模試結果分析(数学編) [模試結果分析]

10月19日

こんにちは。
今日は数学の模試結果分析です。
国語と英語の結果を見ると、3大要素の「読み、書き」力まではある程度、予想出来ます。
「計算」だけはやはり数学を見なければ何も分かりません。
というわけで、何よりもまず先に、数学の計算問題の正答率に着目してください。
計算問題の正答率を見て何を考えれば良いのでしょうか?
実際のA君の模試結果から考えてみましょう。
それでは、問題です。

<問題>
今回の模試の構成は計算問題の配点が40点でした。
応用問題は60点の配点です。
テスト結果は全体で48点だったとします。
計算問題の正答率は60%で24点。応用問題は40%の正答率で24点でした。
この生徒に全国1位の計算力が備わると、テストの点数は何点になるでしょうか?

ここでよくあるのが、こういう考え方です。
「ええと・・・計算ミスを直せば、あと16点取れるから64点!」
計算ミスしなければ、64点もあったんだよ。
・・よく見る光景です。
本当にそうなんでしょうか?

私ならこのように考えます。
計算問題のミスで16点落としている。
応用問題も計算ミスで16点くらい落としている(※)
※少しややこしい計算になりますが、参考までに
①応用問題の理解率を求めます 
60×(応用問題の理解率)×0.6(計算の正答率)=24
②応用問題の理解率は66.666...%と出ます
③応用問題の配点(60)×0.6666....=約40(計算ミスしなかった場合の応用問題の点数)
④40-24(実際の点数)=16(計算ミスしなかった場合と実際の点数の差)

<結論>
「計算力をつければ、A君は80点くらいまでは伸びるかもしれない。」

初めての模試結果が48点とかで落ち込んでいる生徒に対して僕はどーんとこう言います。
「塾で頑張れば、80点くらいは取れるよ。」
さらに偏差値との相関表で80点の欄を見ると、偏差値70とか書いてあったりします。
次に志望校ランキング表を持ち出します。
偏差値70の欄にはもちろん県下トップ校の名前があります。
「しっかり頑張って偏差値70になれば、ここの高校に行けるね。」

塾でこういう風に言われると生徒は燃えます。
子供はいいのですが、親は納得しません。
なぜ48点が80点になるのか?
昔から数学や算数では点数の低いこの子がそんなに伸びるはずはないと言われます。
無責任なことは言わないでくださいと言わんばかりに、ダメな理由を興奮して話し出す方もおられます。
しかし、そんなお母様も、この様に順を追って説明するとご理解いただけます。
そして、面談を終えて家に帰る途中の本屋で計算ドリルを買って帰られます(笑)。

確かに仮説です。
計算力がついたからと言って、応用問題がそのままの割合で点数が上がる保証はありません。
しかしながら、計算力がつけば間違いなく、応用問題の正答率は一定の割合で上がります。
計算問題での配点で点数を取れるようになるだけではない効果があるのです。
そしてもし仮にその点数があれば、びっくりするくらい偏差値は上がるものなのです。

そもそも子供にとって計算問題で間違えた問題の多くは本当に「わからなかった」わけではありません。
そうしたミスはしっかりとしたトレーニングを積むことによって克服可能なのです(数学編参照)。

計算練習のような地道な勉強を積むのは骨が折れますが、そういうことを日常的に行った結果、どういう世界が待っているのかを見せてあげれば、子供のモチベーションは間違いなく上がります。

以上。
数学の模試結果分析は「計算」の正答率からという内容でした。
ではまた次回。


模試結果分析(数学編) [模試結果分析]

10月20日

こんにちは。
今日も模試結果分析です。

数学についてですが、計算ミスをなくすだけで驚くほど成績は上がるというようにお話しました。
実はそれだけでも目標の偏差値に届いてしまう子供が多いのですが、仮に計算ミスがゼロになったとしても模試結果が目標に届いていない場合もあります。
どうすれば良いのでしょう?

