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模試結果分析(理科編) [模試結果分析]

10月22日

こんにちは。
模試結果分析もいよいよ最終章です。
ちょっとマニアックな内容になってしまったかな?という反省はありますが、塾とかで騙されないためにはある程度の理論武装は必要です。今までのところ、小中学生をメインに色々な勉強法などの解説を進めてきているので、高校生には少し参考にならない部分もあるかもしれませんね。
高校生用の模試結果分析の手法などもいつか公開出来ればいいなとは思っていますが、大学受験生用の勉強法を公開したサイトは他にもたくさんあるようなので、あまり触れていません。
基本的には小中学生のお子様を持つ親を対象にしたブログです。

本日は理科です。
理科は大きく4つの分野に分かれています。
物理と化学、生物と地学です。
基本的に、理科の成績が悪い一番の理由は「理科が嫌いだから」になります。
ただし、単元毎に分ければ好き嫌い以外の要素が見えてきます。
単元によって特に必要とされる学習特性が少し異なるからです。
ではどこから見ていけばいいのか?どんな科目と関係があるのか?ですが、
物理に関しては「数学」
化学に関しては「英語」
生物と地学に関しては「社会」との関連性を中心に見ています。

理科という科目の学習特性から考えて一番似ているのは、社会だと思います。
基本的には暗記科目ですし、関連付けて理解しながら覚えないといけない点も社会と同じです。
ノートに図とかを書いて分かりやすくしてから覚えるほうが効率がいいでしょう。
そういう意味では生物、地学の「社会」はご理解いただけると思います。
物理では計算問題が多いので、「数学」を見る・・これも大丈夫だと思います。
でも何で化学が英語なんだ!?
と思われる方はいらっしゃるかもしれません。
その答えは元素記号を覚えるときにアルファベットを使うからではありません。
学習特性が英語に似ているんです。
英単語や漢字を覚えるアレですね。「読み、書き、計算」の「書き」です。
僕のブログでは「単純記憶」という言葉で表していました。
化学の勉強をするときに関連付けながら、覚えることももちろん大切なんですが、限界があります。
化学の勉強に関して言うなら、「がむしゃらに暗記」しないと、どうしようもない一面もあるんです。

このようにそれぞれの分野が何の科目と関連性が強いのかを確認した上で、
分野毎の正答率を見ていきます。
何度も述べているように「理科の点数が悪い」理由は「理科が嫌い」だからという理由が一番多くて、「理科が嫌い」という理由は学校の先生がイヤな奴なのか、単純に点数が取れないからです。
点数が悪い→理科嫌い→さらに点数悪い→さらに理科嫌い
こうしたスパイラルにはまっているのです。
このスパイラルの入り口は一つしかありません。
少しでもいい点数を取ってもらうことです。

その際にやたらめったらに勉強を進めても効果が出るとは限りません。
数学が苦手なのに物理から勉強を始めるのは愚の骨頂です。
それぞれの科目の成績から、勉強がしやすそうな単元を選び出して、そこを集中的に攻めるのです。
数学が得意なのに、物理が悪いはずはないと考えるのがコツです。

理科は一番成績が上げやすい科目です。
上記の方法でポイントを絞ればさらに成績は上げやすくなります。
ここで成績を上げて、総合偏差値が上昇すれば、やる気も一気に上がるかもしれません。
繰り返しになりますが、子供は「勉強が好き」だから「成績がいい」わけではないのです。
「成績がいい」から「勉強が好き」なのです。
そしてモチベーションが上がるのです。

そのためのきっかけは大人が与えてあげるべきです。


模試結果分析(社会編) [模試結果分析]

