算です。
受験までの日数から必要な課題を割り出していくわけですね。
そうした狙いがあって上記の掲示物を作っていました。
子供たちに危機感を与えるという狙いももちろんあるのですが、私を含めた講師陣が受験までのカリキュラムを把握しやすくするという狙いもあります。この時期の塾にはあって欲しい掲示物の1つですね。

さて、逆算はいいんだけれども、もちろんお子様の現状は様々です。
全員が同じ事を行えればいいというわけではもちろんありません。
しかし、受験日直前には何を行えばいいのかと言えば、これははっきりしているんです。
「赤本」てやつですね。受験校の過去問題です。
どのくらい行うのかと言えば、「受験校×5年分×三回」が理想です。
例えば3校受験するとすれば、45回分も過去問を解く必要があります。
これに結構時間を取られるわけなんですよ。
1回分の過去問に答え合わせやそれに関連した勉強を含めると2時間くらいかかります。
それを45回やるとすれば、90時間ですよね。
90時間というのは、毎日3時間勉強したとしても丸一ヶ月かかります。
過去問に入る前には当然今までの問題集ではなくて、実戦形式の総合問題を解いておく必要がありますから、
このための勉強にも最低1ヶ月は使いたいところなんですよ。
2月1日から受験が始まる大学受験生の場合であれば、1月に過去問、12月に実戦問題。
2月に私立入試、3月に公立入試がある高校受験生であれば、1月中旬には過去問、遅くとも年末年始には実戦形式の問題に入る必要があります。
総合問題を解くためにはそれまでにすべての学習単元を終える必要がありますから、高校生の場合は問題ないでしょうが、中学生なら12月中に残りの学習単元の先取り学習を行うのが理想です。

まとめると、多くの受験生にとって12月以降は過去問を含めた総合形式の問題演習になるわけです。
ということは、12月初旬頃までには単元別の学習は終えるのが理想となります。
私の場合は1年前には受験の年間スケジュールを組みますので、夏までに単元別の学習をほとんど終えて(中学生の場合は2学期の内容を残しますが)、9月の模試結果から弱点分析をして、その補強をこの時期に行わせるような予定を組みます。年度の最初の段階ではこの時期に行う具体的な単元は未定ですが、夏終わり頃の模試結果をもとに必要な学習を割り振っていくのです。

実際は今頃塾に駆け込んでくる生徒とか色々なパターンがあります。
それでも受験前の過去問+総合問題は外したくないので(量は減らすにしても)、そこから逆算で必要が学習計画を立てていきます。

大切なのは、「受験からの逆算」です。
一日では書ききれなかったので、また明日も続きを書きます。



秋からの受験勉強 [受験勉強]

10月7日

こんにちは。
夏休みは受験勉強の天王山と言われますが、理由はこのように受験から逆算してみれば明らかなのです。
夏にはすべての単元を終えて、秋に弱点克服、12月以降に実戦問題、受験前に過去問題というのが受験勉強の王道だからです。その道から外れてしまうと、従来型のプログラムでは修正が難しくどうしても無理が出てしまいます。
しかしながら、塾や予備校なりで、しっかりとした年間スケジュールを立ててもらい、それに基づいて学習をしていれば問題ないのですが、全員がそういうわけにもいきません。
今までほとんど学習をしてこなかった子供、秋になっても単元の復習を終えていないような子供は、もう第一志望の合格は難しいのでしょうか?
私はそうは思いません。
そうした子供のためのアドバイスを今回は公開したいと思います。
中学生限定です。

