受験直前の頭のリバランス [受験勉強]


最近、niceをたくさんいただきます。
こんな小難しいブログですが、読んでいただいて本当にありがとうございます。

今日の内容は少し難しいです。
でも、受験生は絶対に読んでください。
人によっては、すご~く効果のあることだからです。

実際に赤本に手を出す前にやるべきことはあります。
実戦形式の総合問題です。
言いかえると、「模試や入試問題みたいなもの」です。
どれだけやる必要があるのかは個人差があります。
「なるほど、なるほど・・・」と書店に行くと、あることに気付くと思います。
こうした問題集はあまり売っていないのです。
本当に売っていません。
ほとんどの問題集は単元毎の構成になっています。
そして、テキストの最後の方に少しだけ「総合問題」がある程度です。
その「総合問題」だけを集めたテキストを作って欲しいのですが、大学受験はともかく、中学受験や高校受験の良質の総合問題集となると、さっぱり見当たりません。
余談ですが、そういう問題集にはニーズがあるので、出版社が中学受験や高校受験でいいものを作れば売れると思います。
模試会社が過去に行なった模試を編集すれば、簡単だと思うのですが・・。
なぜこうしたテキストがないのかには理由があります。
単元毎に学習を進めた方が、圧倒的に成果が出るからです。
考えてみれば当たり前の話です。
単元がまとまっていなければ、勉強しにくくて仕方ありません。
それはその通りなのですが、でも、「総合問題」をやった方がいい子供が多数いるのです。

「???」

これだけの説明では、頭の中はこのような状態かと思われます。
順を追って説明させていただきます。

「テストの見直しをしなさい」

学校や塾の先生が口を酸っぱくして言う言葉です。
でも、低学力になるほどやってくれません。
中学生なら、平均くらい成績の生徒でも適当にしてしまいます。
本当は最低でも三回は見直しをやって欲しいのです。
これをきちんとやってもらえるのであれば、入試前の大切な時期に「総合問題」ばかりやる必要はほとんどありません。
いきなり過去問題に入れば良いのです。
勉強が苦手な子供がいるとしましょう。
でも、どういうわけかテストの見直しだけは三回きっちりやっていたとします。
この子供は受験本番では実力以上の学校に合格します。
なぜなのでしょうか?

僕はこの話をするときには、必ずたとえ話をします。
勉強とは頭という白紙の辞書に知識を書き込んでいる行為です。
辞書に知識を書き込む段階では、単元毎の学習をします。
その方が、効率が良いからです。
そして、テスト本番。
頭の中の辞書に書いてある情報を使って、問題を解きます。
テストの見直しをしない生徒は、ここで大変なことが起きます。

「頭の中にある辞書の使い方がわからない」のです。

頭の中にある辞書にその問題を解くための答えはあるのです。
しかし、どの辞書のどのページに答えが書いてあるのかがわかりません。
結局、解答用紙を埋めることは出来ません・・。

こういうことが起こっています。
これは中学生で特別優秀な子供でもなければ、ほとんどの生徒に見られる傾向です。
実際の知識レベルとテストの点数が乖離してしまうのです。
これを修正するだけで、爆発的に点数が伸びる生徒もいます。
定期テストではあまり意味がありません。
学校の実力テストや塾の模擬試験を三回見直ししたか、もう一度聞いてみてください。
きっとそこまではやっていないはずです。
ということは、伸びる余地があるということです。
そのために総合問題を集めたテキストをやるんですね。
もちろん見直し重視の勉強で・・。

単元毎の学習には時間がかかります。
しかし、テストの見直しのような、「頭の中にある情報の使い方」のための勉強にはあまり時間がかかりません。
全体の学習時間の比率で言えば、
単元毎の学習時間95%、情報の使い方(総合問題)5%くらいのものでしょう。
言い換えると、
普段の勉強95%に、テストとテストの見直しに5%です。
テスト等に使う時間は、実際はもっと少ないかもしれません。
しかし、このほんのわずかな習慣を省けば、全体の点数は何十%も下がります。

僕が言いたいのはこういうことです。
正確な数字は分かりませんが、最小の勉強時間で最大の学習効果を出すための、最も適切な
「単元学習:総合学習」の勉強時間割合は存在します。
「テストの見直しを三回しましょう」
よく言われる言葉ですが、それをすると最適の割合になるのかもしれません。
学校や塾の先生の経験則から導き出されたと言われると、納得できそうな話です。
テスト毎にしっかり行なえば、「単元学習:総合学習=9.5:0.5」くらいになりそうな気がします。
特に高校受験生は、この「総合問題」に充てるべき時間が取れていません。
何度も繰返しますが、これはほとんどの生徒に見られる傾向です。
本来あるべき割合に戻すために、赤本に取り組む前に「総合問題」を解くのです。
※適切な割合に戻す作業を「リバランス」と言います。

入試の微調整ですが、これをやると驚くほど効果が出ます。
普段、テストの見直しをしない子供ほど効果が高いです。
ぜひ試してみてください。

※一番いいのは毎回のテストの度にしっかり見直しをすることですが・・。

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