社会の勉強(応用編) [社会]

9月15日

こんにちは。
2ヶ月も更新が止まってしまいました。
引越しや転職に伴い、生活環境ががらりと変わってしまい、更新する余裕がなくなっていましたが、
落ち着いてきたのでまた頑張ろうと思います。

関西の人間だったのですが、やはり日本の中心で仕事をしたいという思いが高まり、
東京に上京してまいりました。現在は新宿で教育研修コンサルタントをしております。

さて、社会の勉強法(応用編)に入りたいと思うのですが、まずは「マインドマップ」という学習法を提案させていただきます。社会人の方はご存知の方も多いのではないでしょうか?
これは私の説明よりもそれを専門にしたサイトがたくさんありますので、そちらで学んでいただいた方がいいかもしれません。下に動画サイトをリンクさせていただきました。

(↓マインドマップの書き方)
http://www.youtube.com/watch?v=W_gsLFtGgDA

勉強にいまひとつやる気を感じないというお子様には試してみる価値アリだと思いますね。

コツは、
①語句から語句へ、関連性(つながり)を意識すること
②色鉛筆などを使い、右脳を刺激しながら行うこと
③とにかく書いてみること

です。
特に③ですが、「マインドマップ」なんて何やらややこしい名前がついているので、ついついこの書き方であっているのか?とかを考えてしまうんです。
でも、最初は見よう見真似でいいんです。
「正解」はないと思ってとりあえず楽しんで挑戦してみることが大切です。
黙っていても、この方法がツボにはまれば自分からやり方を工夫するようになりますから。

あと、最初の導入はこういう風にするといいと思います。

社会のノートや教科書(問題集もOK)を広げる

出てきた語句をとりあえず自分なりに分けて枝に書き込んでいく(同じ語句が重なってもOK)

ほんとこれだけです。
例えば「徳川家康」からならどんな枝が広がるでしょうか?
「関が原の合戦」や「江戸幕府」といった言葉が浮かんできますね。
「関が原の合戦」→「石田光成」→「豊臣秀吉」でもいいでしょうし、
「江戸幕府」→「将軍」→「徳川家光」 →「徳川綱吉」 →・・・
なんて風につなぐことも出来ます。

すごく簡単なんでぜひ試してみてください。
では、本日はこの辺で。


地理の勉強① [社会]

9月16日

こんにちは。
今日は地理の勉強についてお話したいと思います。
まず先に申し上げたいことがあります。

もしあなたのお子様が小学校4年生以下であるなら、いますぐ日本地図をトイレに貼ってください。
今のところ、それだけでOKです。
そして、テレビでニュースがあったときなど定期的に「○○県ってどの辺だっけ?」と質問して、実際の日本地図と自分のイメージが少しずつ合うようにさせていきます。
「勉強」が難しくなるのは小学校5年生からと言われます。
これはものすごく重要なことなので、度々お話に出てくることになると思いますが、なぜ難しくなるのかというと、
学ぶ内容が「抽象的」になってくるからなんです。
そして学問とは本来「抽象的な概念」なのです。
勉強が嫌いになってくる子供が格段に増えるのもこの年齢です。

今までは
「800円の買い物で、1000円払っておつりが200円」とかだった算数が分数の掛け算などへ
「物語」が「評論文」へ
「地域社会のお勉強」が「地理」や「歴史」へ
「生き物やお花との触れ合い」から「物理化学の世界」へ

例を挙げれば枚挙に暇がありませんが、このように今までは自分の5感でイメージ出来ていた領域から頭の中で論理を組み立てていかなくてはならない段階になるんですね。
「イメージ出来ない」=「理解が曖昧である」状態です。
「抽象的な概念」をなるべく分りやすいかたちに絵解きしてみせることで、学問の理解は飛躍的に高まります。
(それが先生の役割なのですが・・)
あなたの記憶でお気に入りの先生を思い出してもらうと分かると思います。
いい先生はたとえ話や具体例をたくさん使いますよね。
これは「抽象性」を目に見えるようにしてくれるから、理解が進むんです。