解決のポイントは国語の「読解力」にあります。
その子供の「読解力」は平均以上の力を示しているでしょうか?
「読解力」がなければ数学や算数の応用問題は解ききれません。
そもそも問題文の意味を良く分かっていない場合も多いです。

今までお話してきたとおり、「読解力」はすぐには身につきません。
「読解力」をつけるためには継続的な学習が必要です。
「計算力」に問題がないとすれば、次に「読解力」の確認。
そこで不安があるようなら、やはり「読解力」の養成に勉強時間を注ぐべきです。

「読解力」もあるという場合。
ここまで疑ってきて初めて「応用問題」の演習量が足りないという仮説を立てることが出来ます。
その場合は「応用問題」を解くための練習が必要でしょう(数学編参照)。

数学の模試結果分析の一番の失敗パターンをご紹介します。
点数の低さにびっくりしてしまい、よく考えないまま数学の問題集の応用問題ばかりにチャレンジする。
これが一番良くないです。
計算ミスを直すだけで目標偏差値に届く見込みがあるのであれば、そこに全力を注ぐべきです。
解けるようになるのか良く分からない応用問題にチャレンジするのはあまりにリスクが高いです。
計算ドリルのような計算練習は地味ですが、確実に効果が出ます。
計算力に不安がないからと言って、応用問題にばかりチャレンジするのも違います。
そもそも基礎的な読解力がなければ、失敗に終わる可能性が高いからです。

確かに模試結果は数学の「応用問題」での失点かもしれませんが、そこに潜んでいるのは別の問題かもしれません。それを見極めることが数学の模試結果分析の一番重要なポイントと言えるでしょう。

ではまた次回。
今度は社会です。




模試結果分析(社会編) [模試結果分析]

10月21日

今日は社会です。
とは言え、模試結果分析は国数英3科目を中心に見ていきますので、そんなに難しいことはありません。
暗記が得意かどうかを判断する材料に使います。

成績のいい悪いに関わらず、この質問をしています。
「社会は好き?」
ここで好きという回答が返ってきた場合は成績は悪くはないと思われます。
点数が取れているということですが、ここからもう少し探りを入れていきます。
「社会」が本当に好きだから点数が良くなったのか、点数がいいから「社会」が好きになったのかです。
後者の場合はほぼ間違いなく暗記のコツを体得しています。
もっと要領のいい方法はあるのでしょうが、満足のいく点数を取れるほどなので、自分なりの方法論を身につけているのでしょう。
そのようなときには、余程、切羽詰った状況でもない限り、他の弱点補強を優先します。
前者の場合にはもう少し注意をしてみています。
「社会」が大好きなのはいいことなのですが、時には「社会」の勉強ばっかりしているような子供もいるからです。
勉強時間の割には点数が悪かったりということもあります。
偏差値は相対評価です。
社会の勉強時間が増えると、社会の偏差値が異常に高くなることがあります。
なぜなら他の生徒はそこまで社会に時間をかけていないからです。
「社会」が好きで社会の勉強ばかりしていて、結果的に偏差値が良い。
こうした生徒は受験直前になると、成績の伸びが止まってしまったり、成績の推移が読めません。
暗記のコツを体得しているかと思って安心していたら、実はそうではなかったりします。
追い込みの時期に大量の語句暗記をさせてみると他の子よりも覚えるのが遅かったり・・。
「社会は好き?」という質問から「好き」という返事が返ってきた場合には上記のような点に注意しています。

今度は逆に「嫌い」とか「まぁまぁ」といった返事の場合の注意点です。
それにしては成績がよければ、暗記力はあるのでしょう。
これはOKなので、好きになってもらえるように歴史漫画を紹介してみたりします。
あるいは受験直前の追い込みで成績が急上昇させることも出来るかもしれません。
(そういうことが出来るかどうかは子供を見て判断します)
成績も悪い子供・・。
「社会が嫌いで、成績も悪い」
これは勉強法から指導が必要です。
効率的な暗記の方法も良く分かっていない場合がほとんどですが、自分自身の勉強方法に自信を持てていないという子供も多いです。
もともと暗記は楽な作業ではありません。
もっと良い方法があるのではないのかという思いから、自分の勉強法に確信を持つことが出来ず、結局勉強をしていないというケースです。
同じような傾向は他の科目にも表れているはずなので、そういうことがないかをチェックします。

だいたいこんな感じでしょうか?
地理、歴史、公民などに分けて目立って成績が良かったり悪かったりした場合には、社会の勉強の仕方を参照してみてください。

では。



模試結果分析(理科編) [模試結果分析]

10月22日

こんにちは。
模試結果分析もいよいよ最終章です。
ちょっとマニアックな内容になってしまったかな?という反省はありますが、塾とかで騙されないためにはある程度の理論武装は必要です。今までのところ、小中学生をメインに色々な勉強法などの解説を進めてきているので、高校生には少し参考にならない部分もあるかもしれませんね。
高校生用の模試結果分析の手法などもいつか公開出来ればいいなとは思っていますが、大学受験生用の勉強法を公開したサイトは他にもたくさんあるようなので、あまり触れていません。
基本的には小中学生のお子様を持つ親を対象にしたブログです。