まず優先順位からすると、それでも過去問は外せません。
いきなり総合問題から復習を始めてしまう生徒がいますが、それもよくないです。
やはり勉強は単元毎の学習が基本だからです。
本屋さんに行ってもらえば分かりますが、総合問題だけを集めたテキストはほとんどありません。
科目は理科から重点的にはじめると良いでしょう。
理由は先日に述べたとおりです。
理科と並行して、社会です。
結果が出やすいのでモチベーション維持に役立ちます。
数英は学ぶ内容が多い割に多くの学校では入試の配点は理科、社会と同じです。
取れる科目から取るのが入試の基本なので、ここでは理社を優先します。
受験用のテキストを買って、年末までに最低3周はしてください。
だからと言って英数を無視するわけにもいかないので、どうするかですが、理科、社会の勉強に加えて計算問題と英語の単語と構文の暗記を毎日の勉強とします。英語+数学で全体の勉強時間の30%です。
理科、社会に60%の時間を割きます。残り10%は学校の勉強です。
学習の習慣がなかった子供は多くの場合、計算力や単語の暗記量が足りません。
英語、数学に気を取られて理科、社会の勉強にまで気が回っていません。
もちろん例外はあります。
すでに社会だけは得意とかそうした条件があれば、それは有利なことなので、その分を除外して考えてください。私が問題にしているのは際立った特徴のない生徒です。
勉強してこなかった子供の一般的な傾向について取り上げています。

英語、数学は基礎力さえあれば、あとは学校毎の対策で部分点を取りにいくのでこれでいいのです。
その取り方を過去問で学ぶわけですから。
英語、数学では高得点を狙えないから、理科か社会で高得点を狙うのです。
国語力は残念ながら、半年程度では身につきません。
思い切って捨てましょう。その時間を他の科目に使ったほうが効果的です。
なにせ時間がありませんから。
あれもこれもだと、虻蜂取らずになってしまいます。

こんな勉強の仕方は個人的にはあまり好きではありませんが、仕方ありませんね。
受験のためだけの勉強と将来に役立つ勉強は少し違うのです。
本物の力を身につけるにはある程度時間がかかるのは仕方ないんです。

過去問の解き方とかもう少し具体的な戦術はいずれ書きますが、概要はこういうことです。
選択と集中で一日も早く成果が出る学習を心がけましょう。



模試結果分析(総合編) [模試結果分析]

10月9日

こんにちは。
ほとんどの塾では学力テストなるものを行っているはずです。
模試結果が返却されると、順位やら偏差値やらよくわからない数字が並んだデータが返ってきます。
この模試結果表は塾としてはものすごく重宝するのですが、保護者の方々にはあまり人気がないようです。
その理由はやはり見方がよくわからないからだと思うんですね。
これを丁寧に説明させていただくと、とても喜ばれます。

模試結果には見方があるのです。
ただ眺めているだけでは効果は見込めません。
しっかりとその数字を見れば、その生徒に何が足りないのかがすぐに分かります。
慣れてくればデータだけで、その子供のおおよその性格や生活習慣まで予想出来てしまうほどです。
しかし、塾長や教室長と呼ばれる方々ですら、その本当の分析の仕方を知らなかったりします。
「えぇと・・方程式の文章題が弱いから、そこを鍛えなくちゃいけないな」とか
「○○高校に合格するためにあと4偏差値を上げよう」とか
要するに、見れば分かるというレベルの分析しか出来ない方が数多くいます。
これでは素人と変わりません。
実は、正しい分析方法を学べば、かなり正確にわが子の現状を把握できます。
先にあげたような意見しか言えない塾長のいる塾に行く必要はないわけです。

模試結果が返却されるとまず何に目を通すべきかと言えば、偏差値です。
学校のテストで得点という感覚に慣れているので、まず得点を見てしまいますが、偏差値から見る癖をつけて一日も早く偏差値という数字に慣れてください。
なぜ偏差値が重要なのかと言うと、相対的な評価だからです。
日本の入試において絶対的な基準で合否を決めている学校は基本的にはありません。
学校には定員があるからです。
要するに「よーいドン!」でマラソンを走って、1時間以内は全員合格とはならないのです。
そうすると、全員が1時間以内なら全員合格になりますから・・。
先に来た100人までのように、基準を学校規模に応じて、設けておられるわけですね。
そうした意味では得点は無意味とも言えます。
たとえ99点でも他の全員が満点なら不合格だからです。

