利き脳と自分に合った学習法 [教育全般]


今日は脳科学についての理論と私自身の実体験をもとに、なるべくわかりやすく「自分に合った勉強法」について解説してみたいと思います。
脳科学の専門家ではありませんので、正確さよりも理解のしやすさを重視した説明をします。

最初に、「ハーマンモデル」と呼ばれる理論を紹介させていただきます。
これは、米ゼネラル・エレクトリック社(GE社)で社員教育責任者であったネッド・ハーマン(Ned Herrmann)が、脳に関する2つの理論から構築した理論です。

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この理論の特徴は、右脳型左脳型という左右二分割だけではなく、それに上下(大脳モード・辺縁系モード)という軸を加え、思考タイプを大きく4つの集団に分割している点です。
この理論の何が優れているのかと言えば、わかりやすさと使いやすさです。
右脳型、左脳型の二分類では、人間の集団を分けるのには少なすぎますし、かといって、集団を10個くらいの思考タイプに分けても使いやすさに欠けます。
血液型診断がなぜこんなに流行したのかと言えば、その使いやすさです。
4つのタイプくらいなら、分類しても覚えられます。
さすが、ビジネスの現場から生まれた理論ですね。
この4つの象限をどのように使っているのか、人それぞれ得意な部分と不得意な部分があるというのが、ハーマンの主張です。
例えば、右利きの人が左手で物を書くことが難しいように、脳も同じ部分ばかりを使えば同じ部分ばかりが発達していきます。
これを「利き脳」と言います。
また、他の部分を使うように意識をすれば、その部分が鍛えられるという特徴もあります。
4つの象限がバランス良く発達していれば優秀というわけではなくて、自分自身の職業や生き方にあった部分が発達しているのが理想的だと言えるでしょう。
説明を始める前に、右脳、左脳について少しだけ触れておきます。
あなたがどちらのタイプか調べてみる方法があります。
下の質問について考えてみてください。

【あなたは右脳型?左脳型?】
①手を組んだとき左の親指が上にくる
②歌を聴いて最初に覚えるのは、歌詞ではなくメロディーやリズムである
③得意教科は理数系科目よりも、芸術系科目である
④教えられるよりも、見て真似るタイプである
⑤いくつもの作業を同時に進められる
⑥人にわかりやすく説明するのは苦手だ
⑦直感がよく働く
⑧弟や妹である

いかがでしょう?
これらの質問のYESが多いほど右脳型です。NOが多ければ左脳型で、どちらにも偏りがない場合は両方型(?)です。
⑧に関しては、私のオリジナル質問ですが、結構当てはまると思います。
なぜなら、弟や妹は上の姿をよく見て真似をしながら成長しますので、右脳をよく使うでしょう。
逆に兄や姉は、下にわかりやすく説明する能力が求められますので、左脳が発達するわけです。
他の質問は比較的定番のものばかりです。
特に①は有名で、6割方これで判別できるようですね。
一般的に言われるのは、「右脳」は喜怒哀楽などの感情や感性、イメージ力、直感などのアナログ型思考。一方「左脳」は言語、計算、論理などのデジタル型の思考をします。
私がブログでよく言うロジカルシンキングは典型的な左脳型能力です。
それに対して、相手の心情を察する想像力やアイデア発想などは右脳型能力と言えるでしょう。
この右脳左脳の概念に、三位一体脳モデルを組み合わせると(何じゃそりゃ)、ハーマンモデルと呼ばれる理論が完成します。
難しい説明は、他のHPなどにお願いするとして(より詳しく知りたい方はGOOGLEで検索してみてください)、ここでは勉強法と関連させながら解説をしていきます。
もう一度図を見てください。

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まずは本人の行動から、どの象限に偏りがあるか判別します。

A象限が強い
事実に基づく、数量化が得意、明晰な分析、要点が明確、論理的、ださい、権力に飢えている
B象限が強い
不備がない、順を追って構成、まとまりがある、話がわかりやすい、自分でものを考えない
C象限が強い
感情的な問題を認識、共感を得られる経験談を良く話す、人助けを好む、すぐ同情する、神経過敏
D象限が強い
全体像を見ている、視覚に訴える、例え話が上手、夢追い人、常識外れ、空想、未熟

いかがでしょう?
何となく自分や自分の子供がどの象限に偏っていそうかイメージできましたか?

そして、それぞれのタイプの特技です。
-A象限:大脳新皮質/左脳 ⇒ 論理的、数量的分析が得意
-B象限:辺縁皮質/左脳 ⇒ 計画的、順序立てた実行が得意
-C象限:辺縁皮質/右脳 ⇒ 感覚的、他人の感情を汲み取ることが得意
-D象限:大脳新皮質/右脳 ⇒ 革新的、新しいものを生み出すことが得意

当たり前の話ですが、色々な人がいます。
得意なことがあれば、不得意なこともあってしかるべきです。
ただ、どこかの象限が飛びぬけて劣っているのは致命的です。
各象限それぞれにおいて、平均的な能力を保ちつつ、どこかに強みがある。
なおかつ自分自身の強みを自覚している。
こうした人間が社会に出たときに活躍します。

各象限の特徴を再度まとめます。
人と遊ぶことや部活動もせず、理数系の勉強ばかりに没頭すれば、Aタイプ。
自分で主体的に考えることをせず、与えられたことをこなすことばかりに集中すればBタイプ。
友達と遊んでばかりで勉強を一切しなければCタイプ。
自分の夢を追いかけるばかりで、計画的に実行することや、人との協調性を保つこと、数字を使って物事を表現するのが苦手であれば、Dタイプです。
学校の勉強や部活動というのは、これら4つの力を平均的に高めてくれる手段です。
平均的というのが、ここでのポイント。
せめて、高校3年生くらいまでは「読み書き計算」をはじめとして、このブログで書いてあるようなことを愚直に守って4つの象限の平均値を高めていくべきです。
数学なんてA象限を鍛える絶好の手段ですよ。
大学卒業まで、普通の生活をしているだけなら、A象限を使う機会なんて勉強以外にありません。
そのまま社会人になってしまえば、どうでしょう?
A象限、つまり数字を使いこなせなければ根拠を明示できないので、ビジネスマンとしては失格の烙印を押されてしまいます。
くどいようですが、それぞれの象限において平均値に達していないのは致命的なんです。
では、どのようにしてそれぞれの能力を高めていくべきか?
それについては、過去のブログに答えがありますので、そちらのカテゴリーを参照してください。

【それぞれの象限を鍛える方法】
A象限:「論理的思考能力」や「数学」
B象限:「勉強の習慣」
C象限:「コミュニケーション」や「部活」
D象限:「目的と目標」

上記カテゴリに限らないのですが、コンテンツが散在しているので、上の部分だけ紹介させていただきました。
それぞれの象限が弱い人が、何をどうやって鍛えていくべきかが書いてあります。
それらの内容が子育てのヒントになれば、幸いです。
まだ読んでいない方は、一読をおススメしますよ。


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