要領の悪い子供 [教育全般]


こんにちは。
久しぶりの更新です。
今日は私なりにテストの点数を支える要因について考えてみたいと思います。
一般的に言われる学力でもありませんし、頭の良さや人間力のことでもありません。
国数英理社のテストでどれだけ高い総合点数を取れるか?
ただそれだけに限定したお話です。
結論から言えば、必要な能力は、「読解力」、「暗記力」、「計算力」になります。
これはこのブログでお話してきた通りです。
しかし、それだけでは説明のつかない現象がよく起こります。
つまり、実際のテストの点数は以下の公式で決まります。

「読解力×暗記力×計算力×何らかの要因=テストの点数」

「何らかの要因」にはテスト問題への慣れといった事も含まれるかもしれません。過去問題を何回もやった生徒とそうでない生徒では、点数に開きが出るのは当たり前のお話でしょう。
ここでは話を単純化するために、そうした条件は全て一定と仮定します。
そうしたとき「何らかの要因」は、どのような言葉で説明出来るでしょうか?
表現の曖昧さがあるのは承知の上で、ここではそれを「要領」と定義させていただくことにします。

さて、この「要領の良さ」というのは、便利な言葉で日常生活ではよく耳にします。
大人になってもいますね。
要領の良い人、悪い人。
いい意味だけではなく、否定的な意味合いで使われることも多い言葉です。
「要領がいい」とはそもそもどういうことなのでしょう?
僕はこう考えています。
「手抜きが出来る能力」だと。
だから、あまり良いイメージを持たない人が多いのではないでしょうか?
しかし、要領がいいとは、ただの手抜きではないのです。
本来、求められている成果を出しながら(あるいは出しているように見せながら)、手を抜いているのです。果たしてこれは悪なのでしょうか?
僕は決してそうは思いません。
物事にもよるのでしょうが、テストに限定すれば、要領が良い方がいいに決まっています。
テストでは結果が全てです。
(そのこと自体の是非はこの議題とは異なりますので、触れません)
入試では、一点でも点数の高い生徒がそうでない生徒よりも高く評価されます。
これはとても不公平にも思えますが、視点を変えればとても公平なやり方なのです。
点数によって評価をしないということは、その子供の能力を総合的に判断するということです。
何百人、あるいは何千人もの入学希望者をどうやって総合的に判断するのでしょうか?
テストのような定数化された指標を用いるから、見かけ上の公平性は保たれるのです。
ですので、テストの点数による選別はこれから先もなくならないでしょう。
人気のある学校ほど、多くの学生を公平に評価しなければならないというプレッシャーがあるために、テスト重視の傾向を強めざるを得ないでしょう。
公正な評価がされていないと感じれば、批判が強くなるのがこうした学校だからです。
・・・少し話が脱線しました。
とにかく「要領が良い」のは悪いことではなく、大切なことだということです。
特にテストにおいては。
そして、要領良くやるためには手抜きが出来るということが大切です。
では、結果を変えずに手抜きが出来るようになるには、どうすれば良いのでしょう?

要領の悪い子供というのは、一つ一つの事象をばらばらに捉えています。
例えるなら、頭の中に地図がないんです。
話を分かりやすくするため、問題を出してみます。

例題:次の3点でAからCに最短で到達せよ
(図1)
A        BC

(図2 それぞれの地点を上から見た図)
A        B


          C

上の3点でAからCに行くための最短距離は右下に斜めに進む方法です。
誰にでも分かります。
しかし、図1のイメージしかなく、A→B→Cと習った子供は、A→Cのルートが見えません。
図2のように物事を俯瞰してみれば、誰でもわかることがわかっていないのです。
真っ直ぐに進むことしか習っていない子供の頭の中には図1しかないわけです。
では、どうすれば良いのでしょう?
大切なのは、「本質をつかむこと」と、「俯瞰してみること」です。
この場合、「本質をつかむ」とは、問題の目的を正しく把握せよということです。
問題文に「Bを経由して」と書いてあれば、A→B→Cのルートしかありえません。
この場合、Cに向かうことだけが目的なのですから、何もBを経由する必要はないわけです。
「俯瞰してみる」とは、図2が見えるということです。
しかし、全体を俯瞰して眺めることでA→Cのショートカットルートが見えてきます。

実際のテストに話を戻すと、要領の悪い子供はまずテストの目的を正しく理解していません。
テストの目的とは、高い点数を取ることなんです。
そこが本質です。
特に入試においてはそうです。
言い訳をしたって誰も助けてはくれないのですから当たり前です。
だから、高い点数を取るために何をしなければならないのか?という発想から行動を開始しなければ高い点数なんて取れるはずがないんです。
高い点数を取るために、前日にやるべき事が「ノートまとめ」なはずはないですよね?
そこに至る過程が大事だ!とか何とか言ってると、要領の良い子供にはなれません。
結果が全て。結果主義です。
(繰り返しますが、そのこと自体の是非はここでは論じません)
結果=目的を正しく理解した後は、全体を俯瞰して見ることです。
そこにいたるルートは一つではないはずです。
「木を見て森を見ず」が一番いけません。
近道を発見するためには、あらゆる可能性について考えることです。
柔軟な発想力も求められます。
ただ、残念なことにこの能力は一朝一夕では身につきません。
子供の視野を広げてくれる存在が身近にいないといけないのです。
だから、親は子供に対して常日頃から色々な問いかけをしてあげることが大切なんです。
「中国の問題についてどう思う?」
「鯨を食べることについてはどう思う?」
何でもいいのですが、物事を色々な側面から考えさせてあげることが大切です。

この傾向。
お金が絡むビジネスの世界ではより顕著です。
そこに至る努力の過程よりも結果重視。
要領の悪すぎる人間は現代社会では生き残れません。

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