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受験直前期にやるべきこと [受験勉強]


新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年が明けて、いよいよ受験シーズンです。
この時期になれば、重要なのは実戦を意識した勉強となります。
具体的には、過去問や総合問題演習ですね。
もちろん、解いただけでは意味がありません。
答え合わせをするだけでも不十分です。
時間配分や問題を解く順番などを意識しながら見直しが出来て、ようやく過去問題演習です。
とは言え、初めて受験を経験する小中学生にとってそれは難しいことですね。
周囲の人間がフォローしてあげるべきはここです。
問題の解き方を教えてあげることではありません。
この時点で大切なのは、「解答と解説」を読んでも分からない問題に固執することではなく、自分が確実に得点しなければならない問題とそうでない問題を見分けることです。
その見分けがつくように指導してあげるのも大切なことです。
公立高校の入試はこの点がとても重要です。
なぜなら、偏差値30の生徒も偏差値80の生徒も一緒に受ける試験なので、誰にでも解けなければならない問題と一部の生徒にしか解けない問題が同じテストの中に同居しているからです。
そして見直し用のテキストについて。
これは、過去に使っていたものを使用し、新しいものを使うのは控えてください。
この利点は大きく分けて2つあります。
一つは、入試前の不安な自分に自信をつけることが出来るという点。
正しく勉強を続けていたのであれば、昔やっていた頃よりも学力は向上しているはずです。
過去の自分はこんな問題も間違えていたのかと思いながら復習出来れば、特にこの時期に喪失しがちな自信を回復することが出来ます。
ただし、過去に使っていた問題集のレベルが高すぎるなどの理由で、過去に出来た問題が解けなくなるようでしたら逆効果ですので、その点は注意してください。
第二に、学習時間を効率的に使えるという点。
同じテキストを使うことで、復習にかける時間を短くすることが出来ます。
解法のポイントなども同時に思い出すことができるでしょう。
総合問題や過去問題にチャレンジするのは、本人が考えている以上に体力を消耗します。
少々余談・・私の友人の実話です。
時は大学受験。
浪人一年目。絶対に二浪は許されない状況で迎えた入試当日。
3日間続いた私学入試の最終日、しかも本命校。
この日、この瞬間のために予備校で頑張り続けた約1年間。
第一科目目は英語、試験時間は90分。
試験開始約60分・・・
一部の問題の解答欄を空欄にしたまま、途中退席。
第二科目目国語。
同様に開始約60分で退席。
最後の科目、世界史。
やはり、充分な残り時間を残したまま退席、そのまま帰宅。
この小話でいったい何が言いたいのかと言えば、初見の問題を解くのはそのくらいエネルギーを消費するということです。
彼の体力は、最初の二日間で限界を迎えていたんですね。
どれだけ大切な受験かという事は頭では理解していても、途中で席を立ってしまうほど脳は消耗していたのです。
本気で取り組むならば、過去問演習はかなりの労力を必要とします。
私の友達の例ではありませんが、あまりにも疲れてしまうと人間は正常な判断が出来なくなり、楽なやり方を選択してしまいます。
受験前のこの重要な時間を、初見の問題ばかりやって体力をムダに消耗しながら過ごすのは得策ではありません。
解きなれた問題をやって効率的に復習を行う方が良いに決まっています。
子供は同じテキストを繰り返し解くのを嫌がります。
意見として、「飽きっぽい」、「同じ問題ばかりだと不安」、「テキストに書き込んでいて再使用できない」、「綺麗なものを使いたがる」・・・などなど色々な理由があるようです。
テキストに書き込むというのは別問題ですが(こうならないように、解答はノートに書かせましょう)、大半の理由は心理的なものです。
そして、ここが重要な点なのですが、どうやら子供たちは色々なテキストを使って学習をした方がよりラクに勉強が出来ると思っているようです。
ラクに勉強が出来るとは、別の言葉で言えば、効率的に学習が出来るということ。
しかし、本当は同じテキストを何度も使うほうが効率的に学習出来ます。
過去の東大生を対象にしたアンケートでは、回答者のおよそ80%が受験勉強のコツとして、「同じ問題集を繰り返し解くこと」を挙げているほどです。
同じテキストを繰り返しやるのは、定番の学習法なんですね。
受験期直前に過去問題を行うのも同様。
過去の経験則から導かれた、「最も効率が良い」とされる勉強法なんです。
「自分流」は要領の悪い勉強法です。
大学に入学した後の研究など、高度な内容になれば「自分流」でいいのかもしれませんが、大学受験までの学習や資格の勉強は最も効率の良いやり方でやるべきでしょう。
難しいことをやる必要はありません。
「同じ問題集を何回も解け」などここで改めて取り上げるまでもなく、周囲の先生が言っていると思います。
受験勉強とは、先生の言う事をきっちり守って、愚直なまでの努力を出来る生徒が勝つ世界だということです。


新中3生の春休みの過ごし方 [受験勉強]


受験を楽に終える方法は前回、お話させていただきました。
マラソンで考えると分りやすいですが、全員がラストスパートをかけているときに、周りを追い抜くのは至難の技ですよね。
受験は周りとの競争です。
しかもマラソンよりもタチが悪いことに、周囲の頑張りは見えないのです。
30km地点、35km地点、40km地点で自分の順位だけを知らされるようなものです。
自分としては、かなりペースを上げたつもりでも順位は変わらなければ・・
もちろん、落ち込みますよね。
受験における苦労はこのような心理的な側面に大きく左右されるのです。
偏差値という数字が周りとの比較である以上、それは仕方ありません。
実際、中学3年生の2学期にもなると、定期テストの平均点はたいてい上がります。
これは子供達、全員の絶対的な学力水準は上がっているということを示しています。