本日は理科です。
理科は大きく4つの分野に分かれています。
物理と化学、生物と地学です。
基本的に、理科の成績が悪い一番の理由は「理科が嫌いだから」になります。
ただし、単元毎に分ければ好き嫌い以外の要素が見えてきます。
単元によって特に必要とされる学習特性が少し異なるからです。
ではどこから見ていけばいいのか?どんな科目と関係があるのか?ですが、
物理に関しては「数学」
化学に関しては「英語」
生物と地学に関しては「社会」との関連性を中心に見ています。

理科という科目の学習特性から考えて一番似ているのは、社会だと思います。
基本的には暗記科目ですし、関連付けて理解しながら覚えないといけない点も社会と同じです。
ノートに図とかを書いて分かりやすくしてから覚えるほうが効率がいいでしょう。
そういう意味では生物、地学の「社会」はご理解いただけると思います。
物理では計算問題が多いので、「数学」を見る・・これも大丈夫だと思います。
でも何で化学が英語なんだ!?
と思われる方はいらっしゃるかもしれません。
その答えは元素記号を覚えるときにアルファベットを使うからではありません。
学習特性が英語に似ているんです。
英単語や漢字を覚えるアレですね。「読み、書き、計算」の「書き」です。
僕のブログでは「単純記憶」という言葉で表していました。
化学の勉強をするときに関連付けながら、覚えることももちろん大切なんですが、限界があります。
化学の勉強に関して言うなら、「がむしゃらに暗記」しないと、どうしようもない一面もあるんです。

このようにそれぞれの分野が何の科目と関連性が強いのかを確認した上で、
分野毎の正答率を見ていきます。
何度も述べているように「理科の点数が悪い」理由は「理科が嫌い」だからという理由が一番多くて、「理科が嫌い」という理由は学校の先生がイヤな奴なのか、単純に点数が取れないからです。
点数が悪い→理科嫌い→さらに点数悪い→さらに理科嫌い
こうしたスパイラルにはまっているのです。
このスパイラルの入り口は一つしかありません。
少しでもいい点数を取ってもらうことです。

その際にやたらめったらに勉強を進めても効果が出るとは限りません。
数学が苦手なのに物理から勉強を始めるのは愚の骨頂です。
それぞれの科目の成績から、勉強がしやすそうな単元を選び出して、そこを集中的に攻めるのです。
数学が得意なのに、物理が悪いはずはないと考えるのがコツです。

理科は一番成績が上げやすい科目です。
上記の方法でポイントを絞ればさらに成績は上げやすくなります。
ここで成績を上げて、総合偏差値が上昇すれば、やる気も一気に上がるかもしれません。
繰り返しになりますが、子供は「勉強が好き」だから「成績がいい」わけではないのです。
「成績がいい」から「勉強が好き」なのです。
そしてモチベーションが上がるのです。

そのためのきっかけは大人が与えてあげるべきです。


勉強させるには? [勉強の習慣]