10月21日

今日は社会です。
とは言え、模試結果分析は国数英3科目を中心に見ていきますので、そんなに難しいことはありません。
暗記が得意かどうかを判断する材料に使います。

成績のいい悪いに関わらず、この質問をしています。
「社会は好き?」
ここで好きという回答が返ってきた場合は成績は悪くはないと思われます。
点数が取れているということですが、ここからもう少し探りを入れていきます。
「社会」が本当に好きだから点数が良くなったのか、点数がいいから「社会」が好きになったのかです。
後者の場合はほぼ間違いなく暗記のコツを体得しています。
もっと要領のいい方法はあるのでしょうが、満足のいく点数を取れるほどなので、自分なりの方法論を身につけているのでしょう。
そのようなときには、余程、切羽詰った状況でもない限り、他の弱点補強を優先します。
前者の場合にはもう少し注意をしてみています。
「社会」が大好きなのはいいことなのですが、時には「社会」の勉強ばっかりしているような子供もいるからです。
勉強時間の割には点数が悪かったりということもあります。
偏差値は相対評価です。
社会の勉強時間が増えると、社会の偏差値が異常に高くなることがあります。
なぜなら他の生徒はそこまで社会に時間をかけていないからです。
「社会」が好きで社会の勉強ばかりしていて、結果的に偏差値が良い。
こうした生徒は受験直前になると、成績の伸びが止まってしまったり、成績の推移が読めません。
暗記のコツを体得しているかと思って安心していたら、実はそうではなかったりします。
追い込みの時期に大量の語句暗記をさせてみると他の子よりも覚えるのが遅かったり・・。
「社会は好き?」という質問から「好き」という返事が返ってきた場合には上記のような点に注意しています。

今度は逆に「嫌い」とか「まぁまぁ」といった返事の場合の注意点です。
それにしては成績がよければ、暗記力はあるのでしょう。
これはOKなので、好きになってもらえるように歴史漫画を紹介してみたりします。
あるいは受験直前の追い込みで成績が急上昇させることも出来るかもしれません。
(そういうことが出来るかどうかは子供を見て判断します)
成績も悪い子供・・。
「社会が嫌いで、成績も悪い」
これは勉強法から指導が必要です。
効率的な暗記の方法も良く分かっていない場合がほとんどですが、自分自身の勉強方法に自信を持てていないという子供も多いです。
もともと暗記は楽な作業ではありません。
もっと良い方法があるのではないのかという思いから、自分の勉強法に確信を持つことが出来ず、結局勉強をしていないというケースです。
同じような傾向は他の科目にも表れているはずなので、そういうことがないかをチェックします。

だいたいこんな感じでしょうか?
地理、歴史、公民などに分けて目立って成績が良かったり悪かったりした場合には、社会の勉強の仕方を参照してみてください。

では。



模試結果分析(数学編) [模試結果分析]

10月20日

こんにちは。
今日も模試結果分析です。

数学についてですが、計算ミスをなくすだけで驚くほど成績は上がるというようにお話しました。
実はそれだけでも目標の偏差値に届いてしまう子供が多いのですが、仮に計算ミスがゼロになったとしても模試結果が目標に届いていない場合もあります。
どうすれば良いのでしょう?

解決のポイントは国語の「読解力」にあります。
その子供の「読解力」は平均以上の力を示しているでしょうか?
「読解力」がなければ数学や算数の応用問題は解ききれません。
そもそも問題文の意味を良く分かっていない場合も多いです。

今までお話してきたとおり、「読解力」はすぐには身につきません。
「読解力」をつけるためには継続的な学習が必要です。
「計算力」に問題がないとすれば、次に「読解力」の確認。
そこで不安があるようなら、やはり「読解力」の養成に勉強時間を注ぐべきです。

「読解力」もあるという場合。
ここまで疑ってきて初めて「応用問題」の演習量が足りないという仮説を立てることが出来ます。
その場合は「応用問題」を解くための練習が必要でしょう(数学編参照)。

数学の模試結果分析の一番の失敗パターンをご紹介します。
点数の低さにびっくりしてしまい、よく考えないまま数学の問題集の応用問題ばかりにチャレンジする。
これが一番良くないです。
計算ミスを直すだけで目標偏差値に届く見込みがあるのであれば、そこに全力を注ぐべきです。
解けるようになるのか良く分からない応用問題にチャレンジするのはあまりにリスクが高いです。
計算ドリルのような計算練習は地味ですが、確実に効果が出ます。
計算力に不安がないからと言って、応用問題にばかりチャレンジするのも違います。
そもそも基礎的な読解力がなければ、失敗に終わる可能性が高いからです。

確かに模試結果は数学の「応用問題」での失点かもしれませんが、そこに潜んでいるのは別の問題かもしれません。それを見極めることが数学の模試結果分析の一番重要なポイントと言えるでしょう。

ではまた次回。
今度は社会です。




模試結果分析(数学編) [模試結果分析]

