理想と現実 [雑談]



一流大学に行けと言ったり、行くな(とまでは書いてないですが)と言ったり・・。
一体どうなっているのか!?と思われても困るので、前回までの内容を少し整理しておきます。
鋭い読者の方は気付かれていると思いますが、ブログ記事に少し矛盾があります。
僕の頭の中では矛盾していないつもりですが、そういう風に読めないこともありません。

こういう構成でブログを書いてきたのには理由があります。
一流大学に行ったほうが、人生の様々な局面で有利になることには変わりありません。
これは動かしようのない事実です。
しかし、その本質が正しく伝わっていないことに、僕は危機感を感じました。
社会は子供達にとって必ずしも親切ではありません。
皆、自分の利益を得るために必死だからです。
大学、専門学校、マスコミ、広告代理店・・
少子化を受けて、これから先は生き残りを賭けた戦いがより一層激化していくことでしょう。
大人の都合によるバイアス(歪み)のかかった情報を真に受けてはいけません。
そんな気持ちから、まずは現実のありのままを徹底的に伝えてきました。
もし、就職活動をしている大学生がこのブログを読んでいるのなら同じことです。
説明会では、いい事をいう会社が多いかもしれませんが、だまされないように気をつけてください。
学生にとって危険な会社とはこんな会社です。

(↓ダメな会社の募集要項例)
この仕事の魅力が「人」との出会いです。
仕事で出会うお客様は年齢も職業も多種多様、貴方はこの出会いの中から信頼される喜びや新たな自分の可能性を学ぶことが出来ます。そして、そうした貴方の成長を私達は高く評価します。
当社のポリシーは、能力・実力主義。仕事の実績は、学歴や年齢に関係なく正当に評価され、給与やボーナス、昇給や昇進として評価されます。やればやっただけ必ず評価される仕事、そこには夢とやりがいが無限に詰っているのです。

抽象的で何も言っていないことを読み取ってください。
本当に自信がある会社なら、具体的なPRを持っているものです。
ポリシーが、能力・実力主義ではどうしようもありません。
年齢を重ねても、若者と同じ基準で評価されるのでしょうか?
それならば、ずいぶんとしんどい仕事です。
少し話がそれましたが、学校選びも同じことです。
この会社の募集要項にあるように、何もない会社が人を集めるために使う言葉の代表格が「夢」や「自己実現」や「やりがい」です。
色眼鏡を外して冷静に社会を見渡すと、ここ何十年、日本の教育はほとんど変わっていないことに気付きます。つまり、学歴社会です。
この傾向はまだまだ変わらないでしょう。
これからますます日本は高齢化が進み、保守的になります。
老人は変化を恐れるものだからです。
大手銀行は利益が出ているにも関わらず法人税を払っていませんし、JALが経営難だと言えば、日本政府が助けます。天下りは何年も前から同じようなニュースばかりです。
既得権益を容易に離そうとしない老人達によってこの国は運営されています。
老人達の安全は守られますが、弱者は守られません。
地方の中小企業は大変です。
倒産が相次ぎ、失業者が街には溢れています。
新卒者の企業内定率は62.5%と過去最低並みの記録です。
こんな実態があるのに、嘘は言えません。
人の人生に関わる仕事をしている以上、現実は正直に伝えるべきだと考えています。
結果的には、「一流大学に行きなさい」こういう結論になります。
これは、現実的な意見ですし、夢を語る理想論は現実の冷めた意見には勝てません。

オバマ大統領は「核のない世界」という歴史的なスピーチを今年行ないました。
理想論だとは思いますが、理想論がなければ歴史は変わりません。
でも、理想論には人を動かす力があります。
その力はときとして、不可能を可能にします。
そんな出来事は歴史上、枚挙に暇がありません。
まさに思考が現実化する瞬間です。

個人的には、高校生全員が夢を持ち、自分自身の信念に従って大学選びをして欲しいと思います。理想や信念がある人にとって、その後の人生における困難など、全く問題ではありません。
全員がブランドに左右されない学校や会社選びを出来るといいと思います。
でも、その難しさを知っているからこそ、軽々しくそれを勧めることも出来ません。

教育を語るものとして冷静な自分と、それを否定する自分が同居しているのです。
子供達には不健全な苦労をして欲しくないですしね。
難しいものです・・。

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