模試結果分析(英語編) [模試結果分析]

10月16日

こんにちは。
今日も模試結果分析です。

昨日、ブログにて、英文法の正答率を英語力として考えましょうというお話をさせていただきました。
(大学受験生やTOEICは当てはまりません)
では、英語長文の正答率が文法に対して高い場合はどういった理由が考えられるのでしょうか?
大きく分けると3つあります。
結論から言えば、①長文問題への慣れ②(国語的な)読解力がある③英単語力がある
だいたいはこの理由のどれかかあるいはその複合パターンに落ち着きます。
逆に文法の成績に対して長文の成績が悪い場合はこれらの原因がまず疑われます。

まず、①の場合。
これはまず慣れてもらうしか仕方ありません。
中学生の場合であれば、長文が20題くらい集められたテキストを一回解けば慣れるでしょう。
こうした勉強ばかりしてきたのかもしれませんし、こうした勉強が足りないのかもしれません。
いずれにしても文法の正答率とのバランスが悪い場合は、勉強の仕方がいずれかに偏っている可能性があるので、チェックします。特に注意したいのは、こうしたテキストばかりして、長文だけ得意になっている生徒です。
長文問題は独特の勘みたいなものが養われてしまえば、驚くほど高得点が取れるものです。
テクニックに偏っており、本当の英語力がついていない可能性がありますので、注意して確認します。
次に、②の場合です。
英語というよりも国語力に原因がありますので、根本的な問題です。
国語の模試結果の読解力の欄の正答率が高ければ、この理由は消せますので、慣れか単語の問題かな?というように推測していきます。
解決策は読解力を高めるために活字を読む習慣をつけるしかありません。
最後に③の理由です。
単語力が理由になるのはおかしいんじゃないの?
と今までの内容をじっくりと読み込まれてきた方にはつっこみを受けるかもしれません。
このつっこみを入れられた方は本当にすごいです。
昨日と今日のブログの内容を100%理解しています。
素晴らしい読解力と理解力です。
意味が分からないという方も気にしないでください。
余談はさておき・・
単語力がなければ、長文が読めないということはご理解いただけると思います。
分からない単語ばかりだと内容が分かりませんからね。
30%くらいの単語が分からなくても推測しながら読むことは出来ます。
このあたりは慣れと読解力の問題でしょうね。
高校生レベル以上の長文問題なら、論理的思考能力があれば、単語力を補えます。
さてさて・・
今までの私のお話をもとにすれば、こういう仮説が成り立ちます。

(仮説1)
英文法の正答率が高いので、単語力も高い(昨日のブログの内容です)
→ゆえに長文問題で単語が苦手という理由になることはない
(仮説2)
英文法の正答率が低いので、単語力も低い
→ゆえに長文問題で単語が得意という理由になることはない

こうした観点から見れば、単語力が理由になるのはおかしいんです。
論理的に矛盾しますから。
けれども、単語が理由で、実力通りに長文が読めない(あるいは読める)という理由は確実に存在します。
そして実際にこうした生徒も存在します。
確実に言えることがあります。
この理由で長文力と文法力が乖離している生徒は「勉強の仕方」に問題があります。
今までの勉強の何がおかしかったんでしょう?
単語力が異常に高いという理由で長文の成績だけ目立っていい場合は、
文法の問題演習と構文の暗記学習のどちらかが足りていません。
簡単なテキストを買って与えるか、構文暗記を勉強の習慣に取り入れる必要があります。
これだけで劇的に英語の成績が向上すると思います。
逆に単語力が原因で、文法はいいにも関わらず、長文は読めていない生徒の場合。
この場合は、なぜ単語力がないのに文法問題は取れるのか?というように考えます。
先の例とは逆で、文法の問題演習ばかりをしているのかもしれません。
(構文暗記が得意とは思えないので、構文をやたら覚えているという理由は可能性薄です)
こうした子供は基礎が抜けています。
まずは徹底して、「書き」の訓練が必要です。
文法問題を解くためのテクニックだけが身についてしまっている状態で、自分は英語が出来るというように、錯覚してしまう非常に危険な状態と言えます。
何度も言うように、基礎英語の学習は地味なんです。
テクニックで何とかなるようなものではなくて、量稽古は欠かせません。
器用な子供だと、巧妙にその練習不足を隠すので表面化しにくいのですが、そうした実態をこうした観点から暴いていくのが、模試結果分析の一番の狙いなんです。
少しややこしい話になってきましたので、今のお話をもう一度整理しますね。
実際の私と生徒とのやり取りと私の頭の中をシュミレーションします。
(下に進んでいきます)

※模試結果を見て
「英文法の成績はいいな・・」
「それにしては英語長文の正答率が低いな。これはどういうことだろう?」
「国語の読解力はあるみたいだな」
「漢字の書き取りと英単語の正答率はどうだろう?」
「悪い・・これが原因だろうな」
「単語が分からないから、長文が読めなかったのは分かるけど、なぜ文法の成績はいいんだろう?」
※これまではすべて頭の中。そして子供に以下のような質問をします。
「もしかして今まで英語の勉強って問題集ばかり解いてた?」
「誰かに英語教えてもらってる?」
「小学校のとき漢字って得意だった?」
※この質問の結果から以下のような仮説や戦術を考えます。
「地道にコツコツと頑張るのは苦手そうだな。」
「達成意欲はありそうだ。」
「よし。次回の漢字検定にチャレンジさせよう。」

注意しているのは、単刀直入に聞かないことです。
例えば、
「毎日、英単語の練習ってしてないよね?」
「あまり英語の勉強ってしてないでしょ?」
などの質問です。
このように聞いてしまうと、子供によっては否定します。
そうすると本質には近づけません。

企業の面接でもそうですが、人を見るのは難しいです。
でも、これまでに積み上がった事実(模試結果)を分析した仮説をもとにして、本人と面談すれば、かなりの精度でその子供の本質を見抜くことが出来ます。自分の予想と本人の話している内容にギャップがあれば、どこでその歪みが生じているのかを考えます。
そしてその歪みこそ、その子供の成績が上がらない本当の理由である場合が多いです。
この模試結果分析でお話している内容がすべて正しいわけではありません。
そもそも、世の中のすべての子供がこんな簡単に分類出来ると考えるほうがおかしいです。
なかには全く当てはまらない生徒もいるでしょう。
しかし、ほとんどの子供に当てはまる傾向を知ることで、自分の頭の中に判断基準を持てます。
思い込みで相手を判断してはいけませんが、問題点を推測するための手がかりは必要です。
それが大切なことなのです。
子供を24時間監視しているわけではないので、仮説も立てずに問題点を見つけるのはほぼ不可能です。
模試結果分析とは、そこに現れる小さな事実から仮説を立てて、問題の本質の糸をたぐりよせる作業なのです。

ちょっと結論めいたことを書いてしまいましたが、模試結果分析はまだ続きます。
次回は数学です。
お楽しみに。


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。