10月19日

こんにちは。
今日は数学の模試結果分析です。
国語と英語の結果を見ると、3大要素の「読み、書き」力まではある程度、予想出来ます。
「計算」だけはやはり数学を見なければ何も分かりません。
というわけで、何よりもまず先に、数学の計算問題の正答率に着目してください。
計算問題の正答率を見て何を考えれば良いのでしょうか?
実際のA君の模試結果から考えてみましょう。
それでは、問題です。

<問題>
今回の模試の構成は計算問題の配点が40点でした。
応用問題は60点の配点です。
テスト結果は全体で48点だったとします。
計算問題の正答率は60%で24点。応用問題は40%の正答率で24点でした。
この生徒に全国1位の計算力が備わると、テストの点数は何点になるでしょうか?

ここでよくあるのが、こういう考え方です。
「ええと・・・計算ミスを直せば、あと16点取れるから64点!」
計算ミスしなければ、64点もあったんだよ。
・・よく見る光景です。
本当にそうなんでしょうか?

私ならこのように考えます。
計算問題のミスで16点落としている。
応用問題も計算ミスで16点くらい落としている(※)
※少しややこしい計算になりますが、参考までに
①応用問題の理解率を求めます 
60×(応用問題の理解率)×0.6(計算の正答率)=24
②応用問題の理解率は66.666...%と出ます
③応用問題の配点(60)×0.6666....=約40(計算ミスしなかった場合の応用問題の点数)
④40-24(実際の点数)=16(計算ミスしなかった場合と実際の点数の差)

<結論>
「計算力をつければ、A君は80点くらいまでは伸びるかもしれない。」

初めての模試結果が48点とかで落ち込んでいる生徒に対して僕はどーんとこう言います。
「塾で頑張れば、80点くらいは取れるよ。」
さらに偏差値との相関表で80点の欄を見ると、偏差値70とか書いてあったりします。
次に志望校ランキング表を持ち出します。
偏差値70の欄にはもちろん県下トップ校の名前があります。
「しっかり頑張って偏差値70になれば、ここの高校に行けるね。」

塾でこういう風に言われると生徒は燃えます。
子供はいいのですが、親は納得しません。
なぜ48点が80点になるのか?
昔から数学や算数では点数の低いこの子がそんなに伸びるはずはないと言われます。
無責任なことは言わないでくださいと言わんばかりに、ダメな理由を興奮して話し出す方もおられます。
しかし、そんなお母様も、この様に順を追って説明するとご理解いただけます。
そして、面談を終えて家に帰る途中の本屋で計算ドリルを買って帰られます(笑)。

確かに仮説です。
計算力がついたからと言って、応用問題がそのままの割合で点数が上がる保証はありません。
しかしながら、計算力がつけば間違いなく、応用問題の正答率は一定の割合で上がります。
計算問題での配点で点数を取れるようになるだけではない効果があるのです。
そしてもし仮にその点数があれば、びっくりするくらい偏差値は上がるものなのです。

そもそも子供にとって計算問題で間違えた問題の多くは本当に「わからなかった」わけではありません。
そうしたミスはしっかりとしたトレーニングを積むことによって克服可能なのです(数学編参照)。

計算練習のような地道な勉強を積むのは骨が折れますが、そういうことを日常的に行った結果、どういう世界が待っているのかを見せてあげれば、子供のモチベーションは間違いなく上がります。

以上。
数学の模試結果分析は「計算」の正答率からという内容でした。
ではまた次回。


模試結果分析(英語編) [模試結果分析]

10月16日

こんにちは。
今日も模試結果分析です。

昨日、ブログにて、英文法の正答率を英語力として考えましょうというお話をさせていただきました。
(大学受験生やTOEICは当てはまりません)
では、英語長文の正答率が文法に対して高い場合はどういった理由が考えられるのでしょうか?
大きく分けると3つあります。
結論から言えば、①長文問題への慣れ②(国語的な)読解力がある③英単語力がある
だいたいはこの理由のどれかかあるいはその複合パターンに落ち着きます。
逆に文法の成績に対して長文の成績が悪い場合はこれらの原因がまず疑われます。