10月23日

こんにちは。
今まで色々なことを書いてきました。
「結局、勉強させるにはどうしたらいいの?」
こんな質問が聞こえてきそうなので、復習を兼ねてお話を進めます。

子供に勉強させるための方法は、

①しつけ
②勉強をわかるようにさせる
③目標意識を持たせる

この3つになります。
②は勉強がわからないから、嫌になって勉強しない状態です。
だから、わかるようにしてしまうことが先ですというのはこれまでに述べてきたとおりです。
「勉強しなさい」は禁句です。言ってはいけません。
言っても効果がないからです。
しないといけないと分かっていないのなら話は別ですが、心の底では勉強をしないといけない事はほとんどの子供は知っているはずです。そう思っているけど、出来ていないだけなのですから。
勉強をするようになれば、勉強します。
逆説的になりますが、そういうものです。
習慣になるということです。歯磨きのようになります。
しないと気持ちが悪い状態になるからです。
意志の弱い子供という言い方があります。
本当にそうでしょうか?
実はそうした子供はとても意志が強いとも言えるのです。
船が転覆しそうになったときに元に戻る力を復元力といいますが、たとえそれがいいことであれ、これまでにない習慣を取り入れるのは子供にとっては変化です。
その変化を取り入れようとしてもまた前の状態に戻ってしまうという子供はこの復元力が強いのです。
悪い習慣を守り続けようという意志が強いということです。
塾で先生の言うことを素直に聞く子供はたしかに急激に成長しますが、また悪い環境に戻ったときにはすぐにその状況に染まってしまったりします。
素直な子供は成長が早い。
確かにその通りなのですが、そうした危険性がある点も否定出来ません。
逆の視点で考えれば、頑固な子供に勉強の習慣をつけてしまえば、それが抜けにくいということも言えます。
頑固な意志で、いい習慣を守り続けるでしょう。
塾で更生に手がかかった生徒は、卒業後も結構勉強を続けてくれます。
要は、ずっと勉強しない子供というのは、悪い習慣が強い意志で守り続けられている状態なのです。
その悪い習慣を根本から変えなければいけない。
その第一歩がしつけの徹底に他ならないのです。
しつけの本質は何か?
それは「やらなければならないことを、すぐやる」ことにあります。
靴をそろえる。
椅子をひく。
挨拶をする。
お礼を言う。
出した本を片付ける。
こうしたちょっとした行動をすぐに出来る子供は、やらなければならないことから先にやります。
まずは、「すぐにやる」習慣をつけなければ、勉強の習慣も身につきません。

こう言うと、必ずこう言われます。
「いつも言ってるんですけどね~」
何でもかんでも言えばいいってものではありません。
「すぐやる」行動にはレベルがあります。
その行動の「面倒くささ」からその行動のレベルを計ってください。
例えば、「制服を片付けなさい」という言葉。
何度か言ってもダメだった場合は、その前の段階に戻ることです。
「食事の後は椅子を引きなさい」
それでもダメなら、「ご馳走様でした」を言わせてみる・・
このように、簡単なことから段階的に「すぐやる」ことを習慣化していくのです。
いつの日か、「勉強する」という子供にとっては腰の重い行動ですら、「すぐやる」ようになるでしょう。

今日の内容はちょっと復習でした。
まずは「しつけ」の徹底が不十分だと思うように成果を出せないということですね。
第二の理由。「勉強は分かるようになれば、やる気がでる」というのはそのままなので、あまり触れていません。
模試結果を穴が開くほどみつめて、なるべく簡単に結果が出せそうなポイントを探ってください。

最後の「目標意識」についてはこれまでも深く突っ込んだお話をしていないので、次回に述べます。


夢と目標は違います [目的と目標]

10月26日

「目標意識を持たせなさい」

僕が改めてこう指摘するまでもなく、これまで色々な場所で耳にされた言葉かと思います。
けれども、
何で目標を持たなければいけないのでしょうか?
そもそも目標意識を持つってどのレベルまでを言うの?
夢やビジョンと目標の違いって何?
様々な本を読んできましたが、この回答に明確に答えてくれる本はなかなか見当たりません。
ただ漠然と目標を持ちましょうと言われるだけです。
これではいけません。
私の会社のセミナーでも行っているのですが、「目標」についてまず先に定義しなければなりません。

目標という言葉よりも先に考えて欲しい言葉があります。
それは、ビジョンです。
子供の場合だと≒「夢」でいいでしょう。
「夢」という言葉の定義は少し難しいですが、ビジョンには定義があります。
それは、「○○年後のあるべき姿」です。
私が考えるに、ビジョンには条件があります。
・それを考えると、ワクワクすること
・シンプルであること
・イメージ出来ること
この3つです。
何年先でもいいのですが、中期ビジョンで5年、長期ビジョンで10年以上を考えるのが一般的です。
しかし、ビジョンはそのままでは達成出来ない場合がほとんどです。
ですので、ビジョンを実現するために段階的なステップを設けます。
それが目標です。
目標とは以下の「SMARTの定義」に当てはめられるものを言います。
そして、長くても一年以内に目標は設定されなければなりません。

「SMARTの定義(英語訳は省略)」
S 明確であること
M 測定可能であること、あるいは出来たかどうかが検証可能であること
A 現実的で達成に努力を必要とするもの
R 達成可能であること
T 達成期間が限定され、期限が決まっていること