まず偏差値で次に得点です。
得点は何の感情も挟まずに確認し、次に何を見るのかと言えば、得点と偏差値の相関表です。
今回のテストはこれだけの点数を取れば偏差値はこれだけでしたという表で、多くの場合、各科目毎の偏差値が書いてある横くらいに表があると思います。
この表が大切なんですね。

自分の目標偏差値がどれだけなのか?をまず設定してください。
偏差値を大きくわけると、「70→最高レベル、60→得意レベル、50→標準レベル、40→苦手レベル、30→何も分かっていないレベル(一般的な模試の場合)」です。その科目でどうなりたいのか?が明確でなければ目標は立てられません。具体的な志望校があるのであれば、その偏差値が目標です。
例えば、数学は得意になりたいから、偏差値60、他の科目は標準レベルを超えるために偏差値50・・といったように具体的な目標を設定するのです。
その目標に基づいて、先の相関表を確認します。
今回の数学の得点が55点で、偏差値60の下に75点という数字があったとすれば、偏差値を60にするためにはあと20点必要だったということになります。
(現物を見ながらでないとご理解いただきにくいかもしれません、すいません。お手元に模試結果があれば、ぜひ参照してみていただければと思いますが・・)

あと20点という差分の数字を出してから、下の単元毎の正答率に着目します。
あと20点取るためには何が出来たのか?をそれを見ながら考えていくわけです。

今日は、模試結果分析についてお話させていただきました。

もちろんここまでは、基本の基本の基本です。
これを大前提にして次回から各科目毎の模試分析の仕方を紹介させていただきます。
このノウハウを覚えれば、それだけで塾長になりすまして学習相談が出来るようになります。
しかも簡単です。そして楽しい。

それではまた来週。どうぞお楽しみに。




模試結果分析(国語編) [模試結果分析]

10月13日

こんにちは。
模試結果分析(国語編)とはなっているのですが、模試結果分析は科目の関連性を見るので、国語のお話には留まりません。他の科目のときもそれは同じなのですが、その点はご了承ください。
さて、国語。
まず最初に読解力を見ましょう。
以前、お話させていただいたように読解力は基礎能力のようなものです。
運動における運動神経です。
読解力を見て、その子の勉強に対してのセンスを見るわけです。
(※読解力は高めることが出来ます→国語の章を参照)
しかし、模試では何やらとてつもなく難しい文章が出題されることがあり、そうした場合は平均点が下がります。
カテゴリー毎の偏差値まで出ている模試であればいいのですが、なかなかそこまでは望めないので、ここでは平均点に対しての正答率をチェックします。
平均点に対して読解力の方が上回っているかどうかです。
読解力が上回っていれば、全科目での総合偏差値が50を超えているかの確認を行ってください。
ここで4つのパターンが考えられます。

読解力が平均を上回っているし、偏差値50以上→OK
読解力が平均を上回っているが、偏差値50以下→NG
読解力が平均を下回っているが、偏差値50以上→NG
読解力が平均を下回っているし、偏差値50以下→OK

