勉強しなさいと言わずに勉強させるために出来ること [モチベーション]


前回の記事で、「勉強しなさい」と言ってはいけないと書きました。
じゃあ、一体どうやって勉強させればいいんですか?
「内発的な動機」とか、そういうのじゃなくて、もっと具体的で即効性のあるやり方を教えてください。という声が聞こえてきそうなので、今日はそれについて書きます。

私が「勉強しなさい」と言ってはいけないとする理由の一つが、それが「外発的動機付け」にあたり、長期的には意味をなさなくなる手段だからというもので、前回の記事に書いたとおりです。
ただし、「外発的動機付け」は絶対に使ってはダメというわけではありません。
ここ一番という場面では成果を出すために使います。
「勉強しなさい」と言ってはいけないもう一つの理由。
それは、子供は親の言う事をきかないという事を知っているからです。
(※言う事を何でも素直に聞くとすれば、それはそれで問題です)
ここで「じゃんけんの法則」というものをご紹介させていただきます。
じゃんけんの必勝法ではなくて、私のオリジナル理論です。
難しい話ではありません。
当たり前ですが、グーはチョキに勝ちますが、パーには負けます。
それぞれを塾長(別に近所のおじさんでも良いです)、子供、母親に置きかえてみましょう。
この3者の関係は、じゃんけんに似ていませんか?
すなわち、
塾長は子供には勝てますが、母親には勝てません。
子供は母親には勝てますが、塾長には勝てません。
母親は塾長には勝てますが、子供には勝てません。
こうした関係を「三竦み」と言いますね。
母親が子供に勝てないという表現には、語弊があるかもしれませんが、要するに「母親の意見は素直に聞きにくい」という事です。
ちなみに、こうした関係は社会のあらゆる場面にあります。
グーはパーには勝てませんので、無理だと思ったら、チョキを使うのが賢いやり方です。
無理矢理やろうと思っても決して上手くいきません。
お互いに疲労するだけです。
つまり、塾の存在意義はこういうところにもあるわけです。
決して勉強を教えるためだけに存在しているわけではありません。
この場合の母親にとって大切なことは、子供が意見を聞きやすい第三者は誰か考えることです。
人間の特性として、身近にいる人の意見は最も聞きにくいものです。
お父さんが仕事に行って、お母さんが家事をするという典型的な家庭なのであれば、私がお勧めしたいのは、お父さんにその役割を任せるように仕向けることです。
子供の前で父親の悪口を言う母親がいますが、自分で自分の首を絞めているということがなぜわからないかな?と歯痒く感じることがよくありました。
お父さんは家庭の中で権威ある存在として位置づけておいた方が母親はラクなのに・・。
母親は子供が甘えられる存在、父親は子供に気付きを与える存在。
ただ、それだけでは母親に精神的なストレスが集中しますので、そのサポートを父親が行う。
母親>父親、父親>子供、子供>母親
中学受験で成功する家庭などは、こういう役割分担になっていることが多いです。
三竦みの関係が成立しているわけですね。
ただ、この関係にも色々問題があって、父親に子供に「気付き」を与えられるだけの「教育リテラシー」があることが前提となります。
父親が教育に関しての勉強を怠っていれば、それは不可能なわけです。
では、どうすればその「教育リテラシー」が身につくのかと言えば、「学習の基本的なやり方」と「正しい信念」を学んでおくことです。
それを学んでいただくための機会の一つがこのブログになります。

大切なことはそれだけではありません。
親に出来ることは、子供に環境を与えてあげることだと私は考えています。
直接的な役割を果たすのではなく、間接的な役割を果たすべきだということです。
そろばん塾に行かせてみる、家族で演劇鑑賞に行く、スイミングを習わせる・・
こうした事は子供に対して愛情のある親であれば、だいたい行っておられます。
しかし、環境を与える上でもっと重要なことがあります。
それは、熱の高い環境を準備してあげるということです。
熱意は伝染します。
もっともわかりやすいのは、受験期で、頑張る子供達は頑張る子供達と一緒に行動します。
その逆もまた然りです。
子供が学習を続けていく上で重要なのがモチベーションですが、モチベーションには波があり、常に一定ではありません。
やる気の高い集団というのは確実に存在します。
その集団の教師的な役割の人に熱意があるのか、リーダーに熱意があるのか、たまたま熱意のある人が集まったのかはわかりませんが、グループによってその熱さは全く異なります。
皆さんには、中学2年生のあのときのクラスは最高だったというようなご経験はありませんか?
その理由は、先生が良かったか、クラスにリーダー的人材がいたか、たまたまいい人ばかりが集まったか、どれかに必ず絞られるはずです。
モチベーションはつまるところ、「熱」なんですね。
「熱」である以上、冷めた環境に入れれば冷めてしまいます。
子供がどういう友達と付き合っていて、どうなりつつあるのか?
それを注視していくのはとても大切なことです。
「あの友達と付き合うのはやめなさい!」なんて言っても子供が聞くはずはないでしょう。
そういうことを一切言わなくても、勝手に子供がいい友達を選んでくるようになるのがベストです。
それには折に触れて、友達を見る目を養うことにつながる教育をしていくことが大切です。
では、友達選びの目はどのように養われるのかについて、次回は書いてみたいと思います。



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