まず、①の場合。
これはまず慣れてもらうしか仕方ありません。
中学生の場合であれば、長文が20題くらい集められたテキストを一回解けば慣れるでしょう。
こうした勉強ばかりしてきたのかもしれませんし、こうした勉強が足りないのかもしれません。
いずれにしても文法の正答率とのバランスが悪い場合は、勉強の仕方がいずれかに偏っている可能性があるので、チェックします。特に注意したいのは、こうしたテキストばかりして、長文だけ得意になっている生徒です。
長文問題は独特の勘みたいなものが養われてしまえば、驚くほど高得点が取れるものです。
テクニックに偏っており、本当の英語力がついていない可能性がありますので、注意して確認します。
次に、②の場合です。
英語というよりも国語力に原因がありますので、根本的な問題です。
国語の模試結果の読解力の欄の正答率が高ければ、この理由は消せますので、慣れか単語の問題かな?というように推測していきます。
解決策は読解力を高めるために活字を読む習慣をつけるしかありません。
最後に③の理由です。
単語力が理由になるのはおかしいんじゃないの?
と今までの内容をじっくりと読み込まれてきた方にはつっこみを受けるかもしれません。
このつっこみを入れられた方は本当にすごいです。
昨日と今日のブログの内容を100%理解しています。
素晴らしい読解力と理解力です。
意味が分からないという方も気にしないでください。
余談はさておき・・
単語力がなければ、長文が読めないということはご理解いただけると思います。
分からない単語ばかりだと内容が分かりませんからね。
30%くらいの単語が分からなくても推測しながら読むことは出来ます。
このあたりは慣れと読解力の問題でしょうね。
高校生レベル以上の長文問題なら、論理的思考能力があれば、単語力を補えます。
さてさて・・
今までの私のお話をもとにすれば、こういう仮説が成り立ちます。

(仮説1)
英文法の正答率が高いので、単語力も高い(昨日のブログの内容です)
→ゆえに長文問題で単語が苦手という理由になることはない
(仮説2)
英文法の正答率が低いので、単語力も低い
→ゆえに長文問題で単語が得意という理由になることはない

こうした観点から見れば、単語力が理由になるのはおかしいんです。
論理的に矛盾しますから。
けれども、単語が理由で、実力通りに長文が読めない(あるいは読める)という理由は確実に存在します。
そして実際にこうした生徒も存在します。
確実に言えることがあります。
この理由で長文力と文法力が乖離している生徒は「勉強の仕方」に問題があります。
今までの勉強の何がおかしかったんでしょう?
単語力が異常に高いという理由で長文の成績だけ目立っていい場合は、
文法の問題演習と構文の暗記学習のどちらかが足りていません。
簡単なテキストを買って与えるか、構文暗記を勉強の習慣に取り入れる必要があります。
これだけで劇的に英語の成績が向上すると思います。
逆に単語力が原因で、文法はいいにも関わらず、長文は読めていない生徒の場合。
この場合は、なぜ単語力がないのに文法問題は取れるのか?というように考えます。
先の例とは逆で、文法の問題演習ばかりをしているのかもしれません。
(構文暗記が得意とは思えないので、構文をやたら覚えているという理由は可能性薄です)
こうした子供は基礎が抜けています。
まずは徹底して、「書き」の訓練が必要です。
文法問題を解くためのテクニックだけが身についてしまっている状態で、自分は英語が出来るというように、錯覚してしまう非常に危険な状態と言えます。
何度も言うように、基礎英語の学習は地味なんです。
テクニックで何とかなるようなものではなくて、量稽古は欠かせません。
器用な子供だと、巧妙にその練習不足を隠すので表面化しにくいのですが、そうした実態をこうした観点から暴いていくのが、模試結果分析の一番の狙いなんです。
少しややこしい話になってきましたので、今のお話をもう一度整理しますね。
実際の私と生徒とのやり取りと私の頭の中をシュミレーションします。
(下に進んでいきます)

※模試結果を見て
「英文法の成績はいいな・・」
「それにしては英語長文の正答率が低いな。これはどういうことだろう?」
「国語の読解力はあるみたいだな」
「漢字の書き取りと英単語の正答率はどうだろう?」
「悪い・・これが原因だろうな」
「単語が分からないから、長文が読めなかったのは分かるけど、なぜ文法の成績はいいんだろう?」
※これまではすべて頭の中。そして子供に以下のような質問をします。
「もしかして今まで英語の勉強って問題集ばかり解いてた?」
「誰かに英語教えてもらってる?」
「小学校のとき漢字って得意だった?」
※この質問の結果から以下のような仮説や戦術を考えます。
「地道にコツコツと頑張るのは苦手そうだな。」
「達成意欲はありそうだ。」
「よし。次回の漢字検定にチャレンジさせよう。」