ここでOKとした子供は少し話をおいておきます。
問題はNGの生徒です。
読解力を運動神経と置き換えれば、それに見合った点数が取れていない(あるいは取れすぎている)ということは、これまでの学習の経過に何らかの歪みがあったという仮説を立てることが出来ます。
まずは読解力ばかりが高い子供(ケース①)。
この子供はあまり勉強をしていないかもしれません。潜在力はまだまだあるというように考えることが出来ます。
単純に勉強時間が足りていないケースが圧倒的に多いです。
逆に読解力に対して全体の成績が非常にいい子供(ケース②)。
こうした子供はコツコツと真面目に勉強をしている場合が多いです。
こうした子供はあまり勉強面の成果に対して叱ったりはしない方がいいかもしれません。成績が悪いことを一番気にしているのは本人だったりするからです。読解力をつけるだけで全体の成績がさらなる大幅アップすることを期待出来ますが、読解力は短期では身につかないという問題があります。
ケース①の場合は、短期間であっという間に成績が上がるかもしれません。
その際、問題になるのは、その他の基礎能力の修練度です。
「読み、書き、計算」の「書き、計算」ですね。
ここでチェックするのが、漢字の正答率と数学の計算問題の正答率です。
両方とも高い数字を示していれば、あとは勉強するだけで、その子供の成績は短期間で急上昇します。
この生徒の一番の問題は「目標管理」や「モチベーション管理」であるといえるので、教え方よりも「やる気」の引き出し方が上手な講師に任せたりします(塾の場合)。
ご家庭の場合であれば、「モチベーション管理」のあり方について私の過去のブログから調べてみてください。
さて、「読解力」はあるが、漢字や計算問題の正答率がボロボロな場合・・。
こうした子供は集中力がなかったり、物事をコツコツと丁寧に行うことが苦手だったりします。
簡単な問題をバカにして、難しい問題ばっかり解く癖があるかもしれません。
勉強時間の割に解いている問題数が少なかったり、ノートが乱雑で汚ない傾向があります。
こうした子供の場合は要注意です。
反復練習の大切さを教えなければなりません。
部活動で言えば、走りこみや筋トレをサボる子供です。その割に試合で活躍するという・・。
こうした子供に足りないのは勉強の習慣化です。
一日のうち1時間くらいを漢字、英単語、計算問題を解くための時間に当てて、それを毎日行わなければなりません。才能のある選手が基礎を固めれば最強になりますが、勉強も同じです。
こうした子はそういう地味な勉強をバカにする傾向があるので、そこさえ直せばかなり成績は良くなる場合が多いです。
しかしながら、最大の問題は、こういう傾向は本人の性格に根ざしている場合が多いので、簡単に変えるのが難しいということです。本人が痛い目を見るとよくわかるのですが・・。
イチローのように才能があって、基礎を大切にする人間はなかなかいないのが現実です。

中途半端になりますが、まだまだ続いてしまうので、今日はここまでとさせていただきます。
明日は読解力よりも成績が良くなってしまう生徒についてのお話から進めさせていただきます。



模試結果分析(国語編) [模試結果分析]

10月14日

今日は読解力に比較して全体の成績がいい子供についてのお話からですね。
運動に例えるなら、運動神経があまり良くないにも関わらずいい結果を出す子供。
これは努力をしていますね。
頑張っています。
しかし、大学受験生であればともかく、中学生までで試験の読解問題を読み込めないというのは、先天的なものというよりは単純に読書不足、活字慣れをしていない可能性の方が高いです。
そうした意味では偏った努力であったとも言えます。
国語のときに読解力は自分で高めることの出来る運動神経のようなものですとお話させていただきましたが、読解力が不足しているのであれば、やはりそれなりの対策は行うべきです。
読解力を高めるための最善の策はやはり読書ですが、例えば、受験があと数ヶ月後に迫っているのに悠長に読書などしていられないというのも分かります。
読解力を身につければ、それに伴い全体的な成績向上が望めるのですが、すぐには身につきません。

※(以下は、少し専門的な話なので、参考程度に・・)
私がどうしていたのかと言えば読解力が20%向上すれば、全体の成績が5%向上する(個人差があるので、模試結果を総合的に判断して、この数値を推定します)と仮定し、その5%の向上がなかったとしても、目標偏差値を取れる要素があるのであれば、読解力の向上についてはあきらめて他を優先します。
読解力を高めるしか合格に向けての策がないのであれば、テクニックから読解の指導をします。その際の教材には高校生用の教材を用いていました(中学生でそこまでの内容のものはあまりないので)。

全体のバランスを考えて、最適な学習戦略を立てることが大切です。
受験が迫ってから、こうした子供の学習計画を立てるのは本当に大変です。こうなると、ご家庭だけでは対処が難しいので、早い段階から読書の習慣だけは身につけていただきたいのですが・・。