少し話がそれましたが、
子供の学ぶべき「地理」の世界は、身の回りの世界からグンと広くなります。
例えば、日本全国の旅行をしたことのある子供であればイメージをつかむのは難しくないのでしょうが、全員がそういうわけにはいきません。
頭の中にイメージを作る練習をしていかないといけないわけです。
そのためには何回も地図を見るしかありません。
そして目の前で流されているニュース(現実)と頭の中の地図のイメージを結び付けていくのです。
例えば「水俣病」というキーワードがあったときに、熊本県と言われて、パッと「あの辺りだ!」とひらめく事の出来る子供は記憶の定着がしやすいということです。頭の中の白地図の熊本県に「水俣病」が書き込まれるようなイメージです。
それがなければせっかく習った新しい語句も、宙に彷徨っていつの間にか消えてしまうでしょう。

地理はまずは「日本地図」の暗記からです。
中学生なら「世界地図」です。
何も見なくても地図が書けるようになるのが目標です。
それが出来る子供なら、その頭の中の白地図に色々な情報を書き込んでいけるでしょう。

では今日はこの辺で。
「地図」を覚えましょうというお話でした。


地理の勉強② [社会]

9月17日

今日も昨日に引き続き、「地理」についてのお話です。
地図を覚えることが非常に重要ですというお話をしました。
地図を上手に書くことの出来る子供はほぼ例外なく「地理」の成績がいいからです。
これはマインドマップの概念と通じるものがあります。
以前から何回かお話を続けてきましたが、暗記をするためのコツは関連性なのです。
新しい知識をつなぎとめるための基盤が「地理」の場合は地図であるということです。
私の場合、基本的に「地図」を覚えたら、後はそこに知識を肉付けしていけばいいというスタンスなので、地図をどれくらい効率良く覚えられるかが勝負となります。
小学校、中学校までの国語、算数(数学)、英語は基礎の反復作業なので、やはり「勉強」と割り切らなければならない部分がありますが、「理科」と「社会」に関して言えば、どれだけ楽しんで学べるかが成功の秘訣になってきます。
逆に言えば「楽しい」と思えなければ苦痛になります。
特に小学生までは楽しんで勉強させることを最優先に考えていただきたいと思います。
小学校の「算数」が全く分からなければ、中学校数学の理解は出来ませんが、小学校の「社会」がすべてわからなくても、中学校で挽回は充分可能です。
「暗記」、「暗記」とこの時期から知識の詰め込みを意識させると嫌になってしまいます。
「社会」や「理科」の勉強で疲労するということは、他の主要科目へ割くパワーもダウンしてしまうということです。
小学生に関して、理想を言えば、「社会」や「理科」に関しては勉強をしているという認識なく、勉強している状態を目指して欲しいと思います。「社会」や「理科」に関して楽しい科目というイメージを早い段階で植えつけてしまうことが重要です。
前にもお話した通り、勉強の基本である「読み、書き、計算」ですね。
・・というわけで今日は「地理」を楽しんで学ぶためのツールをご紹介したいと思います。
まずは「桃太郎電鉄シリーズ」です。
これを家族でやるわけです。TVゲームがある家は試してみてください。子供にしてみれば遊びと変わらないので、夢中になって取り組んでもらえます。
目的地が「釧路」とかになれば、「釧路ってどんな物件があったっけ?」とか子供に悟られない程度の微妙な質問で知識の定着を試みます。ただゲームをしているだけよりはその方がはるかに効果が高いですね。アウトプットさせることで記憶として定着していきます。
あとは「日本地図パズル」というものがあります。
これは小学校の低学年でも出来ます。喜んで挑戦する子供であれば「世界地図パズル」に挑戦させてみるのも面白いです。
無料で出来るWEBサイトもありますが、あまりおススメはしません。
タダで手に入るものは結局のところ、子供の教育にとって役立たないものが多いのです。
どちらも面倒だという方はせめて「世界地図」と「日本地図」をテレビの脇においてください。そしてテレビのニュースや普段の何気ない会話の中で「○○ってどこだっけ?」と言って地図で調べるように促していきます。
「日本地図」と「地球儀」でもいいかもしれません。
いずれにしても「地図」を覚えること。地理の勉強はまずはここからです。
中学生にしても一緒です。
都道府県のようにすべての国を覚えることは出来ないので、すべての大陸と主要な国の位置関係が分かればOKです。なんとなくでいいので、模写せずに世界全図が書けるようになってから勉強を始めるようにしてください。
回り道のようですが、その方が結果的に早く成績が上がります。

とにかく2日間にわたって「地図」でした。
地理の勉強は「地図」に始まって「地図」に終わるというわけです。

歴史の勉強① [社会]