では、春休みには何をすれば良いのでしょうか?
一般的には英語、数学だと考えられています。
でも、偏差値の原則を思い出してください。
周りが努力している科目は偏差値が伸びにくいという原則があります。
春休みに僕がお勧めしていたのは、社会と理科を徹底的に鍛えるプランです。
これは秘密なのであまり教えたくなかったのですが、もう塾業界とは関係のない仕事をしているので公表します。
その前に、少し余談をはさみます。
理想的な教師と生徒の関係とは、生徒が教師の信望者となることです。
先生の言うことに何の疑いを持たないほどの関係がベストです。
こういう存在をメンターと言います。
なぜ疑いを持つのがいけないのかと言うと、成長が遅れるからです。
ある地点からある地点まで、人が最速で移動しようと考えたときに、最良の方法はその道を知っている人の真後ろを何の疑いもなくついていくことです。
余計なことをしているとその分、時間を浪費することになります。
そして、自分の目的地に到着してから、自分なりの考えを持てばいいのです。
問題意識や疑問は大切ですが、場合によってはそれらが成長を鈍化させます。
特に、小中学生の勉強のような知識詰め込みの段階においては、余計なことは考えず、先生の言う事を素直に守るほうが早く成長します。
だから、教師という仕事は人格者でなければならないのです。
子供が間違った場所に到着させてしまう恐れがあるからです。
たとえ、建前であろうと子供の前では理想の人格を演じ続けなければなりません。
子供の前では、腰パンも、茶髪も、ピアスも、人の悪口を言う事も我慢です。
変な話ですが、モヒカンの先生がいるとすれば、生徒が先生に憧れて全員モヒカンになってしまうような教師こそ、いい先生だといえるでしょう
余談が長くなりました。
宗教におけるカリスマがどんな手段で人々を惹きつけたかわかりますか?
色々とありますが、最たる手段が「予言」です。
力強い言葉で未来を予言し、現実がその通りになるときほど人々を驚かすことはありません。
実は、春休みの塾長にはそれが出来るんです。
特に中2生の終わり頃に来た子供に有効なのですが、必ず偏差値を上げてみせると約束します。
で、何をやるのかと言えば、社会と理科を徹底的に鍛えるんですね。
周りは社会と理科なんてまだまだやらない時期なので、偏差値は上がります。
それも5UPは当たり前、10UPもあちらこちらに・・といったありえない上がり方をします。
もちろんこんな上がり方は夏以降はありえません。
春休みだから出来るやり方です。
それも理科、社会だから可能なんです。
主要3科目(国数英)に関しては、周りもそれなりに頑張りますし、科目特性として短期では成果が出にくいので、同じことは出来ません。
このやり方をやると、春休みが終わって成績表が帰ってきたときに生徒は驚くんですね。
E判定だった志望校の判定がBくらいになってるんです。
これで子供は確実に自信をつけます。
何度か書きましたが、子供のモチベーションを上げる方法は成績が上がることです。
そして、塾や先生の評価も確実に上がります。
予言がその通りになるわけですからね。
あくまでも僕のやり方ですが、ここで保護者と生徒の気持ちをぐっとつかむことに成功すれば、その後一年間の受験指導がかなり楽になります。
こちらの指導に、変な疑いを持って欲しくないんですね。
信じてついてきてくれることが大切なんです。
塾の効果を最大限発揮するためには・・。

僕の場合、ちょっとずるいですが、成績が上がるネタばらしはしないんです。
それをしてしまうと、予言にはなりませんからね。
とにかく、春休みに社会と理科を徹底的に鍛えるという方法はかなり有効です。
即効性があるので、ぜひお試し下さい。
勉強に関して、大半の子供にはすでに多くの「負け癖」がついてしまっているので、成功体験を与えるいいきっかけになりますよ。

受験を楽に終える方法 [受験勉強]


お久しぶりのブログ更新です。
長い間、更新が出来ておらず申し訳ございません。

ほとんどの学校はすでに合格発表を終えていることと思います。
全ての生徒達がいい結果であればいいと思いますが、そういうわけにもいきません。
全員ハッピーな結果に終わるのであれば、受験ではありませんからね。
合格した子供はおめでとうございます。
努力して、手に入れる合格ほど嬉しいことはありませんね。
逆に不合格になってしまった子供たち。
その悔しさを忘れないで欲しいと思います。
受験での失敗なんて、社会に出てしまえば屁のようなものです。
でも、そこで失敗しなければ・・という人生を歩んでいる大人がいるのも事実です。
そういう大人はどこで道を間違えてしまったんでしょうね?
答えはきっと一つです。
悔しさを忘れてしまったからなんですね。
自分には出来たはずなのに悔しいと思えば、次は頑張ります。
でも、悔しいとも思わずに、自信だけを失ってしまう人がいます。
こういう人は次のチャレンジも失敗してしまう可能性が高いです。
次のチャレンジこそ、必ず成功できると自分を信じて頑張って欲しいと思います。
子供がそう思えるかどうかは周りのフォローの仕方次第ですね。
時間がたってから、落ちた理由を客観的に分析してあげてください。ただ漠然とダメだったという記憶しか残らなければ、本人の自信は回復しません。
なぜ落ちたのか?何が足りなかったのか?に気付くことで、次は頑張れます。
本人の資質(変えられないもの)ではなく、行動(変えられるもの)に注目するということです。

