「音読」のススメ [英語]
6月14日
少し昨日までのお話をまとめます。
・日本の英語教育だけでは英語は話せるようにならない
・話せるようになるには、実際に使ってみるという経験が必要だから
・しかし、日本の英語教育を上手に活用すれば学んだ英語は無駄にはならない
というお話がありました。
そこで使える英語を学ぶための手段として、
・最低でも「英単語」と「構文」、出来るなら教科書を丸暗記するべき
・「単純記憶」として丸暗記する勉強には苦痛が伴う
・しかし、そうして脳に刷り込んだ知識こそが使える英語力につながる
・単語を「単純記憶」するには五感をなるべく使って学習する方が良い
・書きながら「音読」して学習すれば、暗記効率は2倍以上になる
といったようにお話を進めてきたわけです。
今日は「音読」の持つさらなる効果についてお話を進めたいと思います。
突然ですが、皆さん。
逆さ眼鏡ってご存知ですか?
ヒトやサルの目はカメラに似ていて、レンズ(水晶体)を通過した光は、上下にも左右にも逆転した像を網膜に結びます。外の世界は上下逆さまに写されたまま、もとに戻されることはなく、脳に行っても脳の上側(背側)は下の視野に、脳の下側(腹側)は上の視野に対応しています。
簡単に言えば、本来私たちが見ている世界は上下左右が逆に見えているはずなのです。
私達が生活しやすいように、普段は脳が勝手に処理してくれているんですね。
しかし、逆さ眼鏡というものをかけて生活すると、本来は上下左右逆だったものが正しい向きになって脳に入ってくることになります。
その状態に脳は混乱を起こしますが、しばらくそのままの生活を続けると、今度はその逆さ眼鏡をかけた状態(つまり本来見えているはずの景色)が当たり前の状態になるそうです。違和感を感じなくなるらしいんですね。
これは一つの驚きです。
脳は人間が見たことをそのまま処理しているのではなく、僕達がそれを扱いやすいように無意識のうちに情報整理してくれているのですね。
関係のない話じゃないか!と言わないでください。
実は、聴覚についても同じようなことが行われているのです。
老人になると、難聴になる人が増えます。
これまでの医学では難聴の原因は、耳の機能低下にあるというように考えてこられたのですが、最近の研究により新しい事実が発見されました。
例えば、台所から
「ごきぶりーー!!」という母親の悲鳴が聞こえたとします。
しかし、実際に耳が聴いているのは、全部の音の何割かに過ぎないらしいんですね。
つまり耳が実際に聴いている音は、
「ご○○りーー!!」くらいなのです。
では、その間の音はどうなっているのかと言えば、脳が自動的に補完しているそうです。
最新の医学では、難聴の原因をこの○○の部分を補う脳の機能の低下ではないか?というように疑うらしいんですね。耳が悪くなっただけだと思っていたのが、実は脳の機能低下による認知症の初期症状だったりするらしいのです。
以上、余談です。
ここからが本題なのですが、脳の補完機能は知っている単語でなければ発動しません。
当たり前ですよね?
スワヒリ語とかを聞いて、聞こえていない部分を脳が正確に補っていたら、不気味です。
あくまでも自分が声に出したことのある単語に対して、脳は聴覚を補います。
聴覚が異常に発達した人を除けば、普通はこの脳の聴覚補完機能を使って英語の音を理解していることになります。
つまり、普段「音読」を学習に取り入れていない子供は、聴覚のみを頼りに英語の音を聴き取らなければなりません。はっきり言ってこれは不可能に近いです。
結果的にリスニング問題が全滅してしまうのです。
センター試験でもリスニングが取り入れられたように、英語教育におけるリスニング力はここ数年非常に重要になってきました。
よくリスニングの勉強をするためには海外のニュースを聞けとか言いますが、中学生に海外のニュースを見せたって何の効果もありません。
それよりも絶大な効果を発揮する勉強法はとにかく「音読」させることなのです。
「音読」を習慣にしていれば、高校受験レベルくらいでは、リスニング用の対策がそれほど必要になるわけではないのです。
繰り返しますが、「音」だけで聴いている情報は全体の50%もありません。
すべては脳によって補完されることで、「単語」や「文章」になっているのです。
ひたすら英語を聴くだけの学習よりも「音読」を完璧にするほうが、よっぽど現実的で効果の高い学習法です。
英語の勉強はとにかく「音読」です。
これだけはお子様に徹底させてくださいね。
ではまた明日。
少し昨日までのお話をまとめます。
・日本の英語教育だけでは英語は話せるようにならない
・話せるようになるには、実際に使ってみるという経験が必要だから
・しかし、日本の英語教育を上手に活用すれば学んだ英語は無駄にはならない
というお話がありました。
そこで使える英語を学ぶための手段として、
・最低でも「英単語」と「構文」、出来るなら教科書を丸暗記するべき
・「単純記憶」として丸暗記する勉強には苦痛が伴う
・しかし、そうして脳に刷り込んだ知識こそが使える英語力につながる
・単語を「単純記憶」するには五感をなるべく使って学習する方が良い
・書きながら「音読」して学習すれば、暗記効率は2倍以上になる
といったようにお話を進めてきたわけです。
今日は「音読」の持つさらなる効果についてお話を進めたいと思います。
突然ですが、皆さん。
逆さ眼鏡ってご存知ですか?