注意しているのは、単刀直入に聞かないことです。
例えば、
「毎日、英単語の練習ってしてないよね?」
「あまり英語の勉強ってしてないでしょ?」
などの質問です。
このように聞いてしまうと、子供によっては否定します。
そうすると本質には近づけません。

企業の面接でもそうですが、人を見るのは難しいです。
でも、これまでに積み上がった事実(模試結果)を分析した仮説をもとにして、本人と面談すれば、かなりの精度でその子供の本質を見抜くことが出来ます。自分の予想と本人の話している内容にギャップがあれば、どこでその歪みが生じているのかを考えます。
そしてその歪みこそ、その子供の成績が上がらない本当の理由である場合が多いです。
この模試結果分析でお話している内容がすべて正しいわけではありません。
そもそも、世の中のすべての子供がこんな簡単に分類出来ると考えるほうがおかしいです。
なかには全く当てはまらない生徒もいるでしょう。
しかし、ほとんどの子供に当てはまる傾向を知ることで、自分の頭の中に判断基準を持てます。
思い込みで相手を判断してはいけませんが、問題点を推測するための手がかりは必要です。
それが大切なことなのです。
子供を24時間監視しているわけではないので、仮説も立てずに問題点を見つけるのはほぼ不可能です。
模試結果分析とは、そこに現れる小さな事実から仮説を立てて、問題の本質の糸をたぐりよせる作業なのです。

ちょっと結論めいたことを書いてしまいましたが、模試結果分析はまだ続きます。
次回は数学です。
お楽しみに。


模試結果分析(英語編) [模試結果分析]

10月15日

こんにちは。
以前、基礎英語力は漢字能力と密接な関係がありますというお話をさせていただきました。
なぜなら、真面目に英語の勉強をしようとすればするほど、初期の英語学習は退屈なものだからです。
中学校までの英語力というのは、単語力と構文力にほとんどが裏付けられています。
単語力と構文力がどのようにすれば身につくのか?
これはもうとにかく「書いて、声に出して発音して」の徹底した繰り返しでしかないわけです。
しかし、単純な作業だからと言って、子供たちが一生懸命これに取り組むかというとそんなことはありません。
飽きがきやすく、必要な練習量をこなす前に投げ出してしまう子供が多いです。
そういった意味では勉強への「集中力」が問われる学習と言えます。
私は常々、勉強の土台は「読み、書き、計算」の修練だけで身につくと申し上げていますが、この「書き」ほど重視されていないものはありません。以前お話しましたが、「書き」とは作文のことではなく、「筆写」のことであり、この3要素が勉強の基礎である点は「読み、書き、そろばん」の寺子屋の時代から変わっていないのです。
「読解力、計算力」と同様に修練が必要であり、そう簡単に極められるものではないのです。
さて、その「書き」の能力を示す指標として、漢字の正答率を参考にします。
その上で英語の結果に目を移すと、漢字が悪い子供はほとんど英語の成績も悪いです。
漢字が悪いにも関わらず、英語が良ければご家庭が英語教育を重視されていて、小学校から英会話に通っていたとか、何か他の理由があるのかな?と予想したりします。
もちろん、たまたま漢字の点数が低かったという可能性も考えられますが・・。
生徒がいれば、「漢字を書くのは得意?」と聞きます(読みだけであれば、読書好きな子供は読めます)。
そこで点数と現実の確認を行い、やはり「書き」の習慣が足りなそうだなという印象を受ければ、そのための対策を今度は考えてゆきます。具体的にはノートを文字で埋め尽くすくらいの筆写をお願いします。
漢字や英単語や英語構文についてです。
宿題というかたちである程度の強制力を持たせ、習慣化していくようにします。筆写の宿題の便利な点は解答を写すなどのズルが出来ない点です。純粋に量で判断します。
とにかくこうした子供は「単語力」、「構文力」の欠如が疑われます。