ここまでは主に読解力について確認してきました。
その他の項目は大きく分けると、知識+表現に分かれます。
とは言え、作文の出題がある模試は限られていますから、知識のみの場合も多いです。
知識や表現力と読解力には関連性があります。
文中の漢字がさっぱり読めていない場合や、読解できているにも関わらず、記述式の解答がまずくて点数につながっていない場合などです。
このような理由で解答を間違っていた場合には、読解力についての目測を誤りますので、本当に読解力がないのか?それとも知識と表現力に問題があるのか?について見極めます。
表現力がない場合には他人の力が必要です。
個別指導の塾や家庭教師の先生、学校の先生に添削をお願いしなければなりません。
よく分からない文章というのは往々にして、主観的です。
客観的な立場から指導してもらわなければ気付くことが出来ません。入試などで作文があって、しかもそれを苦手をしている場合には、誰か身近な人に指導してもらえる機会はないか考えてみる必要アリです。
慣れてしまえば文章を書くのはそれほど難しいことではありません。
いくつかのルールを気をつければ良いのです。
さて、知識分野。
古典や文法に関しては独立した単元なので、割愛させていただきます。
漢字は大切です。
私の勉強法は「読み、書き、計算」を徹底して鍛えることがベースになっていますが、漢字力がない子供は往々にして英単語力がありません。そして英語の成績も良くありません・・。

漢字問題の正答率を確認したら、次に英語の成績の確認へと移ります。
どのように見ていけばいいのでしょうか?

明日続きをお話させていただきますね。





模試結果分析(英語編) [模試結果分析]

10月15日

こんにちは。
以前、基礎英語力は漢字能力と密接な関係がありますというお話をさせていただきました。
なぜなら、真面目に英語の勉強をしようとすればするほど、初期の英語学習は退屈なものだからです。
中学校までの英語力というのは、単語力と構文力にほとんどが裏付けられています。
単語力と構文力がどのようにすれば身につくのか?
これはもうとにかく「書いて、声に出して発音して」の徹底した繰り返しでしかないわけです。
しかし、単純な作業だからと言って、子供たちが一生懸命これに取り組むかというとそんなことはありません。
飽きがきやすく、必要な練習量をこなす前に投げ出してしまう子供が多いです。
そういった意味では勉強への「集中力」が問われる学習と言えます。
私は常々、勉強の土台は「読み、書き、計算」の修練だけで身につくと申し上げていますが、この「書き」ほど重視されていないものはありません。以前お話しましたが、「書き」とは作文のことではなく、「筆写」のことであり、この3要素が勉強の基礎である点は「読み、書き、そろばん」の寺子屋の時代から変わっていないのです。
「読解力、計算力」と同様に修練が必要であり、そう簡単に極められるものではないのです。
さて、その「書き」の能力を示す指標として、漢字の正答率を参考にします。
その上で英語の結果に目を移すと、漢字が悪い子供はほとんど英語の成績も悪いです。
漢字が悪いにも関わらず、英語が良ければご家庭が英語教育を重視されていて、小学校から英会話に通っていたとか、何か他の理由があるのかな?と予想したりします。
もちろん、たまたま漢字の点数が低かったという可能性も考えられますが・・。
生徒がいれば、「漢字を書くのは得意?」と聞きます(読みだけであれば、読書好きな子供は読めます)。
そこで点数と現実の確認を行い、やはり「書き」の習慣が足りなそうだなという印象を受ければ、そのための対策を今度は考えてゆきます。具体的にはノートを文字で埋め尽くすくらいの筆写をお願いします。
漢字や英単語や英語構文についてです。
宿題というかたちである程度の強制力を持たせ、習慣化していくようにします。筆写の宿題の便利な点は解答を写すなどのズルが出来ない点です。純粋に量で判断します。
とにかくこうした子供は「単語力」、「構文力」の欠如が疑われます。

そして、次に文法問題の正答率をチェックします。
高校生であれば、文法の正答率とその他の正答率を分けて考えますが、中学生の場合であれば、文法力=英語力と仮定して、分析を進めていきます。
英語の模試はだいたい「単語(あるいはリスニング)、文法、構文、長文」のような構成になっています。
文法の正答率を英語全体への理解度とするなら、文法の正答率に比較して、低い項目は要注意です。
まずは単語が低い場合。
この子供に一番疑われるのが音読して学習しているか?という点です。
教科書のCDなどを購入したほうが良いケースもあります。
構文が低い場合も同様ですが、そもそも構文は暗記しないといけないものだという視点が欠けているかもしれません。中学生でしたら、最低でも50個は覚えたいところです。
構文暗記を課題として提出させたりします。