ヒトやサルの目はカメラに似ていて、レンズ(水晶体)を通過した光は、上下にも左右にも逆転した像を網膜に結びます。外の世界は上下逆さまに写されたまま、もとに戻されることはなく、脳に行っても脳の上側(背側)は下の視野に、脳の下側(腹側)は上の視野に対応しています。
簡単に言えば、本来私たちが見ている世界は上下左右が逆に見えているはずなのです。
私達が生活しやすいように、普段は脳が勝手に処理してくれているんですね。
しかし、逆さ眼鏡というものをかけて生活すると、本来は上下左右逆だったものが正しい向きになって脳に入ってくることになります。
その状態に脳は混乱を起こしますが、しばらくそのままの生活を続けると、今度はその逆さ眼鏡をかけた状態(つまり本来見えているはずの景色)が当たり前の状態になるそうです。違和感を感じなくなるらしいんですね。
これは一つの驚きです。
脳は人間が見たことをそのまま処理しているのではなく、僕達がそれを扱いやすいように無意識のうちに情報整理してくれているのですね。
関係のない話じゃないか!と言わないでください。
実は、聴覚についても同じようなことが行われているのです。
老人になると、難聴になる人が増えます。
これまでの医学では難聴の原因は、耳の機能低下にあるというように考えてこられたのですが、最近の研究により新しい事実が発見されました。
例えば、台所から
「ごきぶりーー!!」という母親の悲鳴が聞こえたとします。
しかし、実際に耳が聴いているのは、全部の音の何割かに過ぎないらしいんですね。
つまり耳が実際に聴いている音は、
「ご○○りーー!!」くらいなのです。
では、その間の音はどうなっているのかと言えば、脳が自動的に補完しているそうです。
最新の医学では、難聴の原因をこの○○の部分を補う脳の機能の低下ではないか?というように疑うらしいんですね。耳が悪くなっただけだと思っていたのが、実は脳の機能低下による認知症の初期症状だったりするらしいのです。
以上、余談です。
ここからが本題なのですが、脳の補完機能は知っている単語でなければ発動しません。
当たり前ですよね?
スワヒリ語とかを聞いて、聞こえていない部分を脳が正確に補っていたら、不気味です。
あくまでも自分が声に出したことのある単語に対して、脳は聴覚を補います。
聴覚が異常に発達した人を除けば、普通はこの脳の聴覚補完機能を使って英語の音を理解していることになります。
つまり、普段「音読」を学習に取り入れていない子供は、聴覚のみを頼りに英語の音を聴き取らなければなりません。はっきり言ってこれは不可能に近いです。
結果的にリスニング問題が全滅してしまうのです。
センター試験でもリスニングが取り入れられたように、英語教育におけるリスニング力はここ数年非常に重要になってきました。
よくリスニングの勉強をするためには海外のニュースを聞けとか言いますが、中学生に海外のニュースを見せたって何の効果もありません。
それよりも絶大な効果を発揮する勉強法はとにかく「音読」させることなのです。
「音読」を習慣にしていれば、高校受験レベルくらいでは、リスニング用の対策がそれほど必要になるわけではないのです。
繰り返しますが、「音」だけで聴いている情報は全体の50%もありません。
すべては脳によって補完されることで、「単語」や「文章」になっているのです。
ひたすら英語を聴くだけの学習よりも「音読」を完璧にするほうが、よっぽど現実的で効果の高い学習法です。
英語の勉強はとにかく「音読」です。
これだけはお子様に徹底させてくださいね。
ではまた明日。
2009-06-19 21:37
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