9月24日

こんばんは。
今日は「歴史の勉強」の仕方についてです。
僕がおススメする勉強法は「得意な時代を作れ!」方式です。

これはどういうことかと言うと、教科書の順番どおりに勉強しないということです。
教科書のレベルが5段階で2くらいだとすれば、特定の時代について3から4くらいのレベルの知識を身につけるまで勉強するのが理想です。もちろん教科書や参考書、問題集ではそのレベルの知識は身につきません。
ではどうするのかというと、「読書」ですね。
具体的に言うと、小学生なら偉人の伝記と図書館の「日本の歴史(まんが)」を読ませてください。
学研と集英社と小学館のものがありますが、小学館のものがおススメです。
中学生なら大河ドラマが身近だと思いますが、漫画なら、「火の鳥」、「バガボンド」、「お~い竜馬」、「るろうに剣心」、「あさきゆめみし」あたりが漫画ならおススメです。
高校生なら司馬遼太郎にチャレンジして欲しいです。「国盗り物語」、「新史太閤記」、「竜馬がゆく」、「燃えよ剣」、「坂の上の雲」を特に推薦します。長編が多いので、読みやすさから言えば「新史太閤記」からはじめるのがいいと思います。
小林よしのり氏の「戦争論」なども面白いのですが、アイデンティティの育たない中学生とかのうちから読むのは避けた方が良いでしょう。歴史観は色々学んでから育ててゆけば良いのです。
頭が白紙の間は歴史の中にあるそれぞれの人間のドラマを感じて欲しいと思います。善悪の基準は所詮後付ですからね。「勝てば官軍」とはよく言ったものです。

日本の歴史で圧倒的に面白いのは「戦国時代」と「明治維新」です。
必然的に歴史小説とかもその時代を背景にしたものが多くなります。
漫画やドラマ、小説をお勧めするのは、歴史とは人間の営みだということをなるべく早くに知って欲しいからです。これは言葉ではなくて心で感じて欲しいのです。
国語のときにも述べましたが、理想論だけでは教育は出来ないのです。
活字の読書だけで頭が熱くなるほどの想像力を働かせることの出来る子供はそう多くはありません。
子供に「知る」のではなく、感じてもらうには「漫画」や「ドラマ」は最も有効な手段です。
「戦国時代」や「明治維新」の時代には命をかけて自分の生き方を貫く人間がたくさん出てきます。
それも次から次へと出てきます。
現代も「先の読めない時代」とか言われますが、情報量という要素を外して考えれば、先の読めなさは当時は現代の比ではないでしょう。次の日には自分の命がないかもしれないわけです。
そういう時代に先を生きた人間が何をどう感じて、どう動いて、どのような結末にいたったのか・・そうしたことのすべてが歴史にはあります。

歴史の勉強は横ではなくて、縦に掘り下げれば掘り下げるほど楽しくなります。
平面的に学習をすると、嫌になります。
得意な時代が出来れば、現代(もしくは他の得意な時代)とその時代とのつながりを考えてゆくようにします。
できれば、2箇所くらい好きな時代を作って河の向こう岸から飛び石を超えるようにして、現代に渡ってくるようなイメージで学習するのが良いでしょう。

日本史を学ぶのであれば、それは「戦国時代」と「明治維新」を選ぶべきです。
単純に楽しいですし、やはりその時代を学んでこそ、日本人の本質が見えると僕は思うからです。

歴史の勉強② [社会]

9月25日

こんばんは。
今日も昨日と同じく「歴史」です。

「歴史」の勉強は縦に掘り下げてくださいというお話でした。
教科書の内容では表面的すぎて何のことかよく分からないのです。従って面白いと感じることはありません。
「歴史」の勉強が好きになるのは男の子が多いですね。
最近は歴女?なるものが話題になっていますが、一般的に言えば「歴史」にハマるのは男の子です。
これは特性と言ってもいいかもしれません。
僕なりの見解で言えば、男の子の方が「凝り性」で「ロマンチスト」なんだと思います。
「凝り性」ということはベクトルが平面ではなくて、垂直に向かっていくんです。つまり「狭く深く」学ぶんですね。
それに対して、女の子は「広く浅く」学習する方が楽しいんです。
これは「歴史」の勉強の本質を表していると思います。
つまり「歴史」が好きになるためには「狭く深く」掘り下げて学ぶ必要があるということです。