さて、そろそろ春休みに入る学校も多いと思います。
ということで、本日は来年の受験生の春休みの過ごし方についてお話させていただきます。
例によって高校受験生です。
今日、ご紹介させていただくのは、高校受験を楽に終える方法です。
実は、その方法は中学3年生になる前の春休みの過ごし方にあるのです。
早速説明させていただきたいと思います。

突然ですが、みなさん。
勉強をしていて一番苦しいと感じるのはどんなときですか?
勉強に限りません。部活動でもゲームでも仕事でも何でも結構です。
きっと多くの人はこの答えに共感していただけるのではないでしょうか?
それは、「努力していても結果がむくわれないとき」です。
多くの受験生を見ていて、私はあることに気付きました。
成績の高低や、志望校の難易度、本人の性格などに関係なく、受験を比較的楽に終えることの出来る生徒と、受験でとても苦労する生徒がいるのです。
受験で苦労する生徒は本人のみならず、ご家庭もかなりのストレスを抱えられます。
成績の上がらないストレスから、ご家庭での関係もギスギスしてしまうようです。
見ているこっちもしんどくなってしまいます。
下の会話は、秋頃、こうした生徒と面談を行なうと良く見る光景です。

私 「9月の模試結果を返却させていただきます。」
本人 「全然、成績が上がっていない・・」
お母様 「あんた、夏期講習あんだけ行って、塾で全然勉強してへんやろ!」
本人 「してるわ!」
私 「たしかに、○○君は頑張っておられたんですけどね~」

さて、ここで問題です。
嘘をついているのは誰でしょうか?

・・・

実は誰も嘘なんてついていないんです。
本人はたしかに頑張った。
でも、成績には結果があらわれていません。
どうしてこういうことが起こってしまうのでしょう?
答えは簡単で、「みんな頑張っているから」なんです。
でも、本人にはそれが見えない。
頑張れば成績が上がるのが、当たり前だと思っているのです。

受験における頑張りは偏差値で表されます。
偏差値というのは、相対評価なので、本人が頑張ったから上がるものではありません。
例えるなら、こういうことです。
マラソンでみんなのんびり走っているのは、夏までです。
夏になると、周りがペースを上げてしまうのです。
だから、本人がペースを上げても全然差が縮まらない。
場合によってはさらに広がってしまうことすらあります。
これが苦労する受験の典型的なパターンです。
夏以降、偏差値を上げるというのは並大抵の苦しさではないと知るべきです。
特に部活動をしてこなかった生徒の場合、かなり難しいことになります。

では、どうすればいいのか?
志望校を遅くても6月までに決めてしまうのが、第一のコツです。
もう一つはその志望校の合格基準偏差値を6月までに取ることです。
この条件を満たすことが出来れば、受験はかなり楽になります。
あと一年ではなく、3ヶ月で偏差値をそこまで伸ばすなんて無理!
そんな言葉が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。
なぜなら、今の段階では周りの子供のペースは緩やかだからです。
マラソンで言えば、歩いています。
周りが歩いている間に一気に順位を上げてしまうわけです。

そのための時間がこれから始まる春休みです。
どう過ごせばいいのかを次回説明させていただきますね。

試験時間の使い方 [受験勉強]


さて、今日はテストの見直しの仕方を確認したいと思います。
そんなに難しい話ではないんですけどね・・。

まず、見直しのために割く時間は試験時間の1割くらいが適当です。
試験が思ったよりも早く終わる場合もあるでしょう。
その場合はすべてを見直しの時間に充てることになります。
この残りの時間には個人差があります。
小学生であれば、早い子供なら、時間内に試験問題をあと二回くらい解ける子もいます。
特に社会は試験が早く終わってしまいがちですね。
そうした場合の対応方法は後述します。
試験時間は実質9割だと思ってください。
50分のテストなら、45分。
60分のテストなら、54分が試験問題を解くための時間です。
その中で最後の1分の使い方は決まっています。
それは、問題用紙を見ない見直しです。
変な漢字はないだろうか?
名前は書き忘れていないだろうか?
そういうことを確認するのです。
たった5分程度でテスト問題全部を確認するなんて不可能というような声が聞こえてきそうです。
たしかに全ての問題を解きなおすことは不可能でしょう。
もちろんそこまでする必要はありません。
では、どうすればいいのでしょうか?
絶大な効果がありますから、今後のテストで必ず習慣にして欲しいことがあります。
とても簡単なことです。
絶対に分からない問題に×を、怪しい問題に△をつけておくのです。
しるしのない問題は合っていると確信出来る問題のみです。
そして見直しの時間に手をつけるべきは△の問題です。
ざっと見渡して、限りなく×に近い△は後回しです。
△の中でも手をつけやすい問題から着手していくようにします。
残り時間と△の問題の数によって、どこまで深くやるかは異なります。
充分な残り時間があれば、もう一度その問題を最初から解き直してください。
社会など暗記系の科目であれば、時間はあまりかからないので、△は全て解き直しです。
数学や理科などで残り時間が少なければ、途中式(もちろん問題用紙に書きます)を指でなぞりながら確認です。
口でぶつぶつ言いたいところですが、そこは試験中なので我慢です。
そう言えば、言い忘れていたことがあります。
大人には当たり前ですが、「消去法」を知らない子供は結構います。
特に国語のテストでは「消去法」は欠かせません。
小学校3年生にもなれば必ず教えるようにしてください。
「消去法」を使っているかどうかはテスト用紙を見ればすぐに分かります。
・・・というわけで国語のテストでは「消去法」が重要です。
「消去法」を使っていなければ、記号問題の見直しにとても時間がかかります。
間違えている部分の横に線を引いてから、「ア」などに×をつけさせるように指導します。
その癖があれば、見直しの時間がかなり軽減されるはずです。
「○○文字以内で説明せよ」といった問題の場合は、解き直しに時間がかかるので、後回しです。
記号問題から着手するようにさせてください。
△で時間のかかりにくい問題から見直しを進めていくというのが、すべての科目に共通する部分だということです。
※配点によって優先順位は多少変わるのですが、話がややこしくなるので省きます。