上記の基準に満たないものは目標ではありません。
夢やビジョンは何でもいいのです。
とにかく本人にとってワクワク出来るものであれば・・。
しかし、目標は違います。
現実的に達成出来るものでなければ、目標とは言えません。
効果が分かっているものなければ目標とは言えません。
そのためには基準を定数化して考えられるようにする必要があります。
どういうことかと言うと・・
一年後に計算ミスを減らす→×
一年後に計算ミスを10%以下におさえる→○
本を読む→×
一年後までに30冊の本を読む→○
漢字の勉強をする→×
一日10分の漢字勉強を1年間続ける→○
教育ではありませんが、同じ現象は職場でも見られます。
お客様にとって喜ばれる応対をする→×
お客様の8割以上に「ありがとう」と言われる応対をする→○
こういうことです。
数字にして考えられなければ目標とは言えません。
ビジョンとの区別も必要です。
プロ野球選手になる→夢やビジョン
毎日素振りを100回する→目標
○○高校に合格する→現時点で現実的でなければ夢やビジョン
いかがでしょうか?
目標とはどういうものか、夢やビジョンとの違いを明確にしないといけません。

まず先に夢やビジョンを考えます。
こうしたものを持たせられるかどうかは周りの環境次第です。
端的に言ってしまえば、親や教師が輝いていれば子供は将来に夢を持ちます。
子供から夢を奪う言葉を僕は「マイナス発言」と命名し、職場から追放していましたが、それが、「疲れた」、「もう嫌だ」、「あいつが嫌い」、「世の中が悪い」、「楽しいことがない」・・こうした言葉です。
もし、こうした言葉に子供が日常的にさらされていて、夢やビジョンを持てないのであれば、心の治療が必要です。心の治療と言っても、何も難しいことはありません。
何か偉業を成し遂げた人の講演会に行くとか、野球やサッカーの観戦に行くとか、とにかく全力で頑張っている人を見せることです。(ちなみに僕の心の栄養は「情熱大陸」です)
なぜ夢やビジョンがないとダメなのかと言えば、それがエネルギーの源だからです。
成功者はそれを知っているので、夢やビジョンを紙に書いていつもながめています。
そういう手帳も売っていますね。
それに対して目標はあくまでも現実的なんです。
○○年後にこうなっているためには、半年後にはこうならなければいけない。
このように明確に言えないといけないし、それを想像して、ワクワクするといったものでもありません。
たまにこういう人がいます。
目標があればいいんでしょ?
いけません。
目標はそれを達成すると燃え尽きてしまうからです。
雪山の遭難者の遺体は山小屋の手前で見つかることが多いそうです。
これは死に物狂いで働いていた遭難者の脳が山小屋を見て安心するかららしいです。
脳の活力がそのせいで下がってしまい、体が前に進まなくなるんですね。
似たような現象は受験でも起きますし、これを「燃え尽き症候群」と言います。
「燃え尽き症候群」にならないためには、その先のビジョンがないといけないのです。

ビジョンや夢は自然に持てるように、周りの大人が支援します。
ビジョンや夢をSMARTの原則に当てはまるように、目標として細分化することも大人の仕事です。
自立していなければ、その両方を子供だけでは出来ません。
最初は支援が必要ですが、そうやって目標を段階的にクリアして、数年前のビジョンを達成した経験を持つ子供はそのうちそうした事が自分一人で出来るようになります。

そういうことを自ら出来るような人間を育てることが、我々大人の使命です。


神経質な人たち [目的と目標]


こんにちは。
子供に夢が必要なら、大人にはビジョンが必要です。
まぁ、別に夢でいいと思うんですけど・・。
ビジネスの世界では格好いい言葉が好まれるというだけのお話です。

なぜ、ビジョンを描く必要があるのか?
それは子供と同じ理由です。
目標を立てて、それを段階的に達成していくためですね。
今までのブログは主に子供の学習をどうするのかというのが、テーマでした。
しかし、今回は違います。
大人のための内容です。

早速、一つの寓話からお話させていただきます。
とても有名なお話なので、聞いたことのある方もおられるかもしれません。

・・・旅人がある街を歩いていました。
そうすると、必死にレンガを積んでいる職人さんと出会います。
そして、旅人は聞きました。
「あなたはここで何をしているのですか?」と。
レンガ職人は、このように答えます。
「私はここにレンガを積んでいます。非常に疲れます。」
この答えを聞いた旅人が、さらに先に進むと同じ仕事をしている職人に出会いました。
そこで旅人は同じように聞きました。
そうすると、このレンガ職人からはこういう答えが返ってきました。
「私はここに壁を作っています。レンガがズレてはいけません。非常に神経を使う仕事です。」
「ありがとうございます」
そう旅人が答えて、さらに先に進むと、またしても同じ仕事をする職人と出会います。
そして同じ質問をしました。
そうすると、レンガ職人は非常に活き活きとした声でこういうのです。
「私はここに大聖堂を作っています。この大聖堂が完成すれば、街中の人々がここで祈りをささげるのです。」

