大学合格実績の分析法 [学校の選び方]



大学はブランド名で選ぶべきだと主張してきました。
しかし、高校や中学は違います。
一流も二流も関係ありません。
端的に言ってしまえば、その子供に最も適した学校に行くべきです。
これだけでは身も蓋もありません。
考え方のヒントをお話していきます。
まずは高校卒業後にどうしたいのか?が大切です。
大学に行くのであれば、いい大学に行けるかどうかを目安にします。
ここが肝心なのですが、難しい高校に入学すれば、そうした大学に入学しやすくなるというわけではありません。合格実績は、それを証明しているように見えますが、中学卒業時点で学力の高い生徒を集めれば、進学実績が良くなるのは当然の話です。
とは言え、大学合格実績は外から高校の学習指導力を測る唯一の手段です。
色々と問題はあるにせよ、やはりこれを見てからでないと始まりません。
今日は大学合格実績から優秀校を判断する方法です。

まずは、地域の高校の進学実績一覧表を入手しなければなりません。
これは塾や学校の先生に頼めば用意してもらえるはずです。
都道府県によっては教育委員会のHPなどで公開しています。
学校のHPやパンフから集めることも出来るはずです。
さて、何とかしていくつかの高校の大学合格実績を集めました。
合格実績を見てもピンと来ないと思います。
まず先に気をつけて欲しいのは浪人生の存在です。浪人生が混ざっていると、そのデータの信頼度は極端に低くなるので、なるべく現役生のみのデータを集めるようにしてください。
現役生のデータが分かれば、分析開始です。
ここでは高校の大学進学実績をS,A,B、Cに分けてみます。
まずは東大、京大の合格者数を調べます。
毎年3人以上合格者が出ていれば、大学進学に取り組んでいる高校(あるいはそうしたコースを併設している高校)と考えて間違いありません。
日本の大学の中でも東大、京大の入試の難しさはトップクラスです。
国立大学は私立大学のように何校も併願することが出来ません。
そんな中、それらの大学を受験校に選び、合格した子供がいるという事実は見逃せません。
3人の合格は少ないような気がしますが、東大、京大の倍率は平均3.5倍くらいです。
3人の合格者の背後には10人(3×3.5)くらいそれに近いレベルの生徒がいたのではないか?
僕ならこう推測します。
進学クラスの生徒が60人程度の学校であれば、この数字は優秀です。
なぜなら、6人に1人がかなりの学力水準に達しているということだからです。
これは優秀です。Sグループです。
コース区分がなく、200人以上在籍の高校で合格者3名程度なら、Aグループです。
東大、京大合格者が全体で10名を超えるようであればSグループです。地域の名門校のはずです。
次に見るのは、国公立大学の入学者数です。
国公立大学は原則的に5教科の学習が必要です。
指定校推薦入試やAO入試といった学力不要の入学試験もほとんどありません。
生徒の学力を測る要素としては最適です。全体の割合として、生徒数の4分の一以上が国公立大学に進学している高校であればSグループでしょう。それなりの人数が合格しているようであれば、Aグループとします。
国公立大学合格者が数人となると、判断が難しくなります。
数人でも合格が出ていればBランク、ほぼ0人であればCグループとしておきます。
次に私立大学です。
これは指定校推薦や内部進学があるので、あまり当てになりません。特に私立高校の場合は、特定の大学の推薦枠を大量に確保していたりするので、外からはよく分かりません。同じ生徒が何校も併願している場合もあります。
私立大学の合格実績だけでは、Sグループ、Aグループには入れられません。
早稲田、慶應、上智、東京理科、青山学院、法政、立教、学習院、中央、明治、同志社、関西学院、関西、立命館、西南学院・・この辺りのレベルの大学に10%以上合格でBグループとします。
それに届かない高校をCグループとしておきましょう。
さて、このようにいくつかのグループに高校を分けました。
整理してみます。

【大学合格実績による高校のグループ分け】
S:東大、京大合格者が20~30人に一人程度、国公立大学合格者が25%以上
A:東大、京大合格者が150人に一人程度、国公立大学に一定数
B:国公立大学に数人、有名私立大学に10%以上
C:国公立大学、有名私立大学への合格者が数人

このグループは、高校の質ではありません。入学難易度でもありません。
大学進学実績という観点から、実績の高い順に並べただけです。
進学を前提としていない高校はランクとは関係ありません。
自分の子供の進路は大学を予定している(あるいは未定)とします。
さて、この中からどのグループの高校を選ぶべきか?
単純にSグループの高校に行けば、大学受験で有利になるわけではないというのが、高校選びの難しさです。
Sグループだから、入学試験が難しいとも限りません。

よくよく調べると、平均より少し難しいくらいの入試難易度で、進学実績はSグループの高校というのも実際に存在します。逆に、入試難易度は高くて、Bグループの高校というのも存在します。
そうした点も踏まえて、高校選びをしていきます。
(次回に続く)

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