勉強で最も重要な3つの力 [国語]

6月27日

社会で最も重宝されるのは「論理的思考能力」と「コミュニケーション能力」を兼ね備えた人材である・・というお話をしました。
たしかに、人間の仕事の能力を測ることも決め付けることも出来ません。
職種によって求められる能力も違うでしょう。
しかし世の中の大半の仕事では、この二つの能力が身についているのといないのとでは、仕事の成果や年収に大きな差が生まれてしまうとも思います。
なぜなら、仕事の基礎能力と言っていいからです。これを土台にするから、「英語力」、「PCスキル」、「法律知識」・・などのその他のスキルが活きてくるのです。
「論理的思考能力」と「コミュニケーション能力」をA。
その他のスキルをBとするなら、Aは掛け算、Bは足し算の関係なのです。

分かりやすく説明すると・・
論理的思考能力、コミュニケーション能力もあって、英語も話せる社会人は、
① A×{B(英語力)+B(入社後に学んだスキル)}=その人の仕事の能力
と言えます。
論理的思考能力、コミュニケーション能力しかない社会人は、
② A×B(入社後に学んだスキル)=その人の仕事の能力
と言えます。
それでも、掛け算的に入社後のスキルが活かされるので、活躍できます。
しかし、Aがない人間は悲惨です。
③ 0×(B+B+B+B・・・)=0
身につけたスキルが全く役に立ちません。

説明するまでもありませんが、①や②の人の場合にはAの値が大きければ大きいほどBの能力が活かされますよね?それに比較すると③の人は悲惨です。
実際は論理的思考能力、コミュニケーション能力ともにゼロという人間はいませんから、
③のケースはありえません。限りなく1に近い人がいるくらいです。
これは社会人の場合のお話です。
大学受験までの勉強に限って見た場合にAに相当するような能力はあるのでしょうか?
これが今日のメインテーマです。
実は、あるのです。
昨日までのブログを読んでいただいた方にはどうせ「読解力」でしょ?と言われてしまいそうですが、まさしくその通り。
「読解力」は紛れもなく、このAに相当する能力です。
他にもあります。
それが、「計算力」と「暗記力」です。
スポーツにおける運動神経のように、勉強にもそれを決定付ける重要な要素があるのではないか?あるいは仕事をする人間にも同じような要素があるのではないか?
これは僕の長年の疑問でした。
集中するポイントさえ分かれば、後は超効率的にその能力を身につければよいのです。
そう考えながら、学習塾で指導を続け、それを3つにまで絞ることが出来たのです。
その3つの力が「読解力」、「計算力」、「暗記力」です。
暗記力は先天的なものですが、「読解力」と「計算力」は鍛えることが出来ます。
「読解力」については先日までのブログで、「計算力」についてはマイカテゴリーの「数学」で鍛え方を説明しています。そして、これまでは先天的なものと捉えられていた「暗記力」ですが、「マインドマップ」という新しい学習体系によって暗記力を大幅に向上出来ることが確認されています。後日ブログでもご紹介したいと思いますが、気になる方は「マインドマップ」で検索をしていただければと思います。書店に行けば本も売っています。
つまり、今の日本の教育では、
「読解力」、「計算力」、「暗記力」のある子供=成績のいい子供
という図式が成り立っていると言えます。
今後はどうなるのでしょうか?
「暗記力」については従来ほど重要視されない時代がやってくるかもしれません。
現代は、インターネットで何でも調べることが出来るからです。
しかし、日本の教育界はそれほど変化に機敏ではありません。おそらく今のままの受験制度や教育体系がこれから先もしばらくは続くでしょう。実際、「暗記力」を問わない試験問題を作るのは難しいのです。採点の基準や試験内容などを含めてそう簡単には変われないと思っています。
活字を読まない子供のたどる結末は悲惨です。
「読解力」がないため、まず問題文を正しく理解出来ません。
テキストの「解答と解説」を読んでも理解出来ません。
英語長文読解が出来ません。
特に一番困るのが、「解答と解説」を理解出来ないということです。
試しに大人が中学生用のテキストにチャレンジしてみてください。
公式や解法を忘れてしまって解けないことがあるかもしれません。
しかし、解けなかった問題も「解答と解説」を読めば、「こう解けばいいんだ!」と理解出来る可能性は高いです。勉強からしばらく離れているはずの大人が、それを理解出来て、なぜ現役バリバリの小中学生がそれを理解出来ないのかと言うと、「読解力」の差なんです。
大人は勉強からは離れていても、業務上の書類や新聞や雑誌で普段から活字に慣れ親しんでいる場合が多いです。自然と子供より「読解力」が身についているのですね。だから「解答と解説」を読めば、まるで取り扱い説明書を読むかのように解き方を理解出来るのです。

一番重要なことを述べます。
「読解力」の習得は勉強面での自立の第一歩なのです。
「読解力」さえあれば解けない問題も、自分で「解答と解説」を読んで理解していくことが出来ます。それが出来ない間は誰かに頼るしか方法がありません。
活字を読む習慣がないといつまで経っても、この勉強面での自立が困難になります。
これが、「読解力」がないことの一番の弊害なのです。
「計算力」や「暗記」も確かに重要な資質ですが、こうした意味において「読解力」の重要さは他の二つよりも抜きん出ていると言えます。

繰り返しになりますが、「読解力」の習得は活字を読む習慣からですよ。
好きなことから興味を広げるのが一番確実かと思われます。

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