これだけのお話です。
もちろん3人目の職人さんの答えが理想ということなのですが、他の二人と何が違うのでしょう?
それは非常に活き活きとしているという点です。
ビジョンのあるなしが、本人に与える影響はここにあります。
ビジョンがないと、人は元気がなくなるのです。
こういう言葉は文脈的におかしいはずです。
「さぁ、今日も何の希望もないけど、とにかく頑張るか!」
「細かい仕事で神経使って、元気になるなぁ!」
これは子供も大人も同じです。
夢やビジョンのない人間には元気がありません。
先の例で言えば、壁を作るという目標しか見えていない状態の人間は神経質にならざるを得ません。
朝の満員電車に乗るとよくいませんか?
こういう人達。
ちょっと足を踏まれただけで舌打ちしてるおじさんとか。
僕はこれまで満員電車にはほとんど縁がありませんでした。
しかし、最近良く乗るようになってそうした大人が多いことに驚きました。
正直、見てるだけで吐きそうです。
親の背中だけを見て、子供が育つとすれば、こんな大人の子供が夢を持つはずがないのです。
そして元気のない子供がまた一人増えていきます。

要するに一番言いたいことは、まずは大人が将来のビジョンを持たないといけないということです。
そうでないと、子供には夢は生まれません。
どうしても達成したい夢から目標は生まれるのです。
大人は会社から目標は与えられます。
けれども、ビジョンは自分で描くものなので、誰かが与えてくれるわけではありません。

じゃ、一体どうやればビジョンは描けるんだよ!
という質問には答えていないので、次回のブログでお話させていただきます。

ビジョンの描き方① [目的と目標]


こんにちは。
今日は大人のための講座です。
どうすればビジョンを描けるのかについてお話を進めさせていただきます。

ビジョンとは「○○年後のあるべき姿」です。
こうなりたいという強い願望であり、イメージですね。
それが毎日の元気の源になるというお話でした。

でも、実際はどのくらいの人がこのビジョンを持って生活出来ているのでしょうか?
将来のイメージの重要性については認識出来ても、描き方が分からないために「ビジョンなんてないよ」という方が多いのではないかと思われます。あるいは毎日の生活が忙しすぎて、そんな暇はないとおっしゃられるかもしれませんね。いずれにしても、ビジョンはないという方が多いと思います。

今ある生活の延長線上に明るい未来はないのでしょうか?
決してそんなことはありませんね。
やりたいことを忘れているだけで、何歳になっても実現したいことはあるはずです。
どんな小さな事でもいいんです。
例えば、犬を飼うとかダンスを習うとか・・。
これをまずは一つ一つ書き出してしまいましょう。
もう無理やり書き出すのです。
どんなバカバカしいと思えるようなものでもいいので。
いくつ書き出すかと言えば、100個です。
これを「夢の100リスト」と言います。
100個もやりたいことを挙げるというのは、いわばアイデア発想です。
アイデア発想をするときのコツはとにかく量を出すこと。
これはアイデアを出すことを職業としている人に共通するやり方です。
もちろん使えないアイデアもかなり出てきますので、100個出たら、次にそれを削っていきます。
例えば、年収1億という夢とポルシェに乗るという夢があったとします。
年収1億円の夢を達成すれば、ポルシェはきっと買えるので、ポルシェの夢は削ります。
すぐに叶えられそうなものに関しては、目標にしてしまいます。
夢ではないので、それも削ります。
計画的に実現するようにしましょう。
削るというのが難しければ、トーナメント形式でもいいです。
夢と夢を比較しながら、「これとこれならこっちの方が叶えたい」というものを選んでいくのです。
目標に出来るものであれば、その時点で敗者になります。
そのようにして結果的に夢を5個以下くらいに絞れれば上出来です。
それがそのままビジョンになりますね。
10年先までにその夢を叶えられるように手帳に書き付けておきましょう。
あとはなるべく頻繁にそれを確認するようにします。
この作業で一番難しいのは夢を100個出すところです。
実際にやってみると分かりますが、30個くらいから先がなかなか出てきません。
そこで、おススメは誰かと一緒にこの作業をやることです。
他の人の意見を聞きながら、「あっ!その夢いいね」のような形でもらってしまうようにします。
5人位でやれば、100個くらいはすぐに出てきます。