そして、次に文法問題の正答率をチェックします。
高校生であれば、文法の正答率とその他の正答率を分けて考えますが、中学生の場合であれば、文法力=英語力と仮定して、分析を進めていきます。
英語の模試はだいたい「単語(あるいはリスニング)、文法、構文、長文」のような構成になっています。
文法の正答率を英語全体への理解度とするなら、文法の正答率に比較して、低い項目は要注意です。
まずは単語が低い場合。
この子供に一番疑われるのが音読して学習しているか?という点です。
教科書のCDなどを購入したほうが良いケースもあります。
構文が低い場合も同様ですが、そもそも構文は暗記しないといけないものだという視点が欠けているかもしれません。中学生でしたら、最低でも50個は覚えたいところです。
構文暗記を課題として提出させたりします。

文法が悪ければ同じように単語、構文力も悪いケースがほとんどです。
ただし、上記の例のようにそれ以上に悪い場合があるということです。
その逆のパターンというのはあまりありません。
中学英語の文法問題というのは、単語と構文力があれば、正確な理解をしていなくても正解出来るからです。
例えば、He ( ) not like baseball.のような問題があったとして、
頭の中で「この場合はBe動詞が入って、主語がHeなのでisになるな・・」などと多くの場合は考えません。
ましてやこれが選択問題であれば、ほぼ直感的にisを選ぶわけです。
高得点を狙うにはひっかけ問題である可能性とかも考えながら解くので、本当の文法力が問われますが、文法的にはちんぷんかんぷんでもある程度までの得点は出来ます。

最後に英語長文。
これはちょっと違います。
文法力や単語力がなくても解けてしまう子供がいます。

次回はそうしたケースを見ていきます。




模試結果分析(国語編) [模試結果分析]

10月14日

今日は読解力に比較して全体の成績がいい子供についてのお話からですね。
運動に例えるなら、運動神経があまり良くないにも関わらずいい結果を出す子供。
これは努力をしていますね。
頑張っています。
しかし、大学受験生であればともかく、中学生までで試験の読解問題を読み込めないというのは、先天的なものというよりは単純に読書不足、活字慣れをしていない可能性の方が高いです。
そうした意味では偏った努力であったとも言えます。
国語のときに読解力は自分で高めることの出来る運動神経のようなものですとお話させていただきましたが、読解力が不足しているのであれば、やはりそれなりの対策は行うべきです。
読解力を高めるための最善の策はやはり読書ですが、例えば、受験があと数ヶ月後に迫っているのに悠長に読書などしていられないというのも分かります。
読解力を身につければ、それに伴い全体的な成績向上が望めるのですが、すぐには身につきません。

※(以下は、少し専門的な話なので、参考程度に・・)
私がどうしていたのかと言えば読解力が20%向上すれば、全体の成績が5%向上する(個人差があるので、模試結果を総合的に判断して、この数値を推定します)と仮定し、その5%の向上がなかったとしても、目標偏差値を取れる要素があるのであれば、読解力の向上についてはあきらめて他を優先します。
読解力を高めるしか合格に向けての策がないのであれば、テクニックから読解の指導をします。その際の教材には高校生用の教材を用いていました(中学生でそこまでの内容のものはあまりないので)。

全体のバランスを考えて、最適な学習戦略を立てることが大切です。
受験が迫ってから、こうした子供の学習計画を立てるのは本当に大変です。こうなると、ご家庭だけでは対処が難しいので、早い段階から読書の習慣だけは身につけていただきたいのですが・・。

ここまでは主に読解力について確認してきました。
その他の項目は大きく分けると、知識+表現に分かれます。
とは言え、作文の出題がある模試は限られていますから、知識のみの場合も多いです。
知識や表現力と読解力には関連性があります。
文中の漢字がさっぱり読めていない場合や、読解できているにも関わらず、記述式の解答がまずくて点数につながっていない場合などです。
このような理由で解答を間違っていた場合には、読解力についての目測を誤りますので、本当に読解力がないのか?それとも知識と表現力に問題があるのか?について見極めます。
表現力がない場合には他人の力が必要です。
個別指導の塾や家庭教師の先生、学校の先生に添削をお願いしなければなりません。
よく分からない文章というのは往々にして、主観的です。
客観的な立場から指導してもらわなければ気付くことが出来ません。入試などで作文があって、しかもそれを苦手をしている場合には、誰か身近な人に指導してもらえる機会はないか考えてみる必要アリです。
慣れてしまえば文章を書くのはそれほど難しいことではありません。
いくつかのルールを気をつければ良いのです。
さて、知識分野。
古典や文法に関しては独立した単元なので、割愛させていただきます。
漢字は大切です。
私の勉強法は「読み、書き、計算」を徹底して鍛えることがベースになっていますが、漢字力がない子供は往々にして英単語力がありません。そして英語の成績も良くありません・・。

漢字問題の正答率を確認したら、次に英語の成績の確認へと移ります。
どのように見ていけばいいのでしょうか?