まずは好きな時代を作りましょうというお話でした。
では、その後どうすれば良いのか?
つながりを考えるとは、自分なりのストーリーを描くということです。
全く歴史を学んだことのない人間が、日本の歴史を学ぶ上で一番分りやすいシナリオを以下に紹介します。
誰が主役かにだけ注目するのです。

日本の誕生→天皇の時代→貴族の時代→武士の時代→国家の時代

もちろんこんな簡単に歴史が語れるわけではありません。
でも、大局はこういうことです。
この中で一番難しいのが、武士の時代の崩壊です。
鎌倉幕府の幕開けとともに本格的な武士の時代が始まるわけです。1864年の大政奉還を新しい時代の幕開けとするならば、実に700年近くもの間、武士が日本の歴史を牛耳っていたわけです。
700年と言えば、気の遠くなるような歳月です。
当時の人にとって、もうそれは空気のようにそこに存在した概念なのです。
それがなぜ崩壊したのか?そこに何があったのか?
本当の意味でそれを理解しようと努めれば、日本の歴史のすべてを知らなくてはなりません。
だから僕は「明治維新」の勉強を勧めるのです。

「江戸幕府が弱体化して倒された」だけではない何かを言えるようになったとき、日本のことが少しわかるようになります。それが日本人としてのアイデンティティだと僕は思います。

僕はこれまでに海外37カ国を旅行してきました。
いつも思うのは、日本人にはなんでこんなにオーラがないのだろう?という疑問です。英語が話せないからというだけではありません。他の国の人に比べて、何か自信がなさげなんです。
なんとなく外国人のパワーに圧倒されてしまうって自覚はありませんか?
どこか卑屈なんです。これは僕自身例外ではありませんでした。
僕はこの原因が自分自身の歴史観にあることを長い間、自覚していませんでした。
「自分の過去」に自信があれば、自然とオーラは身につきます。
これが外国という異文化に出ると、「自分の過去」が「日本人としての過去」に置き換わります。
異国の中に放り込まれると自分が日本人だということを嫌でも自覚しますしね。
よきにせよ悪きにせよ、外国人は自分の国の歴史に誇りを持っています。
それが多くの日本人にはないんだということを、海外に出てしばらくしてから初めて気付きました。

世界史の中でも特異な文化を持っており、複雑怪奇な事情を経て成り立った近代日本。
その本質を理解するのが難しすぎるが故に、自国の歴史を知らない若者が多すぎます。

でも、それではダメなんです。
今日の内容は「勉強法」ではなくて、僕の想いになってしまっていますが、とにかくこの状況に僕は危機感を感じています。将来、海外に出たいという子供には英語よりもまず先に「歴史」を学ばせてください。
知的レベルの高い自立した海外の人間は、自国の「歴史」を知らない人間を尊敬はしてくれません。
これでは対等な人間関係は築けないでしょう。言葉の問題だけではないのです。

何度も言いますが、それにはまず「明治維新」の勉強です。
それを知れば、アメリカに核を落とされたのは仕方なかったなんて言葉は死んでも言えないでしょう。
それならペリーを連れて来いという話だからです。

今日は少しアツくなって話が脱線してしまった気がします・・。
暗記方法については「社会は覚えるだけ?」あたりを読んでいただければと思います。
あと、年号は語呂合わせで覚えさせてくださいね!



勉強の動機付け [モチベーション]

9月28日

こんにちは。

例えば、
「次のテストで80点を超えたら、お小遣2000円!」
こういうことをする親は多いと思います。
結論から言えば、これはダメなやり方です。
今日はそんな内容についてお話をしてみたいと思います。