こういうやり方を紹介しても、実行する人は0.1%もいないだろうな・・と書きながら感じています。
「ふぅん・・」とか、「なるほど」で終わってしまうんだろうな・・と。
本で紹介したとして1%、セミナーで紹介して5%くらいでしょうか?
実行する人の割合は・・。
(本気になってやればすぐに出来るんですけどね)

人って本当に行動しない生き物なんですよ。
塾とかこういう仕事していると嫌というほど実感しますね。
その通りにやれば、結果が出るって分かっていることでもなかなか出来ません。
その代わり、大人は「やらない理由」を見つけるのは上手なんです。
「それは前にやった」、「本当に効果があるのか信用できない」、「忙しい」・・・などなど。
行動しない=結果の出ない人たちの口癖です。
タダだし、ビジョンがないんだったら、やって損はないんだし、一度やるだけやってみればいいのにって思うんですが、まぁちょっとブログ読んだくらいでは重い腰が上がらない気持ちも良く分かります。

そこでもっと簡単に実行出来る方法を、次回紹介させていただきます。
でも、子供のためにまじめに取り組みます!という方は、ぜひ今回のやり方にチャレンジしてみてください。

大人のためのビジョン講座その1でした。
一回で終われるかと思いましたが、まだ続きます。




ビジョンの描き方②  [目的と目標]


こんにちは。
将来を色々考えるのは面倒だ!という大人のためのお話です。
夢とかビジョンは、何歳になっても持つべきというのが、僕の主張です。
なぜならそれが元気の源であり、子供に夢を与える最良の方法だからです。

ビジョンを描くための、最も簡単な方法は人に会うことです。
「こういう風になりたい」って人に会うのです。
目標は違います。
SMARTの原則という明確な定義がありました。
期限や数字で表せなければいけなかったのですが、ビジョンは違います。
「イメージ」なので、そうした点は曖昧で構いません。
もう一度、定義を確認すると、
・ワクワクする
・イメージできる
・シンプルである
です。
「百聞は一見に如かず」と言いますが、実際に「見る」ということほど強烈な経験はありません。
テレビで見て知っているというのとは全く違います。
テレビや雑誌からは「オーラ」を感じることがないからです。
僕は偶然、木村拓哉を間近で見た経験があるのですが、本気でひっくり返りそうになりました。
どちらかと言えば、「嫌い」でしたが、一瞬で「あれになりたい」と思いましたね。
テレビで観ているときには全く思わなかった感情です。
キムタクには程遠いですが、あの出来事以来、何歳になっても自分を磨く努力は忘れないでおこうという強烈なモチベーションが生まれました。
時間にしてたった30秒程の出来事でしたが、そのくらいの影響があったわけです。
ましてやキムタクと実際に話をしていたら・・。
友人だったら・・。
と思うと、誰かと実際に会うことがどのくらい人に影響を与えるかは計り知れません。

人と会うための最も簡単な方法は、インターネットです。
本とかで興味のある人がいれば、講演会などを行なっていないか調べてみます。
講演などで遠目に観るだけでも、今まで何もしていなかった人には効果があります。
ビジョンを描くきっかけになるでしょう。
質問や講演後の懇親会などに参加出来れば、より効果的です。
社内に尊敬できる人がいるなら、なるべくその人と話をする機会を作ります。
自分よりも年配の方がいいでしょうね。

人と会うとはいっても、その人になることがビジョンではありません。
自然とその人の中に尊敬する要素を見つけることが出来ます。
その部分が自分自身にとっての理想のイメージとなるのです。
僕の例で言えば、キムタクになることではなく、自分を磨く努力の必要性を学んだのです。
だから、なるべくたくさんの人と会った方がいいです。
直感を大切にしながら・・。
そして自分なりのビジョンを作り上げていきます。
人と会えば会うほど、理想のイメージに近いものに描きかえられていくはずです。
意識的に自分が今まで属していた集団から出てみると、刺激的な出会いがある場合が多いです。

覚えておいて欲しいのは一つだけです。
「意識的に人と出会う」
意識しないと、人は今まで属していた環境が一番心地がいいので出ようとしません。
最初から決めてしまう方が良いです。
この1年間で365人と名刺交換を行なう・・のように。

迷ったら、「人と会う」。
作業が嫌いな人はこの方法が簡単です。
行き詰っている人は、新しい出会いが不足していると断言して間違いありません。
身近な人から、そうでない人まで、出会いのきっかけを探してみてください。


詐欺のような商売 [塾の選び方]



こんにちは。
全国何百万人の方が教育業界にムダ金を注いでいるのでしょうか?

