問題解決の事例(続き) [論理的思考能力]


こんにちは。
今回は、また別の角度から「しつけ」について書いてみたいと思います。
最初に前回の復習。

図.jpg

ピンクで示した部分は「しつけ」の問題であるというお話でした。
上の概念図とはまた違ったものを過去に紹介させていただいたのですが、覚えておられますか?
それは以下の図です。

図4.jpg

ここでも「しつけ」のことが書かれています。
しつけを徹底することは、行動面、人格面ともに好影響を与えます。
この図で言うところの「行動面においてだらしない」と、「状況把握力の欠如」を私の場合、ほぼ同じようなものと考えています。
その問題が
生徒の場合は、「遅刻」や「宿題忘れ」という「現象」として、
講師の場合は、「生徒の存在に気付かない」や「ゴミが落ちても拾わない」という「現象」として、
現れるのです。
「宿題忘れ」と「生徒の存在に気付かない」というそれぞれの「現象」は、ほとんどの人にとっては無関係だと認識されていると思いますが、私にとっては根の部分でつながった一つの問題です。
過去に私はこういうことも書きました。
「しつけ」とは「すぐやる」習慣の徹底であると。
もっと具体的に言えば、「すぐやる」とは、
「(なるべく早く)あるべき状態ではないものをあるべき状態に近づける(あるいは戻す)」
という意味です。
思っている、ただ願っている状態ではなく、それが出来た状態にするということ。
やるべきことが出来ていない状態と気持ち悪いと思える習慣が身につくこと。
気持ち悪いと思うための前段階として、自分が今何を出来ていないのかを気付ける力が必要です。
そうした場面は日常のいたるところにあります。
「椅子をひけていない」、「靴をそろえられていない」、「お礼を言えていない」・・などなど
日常のあらゆる場面において、自分が正しい型通りに振舞えるかどうかが、もしそうでないときにはそれにすぐ気付いているかどうか、その両方を満たせていないと「あるべき状態」を維持することは出来ません。
ちょっとまとめます。
しつけがなされているとは、「人としてあるべき状態」に自分を整えることが出来るということです。
もう一度言います。
しつけがなされているとは、「人としてあるべき状態」に自分を整えることが出来るということです。
そのためには、
①何が出来ていないのかを気付けて(状況把握力)
②後回しにせず、それをすぐに行動に移せる(行動力)
ことが大切です。
これを徹底するとどうなるのか?
何度も述べてきたとおり、行動面と人格面ともに人間性が向上します。
なぜ、しつけを徹底することで人格面が鍛えられるのかについて述べておく必要があると思います。
最初に申し上げておきますが、これは絶対そうだと言い切れる論理ではありません。
なぜなら、数字による証明が難しいからです。
あくまでも仮説にすぎません。
しかし、私はこの論理はほぼ間違いがないと考えています。
フローチャートで説明すると、

■しつけを徹底すると、人格が鍛えられる理由

行動面におけるしつけを徹底する(椅子を引かせる、片付けをさせる、靴をそろえるなど)

出来ていないことに気付く力が向上する(行動面が向上する)
すぐに行動出来ていない自分を自覚する
↓  ↑
人から支えられている自分自身に気付く
↓  ↑
自立しようとする意志が働く
↓  ↑
人に迷惑をかける行為を恥ずかしいと思うようになる
人に感謝するようになる
↓  ↑
人間関係を大切にするようになる
↓  ↑
挨拶やお礼などを欠かさないようになる(人格面が向上する)

人格面におけるしつけを徹底する(挨拶をさせる、お礼を忘れずに言わせるなど)

このようになります。
ここでのポイントは矢印は上からも下からも流れるということです。
挨拶やお礼を欠かさないようにすれば、行動面も自然と整ってきます。
これは鶏と卵のお話なので、どちらから先に行っても構わないと思います。
どこかが改善すれば、全体が螺旋階段を上がるように向上していきます。
好循環というやつです。
このように相互に関連したケースの問題解決のやり方は過去に紹介させていただきました。
東北太平洋沖大地震におけるガソリンの問題ですね。

http://kisekinokyoiku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-18

優先順位を決めて、そこを一気に解決する方法です。
真っ先に解決するべき問題を選ぶ際のコツは二つで、
①それが全体に与える影響の度合い
②解決の容易さ
となります。
しつけの場合、子供が靴をそろえているかどうかなどは比較的解決が容易です。
さらにきちんとやっているかどうかの検証も楽です(目に見えますから)。
ですので、こうした部分から問題解決に取り組んでいくわけです。
このサイクルが上手くまわるようになれば、細々とした教室の問題はすぐに解決します。
少なくとも私のいた教室において、授業中の立ち歩きや生徒同士の私語はありませんでした。
小さなことをきっちりさせることで、人格面も向上していったのですね。

さて、ここまでのお話を前提として、いよいよお話の全体像を見ていくことにします。
まずは、こちらの図。

a.jpg

この図の説明はすでにさせていただきました。
そしてこちらの図。

図.jpg

この二つの図はピンク色の部分で共通しています。
この二つの部分を組み合わせた図が以下の図です。

b.jpg

ピンクの部分が共通部分なのはわかりますね。
二つの図を組み合わせたため、真ん中で重なっています。
ただ組合せただけではわかりにくいので、さらに上の層をもう一段付け足しました。
ここでは仮に、「しつけが徹底されていない」と「気付き力が足りない」を組み合わせて、「問題点」とさせていただいています。
この図ではまだ完成しませんね。
なぜなら2層目がMECE(漏れなくダブりなく)になっていないからです。
こういう場合、ダブってしまっている2層目は省略します。
言葉を整理しなおし、概念図を完成させると以下のようになりました。

c.jpg

何度も言いますが、これは概念図です。
これが全てではありませんので、誤解しないでください。
例えば、勉強をすることで鍛えられるのは課題発見能力だけではありません。
行動面で大切なのは、遅刻しないことと整理整頓だけではありません。
すべてを書くことは出来ないので、このようになっているだけです。

それではこれまでの内容をまとめさせていただきますね。
全体像が見えているというのは、上のような図がぱっと頭の中に思い浮かぶ人です。
最初は大変ですが、論理的に物事を考える習慣をつけると出来るようになります。
優秀なビジネスパーソンなら、頭の中で無意識にやっていることです。
それが出来ると、とてもわかりやすく人に物事を説明出来るようになります。
例えば、私が話をこう切り出すとわかりやすいのではないでしょうか?

「私が教育で大切だと考えていることは勉強面だけではありません。」
「大きく分けると、人格面、行動面、勉強面の3つです。」
「最初に人格面ですが・・・云々」

他にも例えば、こんな説明の仕方も出来ますね。

「私が教育で大切だと考えているのは、しつけと勉強の両方です。」
「しつけによって鍛えられる部分を緑色、勉強面を青色で示させていただきました。」
「最初にしつけについてですが・・・云々」

人格・行動・勉強以外にも大切なことはあります。
体力などはここでは触れられていませんが、大切な要素と言えるでしょう。
上の話はあくまでもわかりやすく説明するためだけの例え話です。
それでも上のように説明されると、話がわかりやすいと感じられるはずです。
この全体像が曖昧なまま話を始めるとわけのわからない話になりますのでご注意ください。
状況に応じてこの図を切り離したり、つなげたりしながら話を出来る人が説明の上手い人です。
では、次回はこうした能力をどのように仕事に活かしていくのかをみていきます。

教育というより、ビジネスマン養成講座みたいになってきました・・・。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。