こういう動機付けを専門的な用語で「外発的動機付け」と言います。それに対して勉強に対しての純粋な好奇心による動機付けを「内発的動機付け」と言います。
「外発的動機付け」は「内発的動機付け」よりも弱いんです。
これを証明するために心理学者デシという人の実験を紹介したいと思います。
デシは実験室に大学生を一人だけ入れて、パズルを解かせるという実験を行いました。パズルは学生にとって充分に面白いもので、制限時間13分のパズルを4セッション行うというものです。
実験者は実験の準備のためと称して、真ん中に8分の時間を取り、その部屋には灰皿や最近の雑誌が置かれていました。実験者にとって興味があるのは、この8分間の被験者の行動です。
そして一部の学生には真ん中の休憩時間前に、解いたパズルに対しての報酬を支払いました。
そうすると、なんとこの学生たちは無報酬のまま実験をしていた学生と比べて、自由時間にパズルを解いていた時間が短くなったのです。
この実験は他のパターンでも繰返されましたが、結果は同じであり、金銭的報酬をもらうと、本来面白いはずのパズルであっても、自由時間に休憩するようになるという知見が発表されました。
またこういう話もあります。
第一次世界大戦の頃、ユダヤ人排斥の空気が強い米国南部の小さな町で、一人のユダヤ人が目抜き通りに小さな洋服の仕立て屋を開きました。
すると、嫌がらせをするためにボロをまとった少年が店先で「ユダヤ人!ユダヤ人!」と彼をなじるようになったのです。困った彼は一計を案じて、子供たちに「私をユダヤ人と呼ぶ少年には10セントを与えよう」と言いました。
戦利品に大喜びをした子供は次の日もやって来て、「ユダヤ人!ユダヤ人!」と叫び始めたので、彼は「今日は5セントしか与えられない」と言いました。次の日にも子供たちがやってきて、同様にやじったので、「これが精一杯だ」と言って今度は1セントを渡すと、少年たちは2日前の十分の一であることに文句をいい、「それじゃぁ、あんまりだ」と言ってもう二度とこなくなったそうです。

「外発的動機付け」は確かに一時的なカンフル剤にはなります。
しかし、困ったことに「外発的動機付け」には「内発的動機付け」を弱めてしまう特徴があります。
先の実験のように「もともとそこにあったモチベーション」を弱めてしまうのです。
また、「外発的動機付け」には慣れという問題も加わります。
テストのたびに報酬を与えていれば、子供が次に言うのは、「もっとちょうだい」です。
そのたびに報酬を上げ続けていけば、モチベーションは維持出来るかもしれませんが、そんなことは現実的には不可能です。いつまでも親の下で勉強しているわけではないのですから。

「勉強」に対してのモチベーションはあくまでも「勉強の内容」から引き出すのが基本です。
「勉強」を面白く感じさせるのは先生の役割ですが、いい先生に出会えなければ親がするしか仕方ありません。
残念ながら、勉強を「面白い」と思わせる程の先生の存在の方が稀なのですから、基本的には親の役割ともいえるでしょう。ではどうすればいいのか?
それは親が教育リテラシーを身につけるしか仕方ありません。
誰かのせいにしても仕方ないのです。

でも、それはそんなに難しいことではありません。
せいぜいこのブログに書いてあることくらいです。

お金やモノを与えてやる気にさせるのなら、バカにでも出来ます。
そうでないところから「やる気」を引き出すのが、いい親だと言えるでしょう。

公民の学習方法 [社会]

9月29日

こんにちは。
今日で「社会」に関しては終わりです。

公民の学習方法ですが、中学生にとって「公民」は少し難しいかもしれませんね。
それもそのはず。
大学に行けば、「公民」は「法律」、「経済学」、「国際関係学」など様々な分野の学問として学ばれることになるからです。「社会」という科目の中の1分野に過ぎない「公民」にこれだけの内容を詰め込んでいるのですから、
難しいのは当然なのです。
賢い読者の方は、こうおっしゃられるかもしれませんね。
中学生向けに情報を減らしてあるんだから、そんなことはないと・・。
でも、そういうわけでもないんです。
それについてお話をしてみたいと思います。

「公民」というのはいわば身近な出来事です。
身近な出来事である以上、テレビのニュースや新聞の出来事や、ここ最近に起きた大事件などと絡めて語られることになります。もし「公民」の授業を先に述べたように情報量を減らし、薄く行うとすれば・・。
その場合は時事的な問題に触れることは許されないというジレンマが発生します。

いわゆる社会で話題となるような出来事は、それについての表面的な知識だけでは解決出来ない問題ばかりです。YESかNOが簡単に出るような命題ならニュースにもならないわけです。
ところが、こうした難しい社会問題と「公民」の初歩的な知識が教科書には混在しているのです。
もちろん子供が理解しやすいように最大限の工夫はされています。
しかしながら、「地理」や「歴史」の勉強に比べると、難しくなってしまっている感はぬぐえません。

