作文と小論文の違いって何? [国語]

6月29日

塾で働いているとこんな質問をよく受けました。
私のいた地域では高校入試に特色選抜入試というのがあったのですが、その中で入学試験に「小論文」を課す学校が多かったのです。
それについての質問なのですが、
「先生、小論文と作文は何が違うのですか?」
という質問です。
疑問に思われている方も多いかもしれませんね。作文と小論文は何が違うのか?と。
お答えしましょう。
文章を書くことを作文といい、小論文はその中のジャンルの一つに過ぎません。
例えるなら、日本が作文で、小論文は東京都、感想文は大阪府、日記は鳥取県・・
みたいな感じです。わかりにくかったらすいません。
それぞれの地方自治が若干異なるように、それぞれの書き方も異なります。
日記のように小論文を書いてはいけません。

国語力の3大要素を覚えておられますか?
「読解力」、「表現力」、「知識」の3つですね。
作文=表現力ということで今日は表現力についてお話を進めていきたいと思います。
作文と言うと、苦手な生徒さんが多かったです。
特に多いのが、原稿用紙を前にするとぴたりと筆が止まってしまう生徒さんです。
苦手意識がそうさせるのかなかなか手が進まない生徒さんがたくさんおられました。
本来、文章にいいも悪いもないのです。
こうした子供には何でもいいからとにかく書かせることから始めないといけません。
いきなり原稿用紙にまとめさせるのではなく、下書きから始める必要があります。
一文、二文でいいから何か思いついたことを書かせていきます。
最後にそれをまとめるという手法を取るのですね。
何も思いつかない場合はどうすればいいのか?
何も思いつかない原因はひとつしかありません。
脳は質問をインプットすれば、それに対しての回答や意見を探し始めます。
これに例外はありません。
何も思いつかない子供は、脳に正しい質問が出来ていないのです。
ここで親の協力が必要になります。
子供の意見や回答を引き出すために質問をしてあげてください。
例えば、読書感想文なら、
「登場人物は誰だっけ?」
「その中で主人公は誰だったかな?」
「この本の中で主人公はどんな体験をしたんだろう?」
「その体験で一番苦労したのはどんなときだった?」
「そのときに主人公はどんなことを考えたんだろうね?」
「○○(子供の名前)だったら、そんなときどう考えるかな?」
「そのときの主人公の行動についてどう思った?」
こんな具合です。
正しい質問を投げかけたにも関わらず、何も言わない場合はどうでしょう?
それはきっとあなたが怖いのです。
怒られるから怖いとかではなくて(もちろんそれもありますが)、こんなことを言ったら間違っているのでは?とかそういう類の恐怖です。
重要なのは子供の意見を否定しないことです。
大人から見れば、稚拙な回答しか出てこなかったとしても、そこで子供の意見に対して何かを言ってはいけません。
最初の原則によれば、文章にいいも悪いもないのですから。
ただ、考え方の視野があまりにも狭すぎたり、考え方のレベルが浅すぎたりといったことはあります。
誰にでも思いつくレベルの回答しか出ない場合ですね。
そういう場合はさらに問いかけが必要です。
子供の発想が広がるような質問を投げかけてあげてください。
そして作文が出来たら、それがどんな文でも最初はほめること。
ほめてから改善点を伝えるようにしてください。
これは、大人でも一緒です。
チームで個人に分かれて何かの模擬練習をしていたとします。
例えば、僕が塾長のときには講師の模擬授業練習というのがありました。
一人の講師を囲んで皆がそれについての意見を述べるのですが、このときに改善点から話し出す人がいます。これはいけません。
改善点から話しはじめてしまうと、その後の褒め言葉が言い訳みたいに聞こえるからです。
「○○って言っていたけど、その伝え方じゃ子供は分からない。」
「早口になりすぎていて、聞取りにくかった。」
「でも、真剣さが伝わってきてよかったよ。」
こんな風に意見を言われても、あまり嬉しくありません。
そうではなくて、
「すごく真剣な授業でびっくりした。それだけの熱意があれば子供は集中すると思う。」
「でも、一生懸命すぎて少し早口になるときがあるね。」
このように言われれば、納得するものです。
子供の作文について意見を言うときも全く一緒です。
どんな理由であれ、その作文がその子の現状の実力なのですから、まずはそれを肯定するところからはじめるのが基本です。
よくほめると調子に乗ってもっと適当にやるのでは?と思われる保護者の方がおられましたが、全くそんなことはありません。むしろ逆です。
子供から見れば50点くらいの仕上がりの作文だったとしても、親がすごくほめれば、
「これですごいんだ?じゃ、今度はもっとすごい作文を書いて驚かせよう。」
こういう風に思うものなのです。
そうではなくて、子供が仕上げたものに対してまず否定から入ってしまう親がいます。
そうした親の育てた子供に典型的な症状が先に挙げた、正しい質問に対しての回答や意見すら出てこない子供です。恐怖心が先に立って何も言えなくなるのですね。
文章の細かい添削は後でいいのです。
添削は学校や塾の先生に頼むのが一番ですが、誤字脱字の修正は親でも出来ます。
まずは恐れずに文章を書くようになること。
そして、文章で何かを表現することに喜びを感じられるようになること。
このレベルを目指してください。

明日はいよいよ「小論文」の書き方に入ります。



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