高学力の子供は塾や家庭教師への投資効果は大きいと思います。
ここで問題にしたいのは、基礎学力や勉強の習慣がない子供です。
基礎学力が身につかない要因は、大きく分けると3つです。

①「読み、書き、計算」のどれかが欠如している
②しつけが不十分
③夢や目標がない

これだけで県内トップの成績を取るのは確かに不可能でしょう。
しかし、ある程度までの成績(それもかなり)はこれだけで必ず取れます。
一つ一つは確かに大変かもしれませんが、そんなにたくさんの障害があるわけではないのです。
情報商材というものがあります。
インターネットで「秘密の学習法」みたいにして売っているアレです。
僕に言わせれば、詐欺同然です。
騙されないでください。
そんなにいいやり方があるのであれば、これまでの教育界は何をしていたのかという話です。
人間の能力については、脳科学や心理学など様々な研究が行なわれてきました。
しかし、そんな魔法の様な方法などどこにも発見されていません。
そんな方法があるのなら、学会にでも発表すればいいのです。
ノーベル賞を取れるでしょう。
特定の難関学校に合格するためのテクニックであれば、たしかに存在します。
高学力の生徒に向けた限定的な解き方のテクニックもあるでしょう。
高校生にもなれば、面白い学習法が色々発見されています。
どんな分野でもそうですが、内容が高度になって初めてテクニックが生まれるのです。
しかし、基礎学力をつけるための王道はありません。
まずそれを念頭に置くべきです。
良く分からない高額の学習教材も一緒です。
そんなものにお金を払ってはいけません。
「でも、実際に60万円の教材でうちの子は成績上がったよ」
たしかにこういうことはあります。
それも結構よくある話かもしれません。
実際に何が起こったのか検証すれば、カラクリは単純なんです。
結論から言えば、たまたま上がっただけです。
成績が上がった理由は次の二つのどちらかです。

①勉強法に確信を持って進めることが出来た
②目標を持った時点で申し込んだので、たまたまそのときから効果が出た

②は本人の問題なので、教材や勉強法は全く関係ありません。
モチベーションが上がった時期に申し込んだだけの話です。
①のような効果もあるので、一概にダメとは言えないのでは?という指摘もあるかもしれません。
そうではないのです。
教材や勉強法マニュアルを用意したくらいで、学力が上がるくらいですから、その子供の目的意識の高さやしつけレベルは高かったと言えるでしょう。
こんな子供がまともな塾に行けば、すぐに成績は上がります。
どこに行っても何を選んでも、結果は一緒なのです。
別にわざわざ怪しいマニュアルや、バカ高い教材に頼る必要はありません。
勉強法の基本は「読み、書き、計算」の量稽古と覚えておけばいいだけの話なのですから。
こうした理由でたまたま現れたほんの数人の成功者の影には、全く効果の出なかった何人もの子供が隠れていることを忘れてはなりません。
目標がなく、しつけもされていなければ、何を与えても無駄です。

このように逆から考えると、基礎学力のない子供に対しての、塾の役割が明確になってきます。
塾の役割とは・・

①「読み、書き、計算」の反復練習の徹底サポート
②しつけの手助け
③夢を与えられる環境の提供と、それを細分化して目標として伝えられる仕組み

一般的な学習塾にとって、優先するべきは、この3つなのです。
ここに、勉強を教える、受験校についての相談・・などが加わっていきます。
基礎学力をつけるために塾を検討する際には、次の点をチェックすれば、間違いありません。

・読み、書き、計算力のチェックとそれを補うための仕組みがあるか?(定期的な学力テストなど)
・宿題はちゃんと出るか?それをチェックしているか?(講師のノートへのサインなど)
・塾の授業に関して「良くわからない」という言葉が一言も出てこないか?(難しいことをさせすぎ)
・塾の子供たちがあいさつをしっかりしているか?下駄箱はぐちゃぐちゃになっていないか?(しつけ)
・塾に休み時間と授業中のメリハリはきちんとあるか?やたらうるさくないか?(しつけ)
・塾長には本気の夢があるか?暗くないか?(塾長さんの夢は何ですか?と聞いてみてください)
・モヤモヤになっていた目標を具体的に提示してくれたか?(→SMARTの原則)

この条件に合わない塾は不合格です。
断固たる決意を持って、やめさせるべきでしょう。
このブログをしっかり読んで家庭学習に切り替えるべきです。

上のチェックリストはかなり有効なので、ぜひやってみてください。

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