明日続きをお話させていただきますね。





模試結果分析(国語編) [模試結果分析]

10月13日

こんにちは。
模試結果分析(国語編)とはなっているのですが、模試結果分析は科目の関連性を見るので、国語のお話には留まりません。他の科目のときもそれは同じなのですが、その点はご了承ください。
さて、国語。
まず最初に読解力を見ましょう。
以前、お話させていただいたように読解力は基礎能力のようなものです。
運動における運動神経です。
読解力を見て、その子の勉強に対してのセンスを見るわけです。
(※読解力は高めることが出来ます→国語の章を参照)
しかし、模試では何やらとてつもなく難しい文章が出題されることがあり、そうした場合は平均点が下がります。
カテゴリー毎の偏差値まで出ている模試であればいいのですが、なかなかそこまでは望めないので、ここでは平均点に対しての正答率をチェックします。
平均点に対して読解力の方が上回っているかどうかです。
読解力が上回っていれば、全科目での総合偏差値が50を超えているかの確認を行ってください。
ここで4つのパターンが考えられます。

読解力が平均を上回っているし、偏差値50以上→OK
読解力が平均を上回っているが、偏差値50以下→NG
読解力が平均を下回っているが、偏差値50以上→NG
読解力が平均を下回っているし、偏差値50以下→OK

ここでOKとした子供は少し話をおいておきます。
問題はNGの生徒です。
読解力を運動神経と置き換えれば、それに見合った点数が取れていない(あるいは取れすぎている)ということは、これまでの学習の経過に何らかの歪みがあったという仮説を立てることが出来ます。
まずは読解力ばかりが高い子供(ケース①)。
この子供はあまり勉強をしていないかもしれません。潜在力はまだまだあるというように考えることが出来ます。
単純に勉強時間が足りていないケースが圧倒的に多いです。
逆に読解力に対して全体の成績が非常にいい子供(ケース②)。
こうした子供はコツコツと真面目に勉強をしている場合が多いです。
こうした子供はあまり勉強面の成果に対して叱ったりはしない方がいいかもしれません。成績が悪いことを一番気にしているのは本人だったりするからです。読解力をつけるだけで全体の成績がさらなる大幅アップすることを期待出来ますが、読解力は短期では身につかないという問題があります。
ケース①の場合は、短期間であっという間に成績が上がるかもしれません。
その際、問題になるのは、その他の基礎能力の修練度です。
「読み、書き、計算」の「書き、計算」ですね。
ここでチェックするのが、漢字の正答率と数学の計算問題の正答率です。
両方とも高い数字を示していれば、あとは勉強するだけで、その子供の成績は短期間で急上昇します。
この生徒の一番の問題は「目標管理」や「モチベーション管理」であるといえるので、教え方よりも「やる気」の引き出し方が上手な講師に任せたりします(塾の場合)。
ご家庭の場合であれば、「モチベーション管理」のあり方について私の過去のブログから調べてみてください。
さて、「読解力」はあるが、漢字や計算問題の正答率がボロボロな場合・・。
こうした子供は集中力がなかったり、物事をコツコツと丁寧に行うことが苦手だったりします。
簡単な問題をバカにして、難しい問題ばっかり解く癖があるかもしれません。
勉強時間の割に解いている問題数が少なかったり、ノートが乱雑で汚ない傾向があります。
こうした子供の場合は要注意です。
反復練習の大切さを教えなければなりません。
部活動で言えば、走りこみや筋トレをサボる子供です。その割に試合で活躍するという・・。
こうした子供に足りないのは勉強の習慣化です。
一日のうち1時間くらいを漢字、英単語、計算問題を解くための時間に当てて、それを毎日行わなければなりません。才能のある選手が基礎を固めれば最強になりますが、勉強も同じです。
こうした子はそういう地味な勉強をバカにする傾向があるので、そこさえ直せばかなり成績は良くなる場合が多いです。
しかしながら、最大の問題は、こういう傾向は本人の性格に根ざしている場合が多いので、簡単に変えるのが難しいということです。本人が痛い目を見るとよくわかるのですが・・。
イチローのように才能があって、基礎を大切にする人間はなかなかいないのが現実です。