試験がやたら早く終わってしまう子供への対応方法をご紹介します。
時間が有り余っているのであれば、もう一度最初から解き直しです。
前に書いた答えは消さずに、問題だけやり直します。
そう教えてきちんとやってくれれば良いのですが、やらない子供は多いと思います。
ケアレスミスを頻発するにも関わらず、そんな場合はどうすれば良いのでしょう?
テストの問題用紙の絶対合っていると思う問題全てに○というしるしをつけさせます。
分からなくて解けない×の問題以外は、全て自己確認で○になるまで見直しです。
なにせ試験時間は余っているのですから。
そして、○の問題に対しての正答率の確認をずっと続けてください。
こういう子供は自分自身の問題を客観視出来ていません。
ケアレスミスをなくすことで、どのくらい損をしているのかを自覚していないのです。
○がついている問題は、勘違いがない限り、すべて正解して当たり前です。
まずはこの「記録する」という段階から始めなければ、意識改革には成功しません。

余談ですが、記号問題で解答が全く分からない場合は、アイウエなら、イかウを入れましょう。
アイウならイです。
これはもう、そうすると最初から決めておくことが大切です。
アエは微妙な差ですが、イウよりも正解に選ばれにくいという統計があります。
大切なのは、後で後悔しないことなんです。
自分であらかじめ決めていたことなら、納得がいくからです。
さらに余談。
国語で「消去法」を使うと、残り二つに絞られることが多いです。
残り二つのうち、どうしても答えを決められない場合は、解答がもっともらしくない方を選ぶと正解になることが多いです。
これは国語の選択肢の作り方が「明らかに違うもの二つに、引っ掛け問題一つ、正解一つ」という割合になっていることが多いために起こります。
正直な僕の友人は国語のセンター試験模試で偏差値17という驚異的な数字を出しました。
県内4000人中最下位という成績です。
実は、国語のセンター模試は、すべてマーク式なので、最下位を取るのも難しいのです。
興味深かったので、原因分析を行ったところ、驚いたことに8割近い精度で4択を2択にする消去法には成功していたのです。
考えられないくらい見事にすべてのひっかけ問題に騙された結果です。
彼ほど極端ではなくても、その罠にはまる子供は珍しくありません。
なにせ「ひっかけ」ですからね。

変な迷いで時間を潰すくらいなら、ルールを決めてさっさと解答用紙を埋めてしまうのが得策です。その方が変な後悔が少なくて済みます。
もちろん問題用紙には×と書いておくのを忘れずに。
正解してもただのラッキーなのですから・・・。


テスト中の見直しを嫌がる子供 [受験勉強]


テスト問題を解いたら見直しをしなければなりません。
この場合の見直しとは試験時間中の最終確認のことです。
多くの教育現場では、見直しの重要性は指摘するものの見直しの指導はしません。
もったいないことだと思います。
見直しをすれば、あと10点は取れたのにというケースが頻繁にあります。
頻繁どころか多くの子供は実際にプラス1割くらい取ることでしょう。
考えてみれば、こんなに簡単な点数の上げ方はないのです。
勉強時間を増やすことなく、テストの点数が上がるわけですから・・。
学校や塾の先生が見直しの重要性を指摘するにも関わらず、子供達にその習慣が定着しない理由は何でしょう?
大きく分けると、3つの要因が考えられます。
それは、
①目標達成への執着心が足りない
②テスト中に集中力の限界をむかえてしまう
③自分の見直しを信じられない(やり方がわからない)
それぞれの原因と対策を考えてみたいと思います。
まず、①の場合。
テストで点数を取りたいという気持ち自体が低い場合は、即効性のある対策はありません。
ブログの「モチベーション」に関しての記事を参照していただきたいと思います。
ただ、これだけは覚えておいてください。
目標のないところに問題意識は生まれないのです。
目標と現状の差分を埋めようとするから、人間はさらに深く物事を考えるのです。
その差がないと(目標がないと)、現状に満足し、思考停止してしまうのです。
①の問題を解決するための即効性のある方法はありませんが、テストの目標点数を明確にしておくことで、少しは執着心が生まれるでしょう。
なぜ、目標点数に届かなかったのか?
→見直しすれば届いていた
という事実に子供が気付けば、次回のテストで見直しをしてくれる確率は高まります。
次に②の理由。
テスト中に集中力の限界をむかえてしまう場合です。
信じられないようなお話があります。
ある浪人生が人生をかけて一年間の猛勉強をしました。
大学受験は複数の日程に分けて出願することが出来ます。
彼は、はりきって第一志望校の全ての日程に出願票を提出しました。
日程は3日連続となりました。
そして受験日。
一日目、二日目は普通に受験を終えることが出来ました。
しかし、三日目。
英語の試験問題を解いて時間を見ると、あと30分も残っています。
ここで彼はどうしたか?
何と、寝ながら試験終了を待っていたのです。
言うまでもなく、これまでの人生で一番重要な一日です。
大げさではなく、人生がかかっている試験なのにです。
しかも、彼はそれを充分に認識しているのにも関わらずです。
結果はもちろん不合格でした・・。
これは友人の実話です。
しかし、これが特に珍しい話でないことは、大学受験を経験された方なら共感していただけると思います。
受験会場で寝ている受験生の数たるや一人や二人ではありませんから・・。
これは一つの真理を示唆しています。
人間はここ一番の勝負所だと自覚していても、集中力が持たなければ頑張れないのです。
ここから導き出される教訓は何か?
それは、試験前日に徹夜をするな!ということです。
集中力は疲労度と相関関係にあるからです。
入試当日に頭がぼぉとしてしまうようでは、チャレンジ校の合格は不可能です。
遅くとも入試2週間前には、当日に合わせた生活リズムで就寝、起床するようにしてください。
そして最後の③の理由。
子供に見直しを無理強いしてみてください。
きっとこういう言い訳が返ってきます。
「見直しをしたら、間違えるから嫌だ!」
???と思ってしまうのですが、要するに子供が言いたいのはこういうことです。
過去にテストの見直しをした経験はほとんどの子供が持っています。
同時に、こういう経験もほとんどの子供が持っているのです。
それは、「テスト終了間際に書き換えたら、最初に書いた答えが合っていた」という経験です。
これは子供にとってはショックな体験です。
あまりにショックなために、その経験を鮮明に覚えているのです。
人間はそもそも与えられることより、奪われることに敏感な生き物です。
もともと持っていたものを失うのはとてもつらい。
この恐怖心のために、無理に冒険をしようと思わないのです。
しかし、これは見直しの意味を確実に誤解しています。
見直しとは最終チェックのことです。
判断に迷っていた問題の答えを書き換えることではありません。
こういう発言が出てくること自体、見直しするという行為を勘違いしているのです。
そのためには正しいやり方で行なわれる必要があります。
テストの見直しの方法は算数、数学で習得するのがいいです。
算数、数学の見直しを覚えれば、他の科目でもテスト中の見直しを出来るようになります。

