解答と解説の丸暗記 [数学]

6月8日

こんにちは。
数学の答えを丸暗記ってそんなの意味あるの?
と声が聞こえてきそうなので、そのあたりからお話を進めたいと思います。

意味はあります。
極端な例で言うと、小学生で分数の割り算の意味を理解している子供はどのくらいいるでしょうか?あるいは中学生になってマイナス×マイナスの答えがプラスになる理由は?と聞かれて答えられる生徒はどのくらいいるでしょうか。
おそらくほとんどの生徒に答えることは出来ません。
これも解き方を機械的に暗記しているだけです。
最初はそれでいいんです。
とりあえず答えを出すことが目的ですから。分数の割り算もマイナスの掛け算も、それを使わなければ問題を解くときに都合が悪いから、その解き方を暗記することから始めたのです。そしてそれを使いこなしているうちに、その意味をなんとなく理解するのです。
しかし、何となく・・です。
完全に理解している状態というのは、子供でも納得できるように説明出来るというレベルですが、試しに1-(-1)= の答えが+2になる理由を子供がいると想定して説明してみてください。
おそらく普通の人には難しいのではないでしょうか?
(※一番下に模範回答をのせておきました)
このように、数学においてすべてを理解するのは実は大変難しいことなのです。
それでも解き方は知っているから答えは出すことは出来る。
まず目指すべきは問題が解けることだと知ってください。
文章題や応用問題の解き方でも同じことが言えます。
まずは解答と解説をじっくりと読む・・それでもよく分からないところは、解答と解説をそのまま覚えてしまう。これでいいのです。
ちなみに6月5日の問題は文章題でしたが、

※問題
Aならば6日。Bならば10日で完成する仕事があります。この仕事をAB二人で何日か働いたら、全体の80%の仕事をしました。AB二人は何日働いたでしょう?
「解答と解答」を見て・・
(ここから↓)
求めるもの :(働いた日数X日)
分かっているもの :Aの仕事率1/6  Bの仕事率1/10 出来た仕事量80%
以上のことから、
「AとBの仕事率の和×働いた日数=全体の仕事量の80%」ということが読み取れます。
これで方程式を作ります。
(1/6+1/10)×X=8/10
X=3           よって3日
(↑ここまで)
すべて暗記してしまうのです。
何回か書けば覚えられます。場合によっては覚えるために何回か模写しているうちに、
「あっ!なるほどそういうことか」と理解できることもあります。
これだけの「解答と解説」を丸暗記するのは確かに大変です。
自分で「解答と解説」を読んで理解出来れば覚える必要はありません。
それで理解出来なければ、誰かに説明してもらわなければなりません。
説明を聞いて理解出来れば、暗記の手間が省けます。
しかし、個別に丁寧に説明しても理解できない・・そういうこともあるのです。
その場合はこの丸暗記法が非常に有効です。
また・・、経済的な理由で塾にも行けないし、家庭教師も雇えない、学校の先生には話しかけることが出来ないようだし、勉強の出来る友達も周りにはいない。
親である自分自身もとてもじゃないが、こんな問題の説明は出来ない。
こんな八方塞がりな状況でも、この「解答と解説」丸暗記勉強法なら活路を見出せます。

これからの社会は、教育格差により貧富の差が広がり、二極化すると言われています。
経済的に厳しい家庭の子供はいい教育を受けられないので、経済的に裕福な家庭の子供に勉強で勝てず、結果的に収入の得られる仕事に就けない、そしてその子供は・・。
というように、貧困層がそこから抜け出せない社会構造になるのでは?という指摘です。
僕はそのような社会にはしたくありません。
そのためにも、「解答と解説」丸暗記勉強法のように、子供が一人で学習を進めることの出来る方法論の提供こそが重要だと考えています。
この方法なら親の愛情さえあれば、手助けしてあげることが可能なのですから。

以上、何回かにわたって数学の勉強法を確認してきましたが、ポイントを整理します。
①まずは計算力。簡単な問題でいいのでとにかく量をこなす。
②計算力=スピード。タイムを計って、スピードを意識させる。
③応用問題が理解出来なければ、解答丸暗記。
数学を勉強しないといけない理由は大丈夫ですか?
「論理的思考能力」を磨くためですよ。高校数学で身につくというお話でした。
数学についてはまたいずれお話を続けたいと思いますが、いったんここまでにします。
では。

★1-(-1)の説明方法
子供がイメージ出来るように、たとえ話で説明します。
「ここに、旅人が立っています。
プラスの方向は北、マイナスの方向は南に進むというように仮定して考えると
+1というのは前(北)に一歩進んだ状態
-1というのは後ろ(南)に一歩下がった状態
+というのは北向きを意味し、-は南向きを意味しています
旅人は北に一歩進んだ場所にいます(最初は+1だから)
そこから南の方向へ進むために方向転換をします(-があるので)
方向転換をして、後ろに一歩さがります(-1だから)
旅人はどこにいるでしょうか?」
※実際に歩いて見せてあげると効果的です。

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