塾業界の人材 [塾の選び方]


こんにちは。
前回は塾講師、塾長という視点から塾業界を見てきました。
こうした視点からお話を始めたのには理由があります。
全国的に有名な塾だから・・
地元で何年も続いている塾だから・・
合格実績のある塾だから・・
実は、こうした理由は塾の品質をほとんど保障しません。
マクドナルドはどこで食べても同じ味ですが、塾は教室によって中身が全く異なるのです。
それを常に頭においておくべきです。
では、何を判断基準として塾を選べば良いのか?
塾長を見て、その塾を判断するのが、一番確実なんです。
だからこそ、人材という側面から塾の選び方をお話させていただいています。

さて、本題に入ります。
確かに塾業界にはいい人材は集まりにくいのかもしれません。
しかし、いい塾長というのは確実に存在します。
それをどういった視点で見分ければ良いのかをお話させていただきます。
その切り口ですが、まずは年齢を確認してみてください。
予想で構いません。
一つの境界線が30歳くらいです。
未婚なのか?子供がいるのか?
そのあたりを何気なく探っていくのです。
なぜ年齢が大事なのかと言えば、分類で言えば、「おじさん、おばさん」に入りそうな年齢の場合と、
塾長が明らかに若い場合では判断の基準が異なるからです。
まずは30歳を超えていると予想される場合。
塾業界の経験年数を聞いてください。
そんなこと聞いていいの?と思わないでください。
自分の大切な子供を預けるのですから、当然です。
経験年数が3年以下の場合・・。
その塾はやめておきましょう。
いい場合もありますが、リスクが高すぎます。
業界経験年数は最低5年は欲しいところです。
特に他の業界から転職してきた人間は、ビジネスの感覚が強すぎて教育熱心でない場合があります。
要はバランスなのですが、そのバランスがビジネス寄りなのです。
5年以上の経験者だった場合・・。
とりあえず合格ですので、次のステップで判断します。
ここから先は見分けるのが結構楽です。
抽象的で申し訳ないのですが、目が輝いているかどうかを見ればすぐに分かります。
疲れてそうな人はダメです。
酒臭いとか、タバコ臭いのもダメです。
朝の満員電車が似合う人もダメです。
塾長という仕事は大変なので、年齢を重ねると、どうしてもくたびれた雰囲気が出てしまいます。
先日、述べたように業界全体の先行きが暗いのが、その理由です。
しかし、本物の塾長は子供からの信頼を元気の源としているので、年齢以上に元気なんです。
こういう人は合格です。
続いて、塾長のお話を良く聞いてください。
見分けるポイントは、苦労してきたかどうかと夢があるかです。
苦労されている方でなければいけません。
そういう人のモチベーションって結構皆似ているんです。
「自分がしてきたような苦労を子供達にさせたくない」
そう思って働いているんですね。
ただ、気をつけないといけないのは、「勉強は重要ではない」みたいなことを言う人です。
勉強は重要です!!
塾は勉強をしにいく場所なのですから、こういう言葉を言う人がいたら気をつけてください。
成績が上がらないことの言い訳として使われることの多い言葉だからです。
塾は成績を上げるための場所だということをお忘れなく。

次は若い塾長さんの場合ですね・・。
これは経験年数はあまり関係がありません。
男女も関係ありません。
若い人ならではの判断基準があります。
それは、もうとにかくがむしゃらでやってくれるかどうかです。
多少ムリがきくのが、若者のいいところです。
学校教育の現場では、新任一年目の先生が担当した学級が一番盛り上がるということがあります。
色々ポイントはあるのですが、何が起こっているのかと言えば、子供と一緒に成長しているんです。
子供は成長する大人と一緒にいるときが、一番成長します。
これは、方法論や理屈ではないんです。
必死な大人の姿に触発されて一生懸命頑張ってくれるのです。
これは私自身にも経験があります。
私が最も未熟だった1年目に担当した子供達のことは今でも忘れることが出来ません。
子供への接し方が分からずに、泣かしてしまうことや、喧嘩みたいになることもありました。
経験が増えてくると、そうしたことはほとんどなくなります。
言ってはいけない言葉などを学んでいくからです。
あのときは子供を傷つけてしまったなと、よく反省していました。
教材のカリキュラムとかも良く分からないので、はっきり言ってデタラメです。
でも、驚くべきことに、塾をやめてから一番良く遊びにきたのは、その頃の生徒なのです。
何のことはない。
一緒に教えられて成長していたのだと思います。
塾が良かったと思えたから、何年経っても遊びに来てくれたのでしょう。

先日のお話をもう一度確認します。
現実問題として、塾業界にいい人材はあまりやってきません。
塾長が若かった場合・・。
残念ながら、能力も格別高くなく、経験もないという場合がほとんどです。
その場合、唯一の判断基準は、子供と一緒に成長してくれそうかどうか?
これだけです。
現時点での経験の少なさを素直に認められる人がいいでしょうね。
僕ならこういう風にして判断します。
「今の自分自身に点数をつけるとしたら何点?」
そう塾長に聞くのです。
自己採点が60点とか70点ではダメです。
ここではっきり、「1点です。まだまだ学ばないといけないことばかりですから」
と正直に言える人間がいいですね。
高得点をつけられると、未熟なくせにもう成長する気はないのか!と言いたくなります。
同じ質問をしてくださいということではありません。
要するに、こうした視点から見分けてくださいということです。

とにかく、塾の内容は、その塾の責任者次第だということを重々頭に入れておいてください。
そして、入塾の面談では、なるべく塾長や教室長と呼ばれている方に会ってください。

以上、塾長で判断する塾選び方講座でした。



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コスモ牛丸

うちも大学生のアルバイトを中心に雇っていますが、
何よりも先に聞くのが、「受験の苦労話」です。
浪人していたとか、志望校を変えたとか、そんな話を聞かせてもらいます。

そんな話の中で、「苦しい思いもしたけれど、一生懸命頑張って楽しかっ
た」と言える人は、多少技術的に未熟でも、僕が育てます。育てられなかっ
たら僕の存在意義などかけらもない(笑)。

一緒に泥まみれになりながら、一緒に成長していければ最高です。
アルバイトに「働いてよかった」と思われない職場作りはしてはいけない、
成長実感を生徒だけでなく講師にも持たせてあげないといけません。
by コスモ牛丸 (2009-11-05 16:20) 

せんせい

驚くほど頑張ってくれる先生は確かにいますね。
誰のための塾か分からないくらい成長してくれるときがあります。

大変な仕事なんですけど、得るものは多いですからね。
講師になったからには頑張って欲しい。
涙を流せるアルバイトなんて、他にはなかなかないんですよ。
目先のお金だけじゃない価値を学んでもらいたいものです。
by せんせい (2009-11-06 16:34) 

die_katze

人を育てる職業である以上、自分自身が成長している姿を手本として示すことは、とても大切なことですよね。 
生徒に努力しろと言いながら、教師が自分を高めるための努力をしていなければ言葉に説得力が生まれませんから。
成長し続けるために、学び続ける努力を惜しまないこと。それが、教育者にとって必要な心構えではないかと思います。
by die_katze (2009-11-07 00:58) 

せんせい

>die_katze様

勉強は何歳になったから終わりというものではないですよね。
子供は子供なんです。
必要性をいくら言葉で伝えてもイメージがわかないから伝わらない。
真剣に勉強する大人の姿を見て初めて、心が動く。
いくつになっても大人の学ぶ姿勢は大切です。
伝え方は異なれど、die_katze様のブログにも同じ心意気を感じます。
by せんせい (2009-11-07 21:05) 

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