次回は試験時間中の見直し方法について紹介させていただきます。

捨てる勇気 [受験勉強]



受験一ヶ月前ともなれば戦争です。
この時期、最も重要なことは何でしょう?
言うまでもなく、過去問ですね。
ところがこの過去問。
使い方を誤ると、あまり意味がなくなってしまうことはあまり知られていません。
最も重要なポイントについては何日か前のブログで話をさせていただきました。
今日はもう一つの重要な点についてお話させていただきたいと思います。
これをあやまってしまうと、過去問を解く効果が半減してしまうので気をつけてください。
それほど重要なポイントとは・・・?
ズバリ、「捨てる勇気」です。
受験に最も成功しないタイプの子供をご存知でしょうか?
これはあるカリスマ予備校講師が何年もの間、受験生を見て気付いたことらしいです。
それは・・・

「旅行で荷物が多いタイプの人間」

もう一度言います。

「旅行で荷物が多いタイプの人間は合格しにくい」

この例えは受験直前に必要な心構えを最も端的に表していると言えます。
しかも、分りやすいです。
受験一ヶ月前まではそんなにこの言葉を意識する必要はありません。
しかし、受験一ヶ月前ともなれば、自分の荷物を徹底的に減らす作業も求められます。
これを、もっと平たく言うなら、「自分を信じよ」ということです。
この言葉は全ての場面や全ての科目に当てはまるわけではありません。
「捨てる勇気」を持て!
まじめに受験で勝とうとしている人間が、この言葉を念頭に置いて行動すれば、必然的に一ヶ月前の過ごし方は決まってきます。
社会や理科など暗記系の科目に集中するようになります。
それを考えない受験生はいつまでも苦手科目を克服しようとします。
これまで3年間、やってきて苦手だったことが残り一ヶ月で得意になる保証はありません。
出来ないことを無理に続ければ自信もなくなります。
これではいけません。
入試直前一ヶ月こそ受験日当日に向けて、自信を高めるための時期だからです。


受験直前の頭のリバランス [受験勉強]


最近、niceをたくさんいただきます。
こんな小難しいブログですが、読んでいただいて本当にありがとうございます。

今日の内容は少し難しいです。
でも、受験生は絶対に読んでください。
人によっては、すご~く効果のあることだからです。

実際に赤本に手を出す前にやるべきことはあります。
実戦形式の総合問題です。
言いかえると、「模試や入試問題みたいなもの」です。
どれだけやる必要があるのかは個人差があります。
「なるほど、なるほど・・・」と書店に行くと、あることに気付くと思います。
こうした問題集はあまり売っていないのです。
本当に売っていません。
ほとんどの問題集は単元毎の構成になっています。
そして、テキストの最後の方に少しだけ「総合問題」がある程度です。
その「総合問題」だけを集めたテキストを作って欲しいのですが、大学受験はともかく、中学受験や高校受験の良質の総合問題集となると、さっぱり見当たりません。
余談ですが、そういう問題集にはニーズがあるので、出版社が中学受験や高校受験でいいものを作れば売れると思います。
模試会社が過去に行なった模試を編集すれば、簡単だと思うのですが・・。
なぜこうしたテキストがないのかには理由があります。
単元毎に学習を進めた方が、圧倒的に成果が出るからです。
考えてみれば当たり前の話です。
単元がまとまっていなければ、勉強しにくくて仕方ありません。
それはその通りなのですが、でも、「総合問題」をやった方がいい子供が多数いるのです。

「???」

これだけの説明では、頭の中はこのような状態かと思われます。
順を追って説明させていただきます。

「テストの見直しをしなさい」

学校や塾の先生が口を酸っぱくして言う言葉です。
でも、低学力になるほどやってくれません。
中学生なら、平均くらい成績の生徒でも適当にしてしまいます。
本当は最低でも三回は見直しをやって欲しいのです。
これをきちんとやってもらえるのであれば、入試前の大切な時期に「総合問題」ばかりやる必要はほとんどありません。
いきなり過去問題に入れば良いのです。
勉強が苦手な子供がいるとしましょう。
でも、どういうわけかテストの見直しだけは三回きっちりやっていたとします。
この子供は受験本番では実力以上の学校に合格します。
なぜなのでしょうか?