文法が悪ければ同じように単語、構文力も悪いケースがほとんどです。
ただし、上記の例のようにそれ以上に悪い場合があるということです。
その逆のパターンというのはあまりありません。
中学英語の文法問題というのは、単語と構文力があれば、正確な理解をしていなくても正解出来るからです。
例えば、He ( ) not like baseball.のような問題があったとして、
頭の中で「この場合はBe動詞が入って、主語がHeなのでisになるな・・」などと多くの場合は考えません。
ましてやこれが選択問題であれば、ほぼ直感的にisを選ぶわけです。
高得点を狙うにはひっかけ問題である可能性とかも考えながら解くので、本当の文法力が問われますが、文法的にはちんぷんかんぷんでもある程度までの得点は出来ます。

最後に英語長文。
これはちょっと違います。
文法力や単語力がなくても解けてしまう子供がいます。

次回はそうしたケースを見ていきます。




模試結果分析(英語編) [模試結果分析]

10月16日

こんにちは。
今日も模試結果分析です。

昨日、ブログにて、英文法の正答率を英語力として考えましょうというお話をさせていただきました。
(大学受験生やTOEICは当てはまりません)
では、英語長文の正答率が文法に対して高い場合はどういった理由が考えられるのでしょうか?
大きく分けると3つあります。
結論から言えば、①長文問題への慣れ②(国語的な)読解力がある③英単語力がある
だいたいはこの理由のどれかかあるいはその複合パターンに落ち着きます。
逆に文法の成績に対して長文の成績が悪い場合はこれらの原因がまず疑われます。

まず、①の場合。
これはまず慣れてもらうしか仕方ありません。
中学生の場合であれば、長文が20題くらい集められたテキストを一回解けば慣れるでしょう。
こうした勉強ばかりしてきたのかもしれませんし、こうした勉強が足りないのかもしれません。
いずれにしても文法の正答率とのバランスが悪い場合は、勉強の仕方がいずれかに偏っている可能性があるので、チェックします。特に注意したいのは、こうしたテキストばかりして、長文だけ得意になっている生徒です。
長文問題は独特の勘みたいなものが養われてしまえば、驚くほど高得点が取れるものです。
テクニックに偏っており、本当の英語力がついていない可能性がありますので、注意して確認します。
次に、②の場合です。
英語というよりも国語力に原因がありますので、根本的な問題です。
国語の模試結果の読解力の欄の正答率が高ければ、この理由は消せますので、慣れか単語の問題かな?というように推測していきます。
解決策は読解力を高めるために活字を読む習慣をつけるしかありません。
最後に③の理由です。
単語力が理由になるのはおかしいんじゃないの?
と今までの内容をじっくりと読み込まれてきた方にはつっこみを受けるかもしれません。
このつっこみを入れられた方は本当にすごいです。
昨日と今日のブログの内容を100%理解しています。
素晴らしい読解力と理解力です。
意味が分からないという方も気にしないでください。
余談はさておき・・
単語力がなければ、長文が読めないということはご理解いただけると思います。
分からない単語ばかりだと内容が分かりませんからね。
30%くらいの単語が分からなくても推測しながら読むことは出来ます。
このあたりは慣れと読解力の問題でしょうね。
高校生レベル以上の長文問題なら、論理的思考能力があれば、単語力を補えます。
さてさて・・
今までの私のお話をもとにすれば、こういう仮説が成り立ちます。

(仮説1)
英文法の正答率が高いので、単語力も高い(昨日のブログの内容です)
→ゆえに長文問題で単語が苦手という理由になることはない
(仮説2)
英文法の正答率が低いので、単語力も低い
→ゆえに長文問題で単語が得意という理由になることはない

