辞書に慣れましょう [国語]

6月26日

イメージが出来ないから本の内容が面白くないというお話がありました。
多くの場合、本の内容が難しすぎるがゆえに、イメージにつながらないと言いました。

では、本の内容が難しいってどういうことなのでしょうか?
代表的な理由は、語彙量の不足です。
今日はそのお話をしたいと思います。

(剣に生きる者は、ついに剣に死ぬ)
歳三はふと、そう思った。
軒端を出たときには、月は落ちていた。歳三は真っ暗な七条通りを、ひとり歩き始めた。
星が出ている。

6月23日のブログで紹介した「燃えよ剣」の一説です。
ここで「軒端」という単語が出てきますが、これが分からないと現場をイメージ出来ないわけです。
読書嫌いな子供ならこれだけで嫌になります。
しかも、書けない漢字を調べるのは比較的楽なのですが、読めない漢字を調べるのは難しいのです。
漢字辞典の使い方を知っていないと調べられないからです。
電子辞書なら簡単に調べられるのですが、僕は中学卒業までは辞典を使ったほうがいいと思います。
辞典の使い方を覚えておいた方がいざというときには役立つからです。
この意味を調べる癖をなるべく早めにつけておくことが大切です。
辞書を使うためにはご家庭での習慣付けが必要になります。
ご家庭で、こういう場面はありませんか?
「○○の意味って何?お母さん。」
ここで、言葉の意味を教えてはいけません。
このように答えましょう。
「お母さんも分からないから国語辞典で調べてみて」
そして30分後。
このように聞くのです。
「○○ってどういう意味だった?」
これで答えられたらOK。
調べた言葉には横に線を引くなど目印をつけさせてください。
ここで答えられなければ調べていません。
その場合は叱るのではなく、辞典を取り出して母親が調べましょう。
そして見つけた言葉を一緒に確認して、線を子供に引かせてください。
どんな場合でも子供に無理やり何かをさせるのはNGです。
勉強の動機付けはしつけではありません。
指摘するのではなく、気付かせるのです。
これが優秀な親の姿です。
こういう親の下では子供は喜んで勉強をします。

言葉の意味を調べるのも辞書を使い慣れることで、次第に早くなってきます。
語彙量が増えていくことで、少しずつ調べなくてはいけない場面も減ってきます。
心理的な負担が減れば減るほど、読書に対しての苦手意識が払拭されていきます。
漫画を読むように読書を楽しめる日はこのようにしてやってくるのです。
実は、語彙量不足の問題は読書量で補うことが出来ます。
本を読む経験を積めば積むほど、想像力が豊かになってくるのですね。
例えば、先程の「軒端」の意味が分からなくても、大人は別に困りません。
それまでの文章の内容から推測して読むことが出来るからです。
しかし、基本的な語彙力がなければ、読める本の数は限られてしまいます。
読める本が少ないと言うことは、読書量を増やせません。
すなわち、読書をする上で基本的な語彙力は必須ということです。
そして、小中学生の段階では読書の習慣のない子供に基本的な語彙力は備わっていません。

基本的な語彙を増やすためには、早い段階から辞書を引く習慣を身につけることです。
中学卒業くらいまでは、分からない言葉はすべて辞書を引くようにさせてください。
学校で薦められるような本の方が、基本的な語彙を身につけるにはいいです。新聞や専門誌は日常生活では使わないような難しい用語が使われる場合も多いからです。
それでもあえて、僕が雑誌やスポーツ記事などをお勧めするのは、子供の興味があることの方が活字を読む習慣が持続しやすいと考えるからです。
どちらを選んだ方がいいのかは子供によって変わりますので、一概には言えないのです。
一番良くないのは活字を全く読まないことだと思ってください。
活字を読まないとどうなってしまうのか?

その恐るべき結末を、明日のブログではお話しようと思います。


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