僕はこの話をするときには、必ずたとえ話をします。
勉強とは頭という白紙の辞書に知識を書き込んでいる行為です。
辞書に知識を書き込む段階では、単元毎の学習をします。
その方が、効率が良いからです。
そして、テスト本番。
頭の中の辞書に書いてある情報を使って、問題を解きます。
テストの見直しをしない生徒は、ここで大変なことが起きます。

「頭の中にある辞書の使い方がわからない」のです。

頭の中にある辞書にその問題を解くための答えはあるのです。
しかし、どの辞書のどのページに答えが書いてあるのかがわかりません。
結局、解答用紙を埋めることは出来ません・・。

こういうことが起こっています。
これは中学生で特別優秀な子供でもなければ、ほとんどの生徒に見られる傾向です。
実際の知識レベルとテストの点数が乖離してしまうのです。
これを修正するだけで、爆発的に点数が伸びる生徒もいます。
定期テストではあまり意味がありません。
学校の実力テストや塾の模擬試験を三回見直ししたか、もう一度聞いてみてください。
きっとそこまではやっていないはずです。
ということは、伸びる余地があるということです。
そのために総合問題を集めたテキストをやるんですね。
もちろん見直し重視の勉強で・・。

単元毎の学習には時間がかかります。
しかし、テストの見直しのような、「頭の中にある情報の使い方」のための勉強にはあまり時間がかかりません。
全体の学習時間の比率で言えば、
単元毎の学習時間95%、情報の使い方(総合問題)5%くらいのものでしょう。
言い換えると、
普段の勉強95%に、テストとテストの見直しに5%です。
テスト等に使う時間は、実際はもっと少ないかもしれません。
しかし、このほんのわずかな習慣を省けば、全体の点数は何十%も下がります。

僕が言いたいのはこういうことです。
正確な数字は分かりませんが、最小の勉強時間で最大の学習効果を出すための、最も適切な
「単元学習:総合学習」の勉強時間割合は存在します。
「テストの見直しを三回しましょう」
よく言われる言葉ですが、それをすると最適の割合になるのかもしれません。
学校や塾の先生の経験則から導き出されたと言われると、納得できそうな話です。
テスト毎にしっかり行なえば、「単元学習:総合学習=9.5:0.5」くらいになりそうな気がします。
特に高校受験生は、この「総合問題」に充てるべき時間が取れていません。
何度も繰返しますが、これはほとんどの生徒に見られる傾向です。
本来あるべき割合に戻すために、赤本に取り組む前に「総合問題」を解くのです。
※適切な割合に戻す作業を「リバランス」と言います。

入試の微調整ですが、これをやると驚くほど効果が出ます。
普段、テストの見直しをしない子供ほど効果が高いです。
ぜひ試してみてください。

※一番いいのは毎回のテストの度にしっかり見直しをすることですが・・。

赤本は入試一ヶ月前まで触るな! [受験勉強]



前回に引き続き、過去問の正しい使い方についてお話します。
大切なことは、
「一ヶ月前までは過去問題の中身を見てはいけない!」
という点です。

過去問題はどのように使うべきなのでしょうか?
この答えは決まっています。
「入試を疑似体験すること」です。
もう一つの大切な役割が、「入試傾向を分析する」ことですが、それは予備校や学習塾に通う生徒であれば、学習計画立案者が行なっていることなので、本人が行なう必要はありません。
場合によっては学校の先生や親が行なっています。
完全独学で勉強をしている子供に限り、自分で行なう必要があります。
それはさておき・・
「なぜ一ヶ月前まで過去問題をやってはいけないんですか?不安なので、早く解きたいんですけど・・」
こういう声が聞こえてきそうです。
逆に聞きますが、事前に解いたことのある問題でテストをしたとして、正しい実力が把握できるでしょうか?
出来ませんよね?
この問題知っている!となれば、もちろん解けてしまい、実力+αの点数になります。
ここで昨日の復習をします。
模試の合格判定でボーダーラインは何判定でしたか?
そのボーダーラインを超えている子供であれば、入試問題の過去問を解いたときに、合格最低点を超えていなければおかしいのです。
具体的に例を出して説明しましょう。
普段の模試結果では、「B」か「C」判定のZ高校を志望するK君の場合です。
過去問題を解くと、326点となりました。
しかし、赤本の巻頭の資料から、その年度の合格最低点を見ると、360点となっています。
この生徒の場合、合格点と現状の差分は34点です。
「うわぁ・・これじゃあ不合格だぁ・・」
過去問題はこういう風に使うものではありません。
僕ならこう考えます。
この生徒は普段の模試でC判定以上が出ているので、合格最低点の360点を取る実力は備わっているのです。
合格点までの差分の34点は実力がないのではなくて、その分、効率の悪い解き方をしていた点があったと考えるのです。
あとはその点を徹底的に分析します。
例えば、英作文は苦手なので、その問題を解く時間を捨てて英語長文に充てるといった具合に。
そして、英作文が受験一ヶ月前にも関わらず苦手なのであれば、もうやりません。
この時点で苦手なことが、一ヶ月で出来るようになるはずはないからです。
それよりは長所を伸ばすことを考えます。
受験一ヶ月前にもなると誰でも不安です。
不安を助長するような勉強法ではなくて、安心を強化するような勉強をしなければなりません。
より安定した成績となるように、得点源となっている単元を確実に量稽古します。
あとは、暗記物を中心に宿題を出していきます。
受験当日に向けて、生活リズムをコントロールしていく時期なので、宿題は出しすぎないように注意していきます。
受験科目を最低5年分は過去問で行なうようにします。
そして、それぞれの年度の点数を合格基準点と比較していくのです。
例えるなら、同じ学校の入学試験を5回体験しているようなものです。
前の年度の過去問に取り組むのは、入試の一週間前くらいでしょうか?
すでに対策が充分に行なわれているので、ほぼ全員が合格基準点を越えます。
(模試でC判定以上が出ていなかった生徒は越えるとは限りません)
これは当たり前の話なのです。
模試の判定でボーダー以上が出ているわけですから・・。
ただ、実際にやってみるとわかるのですが、C判定とかB判定の生徒というのは、一回目の過去問題では合格最低点にすら届かないことが頻繁にあります。
A判定の生徒でも珍しいことではありません。
特に、中学受験や高校受験というのは、本人にとって初めての入試である場合が多いので、効率的な点数の取り方というのをよく分かっていないのです。
もしこれが本番の入試だったら・・・。
恐ろしいことです。
模試の判定に安心して、自信満々で入試に行って、玉砕してしまいます。

