理科からはじめなさい [理科]

9月30日

定期テストの点数も悪く、内申も散々・・。
今まで勉強という勉強もしたことがなく、習慣もない・・。
部活動に熱中してきて、中学3年生の夏休みも遊んでしまった・・。
受験は目前に迫っているにも関わらず、相変わらず本人には自覚なし・・。

毎年この時期になると、こんな生徒を抱えた親が現れます。
そんなとき僕はその子供に対して何を言うか・・

「理科から勉強をはじめなさい」

こう言います。
理科の勉強に苦手意識を持っている生徒は非常に多いです。
それにも関わらず僕はこういうことを言います。
なぜか?
勉強が一番簡単で効果が出やすい科目だからに他なりません。
断言しましょう。
子供は理科が苦手なのではなくて、理科が嫌いなだけなのです。
好きとか嫌いに関係なく、成績を上げることだけを考えるならば理科に勝る科目はありません。
注意していただきたいのは、「物理」とか「化学」とか「生物」とか「地学」ではないということです。
あくまでも「理科」についてのお話である点がポイントです(要するに中学までの勉強)。

僕はこれまで1000人を超える子供たちにこういう質問をしてきました。
「何の科目が一番嫌い?」
この質問の答えは学年と時期によって傾向が変わるのですが、中2の終わりから中3くらいまでにかけて異様に割合が増える科目が理科なのです。もしかすると結果は地域によって変わるかもしれません。
いったい何が起こっているのでしょう?
答えは「電流」です。
僕のいた地域の学校では中学校2年生の冬に「電流」をやっていたのです。
この「電流」というのが子供の理科嫌いに拍車をかけてしまうんですね。
まるで算数や数学の応用問題なので、勉強が苦手な子供にはとても難しく感じるんです。

子供の意見はあくまでも主観的です。
「全然分からなかった」という記憶がいつの間にか「理科が苦手=理科が嫌い」になっていくのです。
本当は大変勉強しやすい科目であるにも関わらずです。
では、なぜそんなに勉強がしやすいのでしょうか?
それは「理科」という学問領域は存在しないからなんです。
本来「物理」、「化学」、「生物」、「地学」という学問領域があって、それを総称して「理科」と呼んでいるだけなのです。そしてそれぞれの学問にとって必要とされる学習特性は全く異なります。
「物理」であれば計数能力や論理的思考能力、「地学」は暗記力・・といった具合に。
しかも、それらの学問を1つの科目につめこんでいるために中学校までの「理科」というのは、非常に内容が薄いです。例えば、数学であれば中3にもなれば平方根の計算など非常に概念的な内容に進んでいるにも関わらず、理科で学ぶ内容は日常生活の延長で何とかイメージ出来そうな内容ばかりです。

大切なことを申し上げます。
今後も何度も触れるかとは思いますが、「勉強の難しさ=抽象度の高さ」なんです。
日常生活から離れれば離れるほど難しくなるのが、勉強と言えます。
そうした意味で中学生までの「理科」は非常に勉強がしやすいのです。
暗記が得意なら「生物」や「地学」から・・計算が得意なら「物理」からといったように自分の得意なところから勉強を始められるのも外せないメリットです。「電流」がわからないからと言って、「植物」が分からない理由にはならないわけです。

勉強が嫌いならまずは「理科」から。
嫌いだからこそ、これを先に克服することで、「俺って勉強やれば出来るかも?」という自信にもなります。
色々な意味で勉強を始めるのには最適な科目です。
何度も言っていますが、勉強嫌いの子供にとって大切なのはまずは成績を上げることなのです。

そのための最初の一歩として「理科」は最適です。
頑張りましょう。




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きこじじ

まさに、我が家の中3の息子も中1までは理科が大好きで得意だったのですが、中2から理科を遠ざけてしまっています。

そして、初めの4行のような状態です。
模擬テストを何度か受けて、毎回成績が上がっているので、少し意欲が出てきたところです。

なるほど、さりげなく理科の話題を食卓で上げてみようかと思います。

参考になるお話をありがとうございました。
by きこじじ (2009-10-01 11:41) 

せんせい

中1の内容からはじめてみるといいと思われます。
お子様のような症状でしたら、第1分野と呼ばれる「物理」、「化学」よりも第二分野を優先的に進めていただくのがいいかもしれませんね。

ご健闘をお祈りしております。
by せんせい (2009-10-01 16:06) 

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