公民の勉強のコツはとにかく「捨てること」です。
理解出来なければ、無理して理解しようとしなくても構いません。
テストの構成で言えば、60~80点くらいまでは「すごく簡単な問題」、そして残りが「すごく難しい問題」となっている場合が多いです。100点を取ろうと思えば、毎日のニュースを意識的に見ているような子供でなければ難しいかもしれません。100点を狙いにいくのではなくて、超簡単な基本の語句だけを覚える平均点作戦が基本です。定期テストでどうしても高得点が取りたければ、先生のお話をすべて聞き漏らさない覚悟で聞くことです。
定期テストで高得点が取れても、問題作成者が変われば高得点が取れなくなるかもしれませんが・・。

家で出来るお手伝いとして、普段のニュースは親子の会話に取り入れてくださいね。
それはこのブログを読んでいただいている読者の方には、改めてお話する必要はないかと思われます。

今日は「公民」についてでした。
雑談をはさむかもしれませんが、次回から「理科」に入ります。




理科からはじめなさい [理科]

9月30日

定期テストの点数も悪く、内申も散々・・。
今まで勉強という勉強もしたことがなく、習慣もない・・。
部活動に熱中してきて、中学3年生の夏休みも遊んでしまった・・。
受験は目前に迫っているにも関わらず、相変わらず本人には自覚なし・・。

毎年この時期になると、こんな生徒を抱えた親が現れます。
そんなとき僕はその子供に対して何を言うか・・

「理科から勉強をはじめなさい」

こう言います。
理科の勉強に苦手意識を持っている生徒は非常に多いです。
それにも関わらず僕はこういうことを言います。
なぜか?
勉強が一番簡単で効果が出やすい科目だからに他なりません。
断言しましょう。
子供は理科が苦手なのではなくて、理科が嫌いなだけなのです。
好きとか嫌いに関係なく、成績を上げることだけを考えるならば理科に勝る科目はありません。
注意していただきたいのは、「物理」とか「化学」とか「生物」とか「地学」ではないということです。
あくまでも「理科」についてのお話である点がポイントです(要するに中学までの勉強)。

僕はこれまで1000人を超える子供たちにこういう質問をしてきました。
「何の科目が一番嫌い?」
この質問の答えは学年と時期によって傾向が変わるのですが、中2の終わりから中3くらいまでにかけて異様に割合が増える科目が理科なのです。もしかすると結果は地域によって変わるかもしれません。
いったい何が起こっているのでしょう?
答えは「電流」です。
僕のいた地域の学校では中学校2年生の冬に「電流」をやっていたのです。
この「電流」というのが子供の理科嫌いに拍車をかけてしまうんですね。
まるで算数や数学の応用問題なので、勉強が苦手な子供にはとても難しく感じるんです。

子供の意見はあくまでも主観的です。
「全然分からなかった」という記憶がいつの間にか「理科が苦手=理科が嫌い」になっていくのです。
本当は大変勉強しやすい科目であるにも関わらずです。
では、なぜそんなに勉強がしやすいのでしょうか?
それは「理科」という学問領域は存在しないからなんです。
本来「物理」、「化学」、「生物」、「地学」という学問領域があって、それを総称して「理科」と呼んでいるだけなのです。そしてそれぞれの学問にとって必要とされる学習特性は全く異なります。
「物理」であれば計数能力や論理的思考能力、「地学」は暗記力・・といった具合に。
しかも、それらの学問を1つの科目につめこんでいるために中学校までの「理科」というのは、非常に内容が薄いです。例えば、数学であれば中3にもなれば平方根の計算など非常に概念的な内容に進んでいるにも関わらず、理科で学ぶ内容は日常生活の延長で何とかイメージ出来そうな内容ばかりです。

大切なことを申し上げます。
今後も何度も触れるかとは思いますが、「勉強の難しさ=抽象度の高さ」なんです。
日常生活から離れれば離れるほど難しくなるのが、勉強と言えます。
そうした意味で中学生までの「理科」は非常に勉強がしやすいのです。
暗記が得意なら「生物」や「地学」から・・計算が得意なら「物理」からといったように自分の得意なところから勉強を始められるのも外せないメリットです。「電流」がわからないからと言って、「植物」が分からない理由にはならないわけです。

勉強が嫌いならまずは「理科」から。
嫌いだからこそ、これを先に克服することで、「俺って勉強やれば出来るかも?」という自信にもなります。
色々な意味で勉強を始めるのには最適な科目です。
何度も言っていますが、勉強嫌いの子供にとって大切なのはまずは成績を上げることなのです。

そのための最初の一歩として「理科」は最適です。
頑張りましょう。




この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。