そうした不確実な要素を取り払うのが、過去問を解く本当の意味です。
一回解いた過去問題は、三回は復習に活用したいところです。
高校受験生であれば、本命校受験前の一ヶ月は
5科目×5年分×三回=75回
一回分に1時間平均とすると、これだけで75時間もかかります。
一日当たり2.5時間、過去問と向き合うわけです。
要するに入試一ヶ月前は過去問ばかりやっているということです。
一日の勉強時間が高校受験生であれば、4時間。
そのうちの半分以上が過去問をやっている時間となります。
個人で行なうなら、土日に第一回目の過去問を入試と同じ時間割で行なうことをおススメします。
滑り止め校の場合なら、
5科目×3年分、×1,2回=15回分
くらいでいいと思います。
本命校でなければ、やりすぎる必要はありません。

さてさて、絶大な効果のある過去問題ですが、一番重要な前提条件をまだお話していません。
それは、「なるべく入試と同じ緊張感で行なうこと!」です。
実は、これが一番難しい点となります。
難しい理由は・・
①時間をしっかりと計測し、その通りに行なわなければならない
②答えを見てはいけない
③採点を正しく行なわなければならない
こんな条件があるからです。
半分の時間で解けたとしても、残り時間を有効活用しなければなりません。
どうしても答えが気になっても決して解答を見てはいけません。
証明問題の部分点なども踏まえた上で、総合の正しい合計点を求めなくてはなりません。

小中学生の場合、これを個人で行なうのは困難を極めます。
ゆえに僕は過去問指導だけは全て塾で行なうようにしていました。
時間計測や採点も全て講師が行います。
塾に行っていない場合・・
親や兄弟が頑張るしか、仕方ないでしょうね。
土曜日や日曜日を使って行ない、時間計測や採点は年長者がします。
最初の一回分だけで良いので、受験校1校なら5年分×5教科です。
それでも、一ヶ月で25時間もの時間が拘束されます。

でも、それだけの価値はあります。
塾に頼めば、何万円とします。
受験を子供と一緒に頑張るなら、こんなにいい応援はないと思っています。

過去問題を行なう理由 [受験勉強]



受験シーズンが近づいてきましたね。
今日は受験の必勝法をお伝えします。
これはもしかすると、僕個人のオリジナルな考え方かもしれません。
他の勉強本では全く逆の事を書いていたりするかもしれませんが、この記事を読んでいただければこの方法の方が正しいと納得していただけるはずです。

受験の必勝法とは何か?
これは「過去問」をやることに尽きます。
この重要性は驚くほど正しく認識されていません。
もちろん、「過去問」はやりますよ!という方が大半かと思われます。
でも、その大半の方がやり方を間違えているので、「過去問」があまり意味をなしていないというのが、実情です。正しいやり方でやらなければ、あまり意味はありません。
受験を終えると、よくこんな話が聞こえてきます。
Z高校を受験した二人の会話です。

X君 「A判定で合格間違いなしだったのに落ちてしまったよ・・」
Y君 「E判定しか出たことがなかったのに合格した!」

これはX君の代わりにY君が合格したと言う事が出来ます。
A君の敗因は何だったのでしょうか?
それは「過去問」をしっかりやらなかったことです。
例えば、Z高校の入試問題の数学の「大問3」は伝統的に非常に難しいとします。
それを知らず、その問題にかかりっきりになっている間に、時間が過ぎてしまい、残りの易しい4、5,6が解けなかった・・こういう場合に予想外の不幸は起こります。
Y君はそれを知っているので、X君がつまずいている間に他の問題を効率的に解いたわけです。
今日、一番大切なことを言います。

