塾業界の実態 [塾の選び方]



こんにちは。
今日は塾の選び方講座です。
人材面から、今の業界の問題点を指摘したいと思います。
塾長と言うと、何やら偉そうな響きがあります。
なるのが難しいというような印象があるみたいですね。
真実を言えば、簡単になれます。
多くの塾では講師には学力試験が課されますが、塾長には学力試験は課されません。
疑うのであれば、多くの塾会社の社員募集要項を調べてください。
適性検査はあっても学力試験まで行なう塾はほとんどありませんから。
保護者の方は学校の先生より、塾の先生の方が偉いと思っている方もいるみたいです。
全然、そんなことはありません。
なる難しさで言えば、学校の先生の方が圧倒的に難しいです。
国公立大学と地方の私立大学くらいの難易度の差があります。

そして、塾講師は多くの場合、アルバイトの大学生です。
それが漏れると良くないので、それを隠している塾もあります。
専門の社員に習いたいのであれば、月謝は高くなるか、人数は多くなります。
塾は学校と違って、税金を使えないので、全員社員というのははっきり言って不可能です。
安価な個別や少人数制で、講師は全員社員ですと言われたら、むしろその塾を疑ってください。
いい講師は必ずしもお金のために働きませんが、あまりにもお金をかけなければいい人材を確保出来るはずがないのです。平均年収よりも圧倒的に少ない労働賃金で、優秀な人材を囲い込めるはずがありません。
優秀な人なら、それなりの年収をとる仕事に就くからです。
それよりは優秀で潜在能力の高い大学生の方がいいに決まっています。
講師がアルバイトだから悪いということはありません。
悪いとすれば、それは社員による育て方の問題なのです。
高い授業料を取る塾は別ですが、安い塾は全員アルバイトと割り切るべきです。
では、講師のお給料はどうなのでしょうか?
これは、涙が出るほど安いです。
お金のために働くのであれば、あんなに割りに合わないアルバイトはありません。
たしかに時給にすれば、1000円以上はありますが、準備にその倍は時間がかかります。
それな経営をしているのですから、講師として社員を雇えるはずがありません。
だいたい子供は夜しか来ないのですから、利益を生み出す時間だって最初から限られています。
塾長のお給料はですね・・。
これは塾によりますが、特に高いということはないですが、低くもないです。
年齢のちょうど平均くらいです。

業界で働く社員についてのお話を続けます。

教育業界というのは実は大変なんです。
塾の先生が学校の先生よりも尊敬されることが多いのは、とても苦労しているからです。
楽しそうな仕事のイメージに魅かれて、たくさんの人が業界にやってきますが、ほとんど持ちません。
離職率も非常に高く、優秀な人材の確保が難しくなっています。
さらに悪いことに、少子化が人材離れに拍車をかけています。
今後30年で子供の数は倍になると言われればやる気になりますが、子供が減っているのは事実です。
見通しが何となく暗いことが業界から元気を奪っています。

さて、ここからが重要なポイントです。
仮に、あなたが大学生で、子供の教育に関して、並々ならぬ情熱を持っているとしてください。
同じように指導するという立場ながら、わざわざ不安定な塾業界を選ぶ理由は何でしょう?
子供を教えたいだけなら、生活基盤は安定している方がいいに決まっています。
普通は学校の先生という選択肢を選ぶはずです。
子供が多い時代なら、塾講師になって一貫千金を狙うということも出来たでしょう。
でも、今はそんな時代でもないのです。
結果的に、教育を志す優秀な人材のほとんどは教員になります。
教育を志す優秀な若者は塾業界には来ません。
塾業界は就職浪人をして行くところがなくなった人とか、第一志望の内定をもらえなかった人とか、社会人になったものの会社に適合出来ずに転職した人とかの墓場のようになっています。
新卒にしても、残念ながら深く考えて内定にいたる社員はほとんどいません。
ためしに日本の一流企業の内定を与えてみれば、9割はそちらに行くでしょう。
これが実態。

ここまでが負の側面。
こんな実態なら塾なんて行かせるべきではない!そう思われる方もおられるかもしれません。
でも、そうとは言えないのが塾業界の面白いところなんです。
どういうことかと言えば、人は成長するんです。
たしかに入り口の時点では、塾業界にはいい人材は集まらないかもしれません。
しかし、将来が保障されない過酷な環境と、子供達の期待が社員や講師をありえないくらいに成長させます。
逆境をバネにして成長した面白い人材が塾業界にはたくさんいます。

次回はそうしたいい側面を取り上げていきます。



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