こうした観点から見れば、単語力が理由になるのはおかしいんです。
論理的に矛盾しますから。
けれども、単語が理由で、実力通りに長文が読めない(あるいは読める)という理由は確実に存在します。
そして実際にこうした生徒も存在します。
確実に言えることがあります。
この理由で長文力と文法力が乖離している生徒は「勉強の仕方」に問題があります。
今までの勉強の何がおかしかったんでしょう?
単語力が異常に高いという理由で長文の成績だけ目立っていい場合は、
文法の問題演習と構文の暗記学習のどちらかが足りていません。
簡単なテキストを買って与えるか、構文暗記を勉強の習慣に取り入れる必要があります。
これだけで劇的に英語の成績が向上すると思います。
逆に単語力が原因で、文法はいいにも関わらず、長文は読めていない生徒の場合。
この場合は、なぜ単語力がないのに文法問題は取れるのか?というように考えます。
先の例とは逆で、文法の問題演習ばかりをしているのかもしれません。
(構文暗記が得意とは思えないので、構文をやたら覚えているという理由は可能性薄です)
こうした子供は基礎が抜けています。
まずは徹底して、「書き」の訓練が必要です。
文法問題を解くためのテクニックだけが身についてしまっている状態で、自分は英語が出来るというように、錯覚してしまう非常に危険な状態と言えます。
何度も言うように、基礎英語の学習は地味なんです。
テクニックで何とかなるようなものではなくて、量稽古は欠かせません。
器用な子供だと、巧妙にその練習不足を隠すので表面化しにくいのですが、そうした実態をこうした観点から暴いていくのが、模試結果分析の一番の狙いなんです。
少しややこしい話になってきましたので、今のお話をもう一度整理しますね。
実際の私と生徒とのやり取りと私の頭の中をシュミレーションします。
(下に進んでいきます)

※模試結果を見て
「英文法の成績はいいな・・」
「それにしては英語長文の正答率が低いな。これはどういうことだろう?」
「国語の読解力はあるみたいだな」
「漢字の書き取りと英単語の正答率はどうだろう?」
「悪い・・これが原因だろうな」
「単語が分からないから、長文が読めなかったのは分かるけど、なぜ文法の成績はいいんだろう?」
※これまではすべて頭の中。そして子供に以下のような質問をします。
「もしかして今まで英語の勉強って問題集ばかり解いてた?」
「誰かに英語教えてもらってる?」
「小学校のとき漢字って得意だった?」
※この質問の結果から以下のような仮説や戦術を考えます。
「地道にコツコツと頑張るのは苦手そうだな。」
「達成意欲はありそうだ。」
「よし。次回の漢字検定にチャレンジさせよう。」

注意しているのは、単刀直入に聞かないことです。
例えば、
「毎日、英単語の練習ってしてないよね?」
「あまり英語の勉強ってしてないでしょ?」
などの質問です。
このように聞いてしまうと、子供によっては否定します。
そうすると本質には近づけません。

企業の面接でもそうですが、人を見るのは難しいです。
でも、これまでに積み上がった事実(模試結果)を分析した仮説をもとにして、本人と面談すれば、かなりの精度でその子供の本質を見抜くことが出来ます。自分の予想と本人の話している内容にギャップがあれば、どこでその歪みが生じているのかを考えます。
そしてその歪みこそ、その子供の成績が上がらない本当の理由である場合が多いです。
この模試結果分析でお話している内容がすべて正しいわけではありません。
そもそも、世の中のすべての子供がこんな簡単に分類出来ると考えるほうがおかしいです。
なかには全く当てはまらない生徒もいるでしょう。
しかし、ほとんどの子供に当てはまる傾向を知ることで、自分の頭の中に判断基準を持てます。
思い込みで相手を判断してはいけませんが、問題点を推測するための手がかりは必要です。
それが大切なことなのです。
子供を24時間監視しているわけではないので、仮説も立てずに問題点を見つけるのはほぼ不可能です。
模試結果分析とは、そこに現れる小さな事実から仮説を立てて、問題の本質の糸をたぐりよせる作業なのです。

ちょっと結論めいたことを書いてしまいましたが、模試結果分析はまだ続きます。
次回は数学です。
お楽しみに。


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