「過去問題をやる意味は、偏差値通りの実力を本番で発揮することである」

「過去問」を行なう理由はY君に実力以上のものを発揮させることではありません。
X君が普段の実力通りのものを出せるようにするのが、「過去問」を行う理由です。
しかし、実際には本番で実力を発揮出来ないX君のような生徒がたくさんいます。
結果的にE判定のY君にチャンスがめぐってくるわけです。
高校や大学の合格ラインはどのあたりなのか?
模試や当日の倍率によっても異なりますが、C判定くらいがボーダー(合格と不合格の境目)ラインとなります。要するに、C判定くらいの生徒は志望校に合格出来るということです。
入試で必勝を狙うのであれば、模試での志望校判定をCライン以上にもってくることを最初の目標とします。
Cライン以上であれば、後は志望校の過去問題を受験前に正しく行なえば合格です。
単純な話です。
(体調不良や極度のあがり症といった場合は抜きにして・・)

では、その正しい過去問題の解き方とはどういったものなのでしょう?
原則を言います。
受験一ヶ月前まで志望校の赤本の封は切らないでください。
要するに「中を見るな!」ということです。
ただし、完全独学の場合はこの原則が崩れます。
志望校の傾向に合わせて、学習計画を立てる必要があるので、どれだけ遅くても夏休み前には過去の問題のチェックを行ないます。
原則が適用されるのは、塾に通っていたり、親が勉強を手伝うことの出来る子供の場合です。
塾であれば、担当の先生や塾長が志望校を把握しています。
その志望校の対策を兼ねた学習計画を立てているので、大丈夫というわけです。
しかし、その点がどうも不安に感じるような塾の場合は親の介入が必要です。
「受験校にはどんな傾向があって、それに合わせてどんな学習計画を立ててくれているのか?」
この点を本人や学習塾にしっかり確認してください。
受験一ヶ月前になってからでは手遅れです。
学習塾に通わせていなくて、子供の学力に不安がある場合。
おそらくその子が受験することになる学校は基礎固めをしっかりすれば、OKだと思います。
学習塾に通っていないということ自体、普通とは違う特徴を持った学校を受験する可能性は低いと思われます。
学校の難易度が簡単になるほど、(長期的な対策を必要とする)入試問題の特徴はなくなります。
塾に通わせていなくて、高学力の場合。
これは、過去問を早い段階で本人に与えるしかありません。
本人に中身を確認させて、学習計画を立てさせます。
大学受験生であれば、高校3年の4月。
高校受験生であれば、中学3年の7月。
これがその時期です。

さてさて、12月になりましたが、中学受験生以外は、過去問はまだ解いてはいけませんよ。
「もう解いちゃった!」という中学3年生、高校3年生、浪人生の皆さんは、まだ全ての年度分を解いてしまったということはないと思いますので、そこで中断してください。

次回に続きます。

秋からの受験勉強 [受験勉強]

10月7日

こんにちは。
夏休みは受験勉強の天王山と言われますが、理由はこのように受験から逆算してみれば明らかなのです。
夏にはすべての単元を終えて、秋に弱点克服、12月以降に実戦問題、受験前に過去問題というのが受験勉強の王道だからです。その道から外れてしまうと、従来型のプログラムでは修正が難しくどうしても無理が出てしまいます。
しかしながら、塾や予備校なりで、しっかりとした年間スケジュールを立ててもらい、それに基づいて学習をしていれば問題ないのですが、全員がそういうわけにもいきません。
今までほとんど学習をしてこなかった子供、秋になっても単元の復習を終えていないような子供は、もう第一志望の合格は難しいのでしょうか?
私はそうは思いません。
そうした子供のためのアドバイスを今回は公開したいと思います。
中学生限定です。

まず優先順位からすると、それでも過去問は外せません。
いきなり総合問題から復習を始めてしまう生徒がいますが、それもよくないです。
やはり勉強は単元毎の学習が基本だからです。
本屋さんに行ってもらえば分かりますが、総合問題だけを集めたテキストはほとんどありません。
科目は理科から重点的にはじめると良いでしょう。
理由は先日に述べたとおりです。
理科と並行して、社会です。
結果が出やすいのでモチベーション維持に役立ちます。
数英は学ぶ内容が多い割に多くの学校では入試の配点は理科、社会と同じです。
取れる科目から取るのが入試の基本なので、ここでは理社を優先します。
受験用のテキストを買って、年末までに最低3周はしてください。
だからと言って英数を無視するわけにもいかないので、どうするかですが、理科、社会の勉強に加えて計算問題と英語の単語と構文の暗記を毎日の勉強とします。英語+数学で全体の勉強時間の30%です。
理科、社会に60%の時間を割きます。残り10%は学校の勉強です。
学習の習慣がなかった子供は多くの場合、計算力や単語の暗記量が足りません。
英語、数学に気を取られて理科、社会の勉強にまで気が回っていません。
もちろん例外はあります。
すでに社会だけは得意とかそうした条件があれば、それは有利なことなので、その分を除外して考えてください。私が問題にしているのは際立った特徴のない生徒です。
勉強してこなかった子供の一般的な傾向について取り上げています。

英語、数学は基礎力さえあれば、あとは学校毎の対策で部分点を取りにいくのでこれでいいのです。
その取り方を過去問で学ぶわけですから。
英語、数学では高得点を狙えないから、理科か社会で高得点を狙うのです。
国語力は残念ながら、半年程度では身につきません。
思い切って捨てましょう。その時間を他の科目に使ったほうが効果的です。
なにせ時間がありませんから。
あれもこれもだと、虻蜂取らずになってしまいます。

こんな勉強の仕方は個人的にはあまり好きではありませんが、仕方ありませんね。
受験のためだけの勉強と将来に役立つ勉強は少し違うのです。
本物の力を身につけるにはある程度時間がかかるのは仕方ないんです。

過去問の解き方とかもう少し具体的な戦術はいずれ書きますが、概要はこういうことです。
選択と集中で一日も早く成果が出る学習を心がけましょう。



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