中途半端になりますが、まだまだ続いてしまうので、今日はここまでとさせていただきます。
明日は読解力よりも成績が良くなってしまう生徒についてのお話から進めさせていただきます。



模試結果分析(総合編) [模試結果分析]

10月9日

こんにちは。
ほとんどの塾では学力テストなるものを行っているはずです。
模試結果が返却されると、順位やら偏差値やらよくわからない数字が並んだデータが返ってきます。
この模試結果表は塾としてはものすごく重宝するのですが、保護者の方々にはあまり人気がないようです。
その理由はやはり見方がよくわからないからだと思うんですね。
これを丁寧に説明させていただくと、とても喜ばれます。

模試結果には見方があるのです。
ただ眺めているだけでは効果は見込めません。
しっかりとその数字を見れば、その生徒に何が足りないのかがすぐに分かります。
慣れてくればデータだけで、その子供のおおよその性格や生活習慣まで予想出来てしまうほどです。
しかし、塾長や教室長と呼ばれる方々ですら、その本当の分析の仕方を知らなかったりします。
「えぇと・・方程式の文章題が弱いから、そこを鍛えなくちゃいけないな」とか
「○○高校に合格するためにあと4偏差値を上げよう」とか
要するに、見れば分かるというレベルの分析しか出来ない方が数多くいます。
これでは素人と変わりません。
実は、正しい分析方法を学べば、かなり正確にわが子の現状を把握できます。
先にあげたような意見しか言えない塾長のいる塾に行く必要はないわけです。

模試結果が返却されるとまず何に目を通すべきかと言えば、偏差値です。
学校のテストで得点という感覚に慣れているので、まず得点を見てしまいますが、偏差値から見る癖をつけて一日も早く偏差値という数字に慣れてください。
なぜ偏差値が重要なのかと言うと、相対的な評価だからです。
日本の入試において絶対的な基準で合否を決めている学校は基本的にはありません。
学校には定員があるからです。
要するに「よーいドン!」でマラソンを走って、1時間以内は全員合格とはならないのです。
そうすると、全員が1時間以内なら全員合格になりますから・・。
先に来た100人までのように、基準を学校規模に応じて、設けておられるわけですね。
そうした意味では得点は無意味とも言えます。
たとえ99点でも他の全員が満点なら不合格だからです。

まず偏差値で次に得点です。
得点は何の感情も挟まずに確認し、次に何を見るのかと言えば、得点と偏差値の相関表です。
今回のテストはこれだけの点数を取れば偏差値はこれだけでしたという表で、多くの場合、各科目毎の偏差値が書いてある横くらいに表があると思います。
この表が大切なんですね。

自分の目標偏差値がどれだけなのか?をまず設定してください。
偏差値を大きくわけると、「70→最高レベル、60→得意レベル、50→標準レベル、40→苦手レベル、30→何も分かっていないレベル(一般的な模試の場合)」です。その科目でどうなりたいのか?が明確でなければ目標は立てられません。具体的な志望校があるのであれば、その偏差値が目標です。
例えば、数学は得意になりたいから、偏差値60、他の科目は標準レベルを超えるために偏差値50・・といったように具体的な目標を設定するのです。
その目標に基づいて、先の相関表を確認します。
今回の数学の得点が55点で、偏差値60の下に75点という数字があったとすれば、偏差値を60にするためにはあと20点必要だったということになります。
(現物を見ながらでないとご理解いただきにくいかもしれません、すいません。お手元に模試結果があれば、ぜひ参照してみていただければと思いますが・・)

あと20点という差分の数字を出してから、下の単元毎の正答率に着目します。
あと20点取るためには何が出来たのか?をそれを見ながら考えていくわけです。

今日は、模試結果分析についてお話させていただきました。

もちろんここまでは、基本の基本の基本です。
これを大前提にして次回から各科目毎の模試分析の仕方を紹介させていただきます。
このノウハウを覚えれば、それだけで塾長になりすまして学習相談が出来るようになります。
しかも簡単です。そして楽しい。

それではまた来週。どうぞお楽しみに。




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